"親みたいになりたくない"
                    2002.9.14 東山裕一


私にも覚えがあることですが、子供の頃、親、特に同性の親に対して、嫌いできらいでしかたがないことがあります。 単なる反抗期とは違います。 自分にえらそうに命令するなら、もっと立派な人間、完全な人間であるべきだと思ってしまうんです。 そのギャップがゆえに、「こんな大人には絶対なりたくない」と、親の生き方と正反対に走ってしまうことさえあります。 まじめで立派な家庭にドラ息子・フーテン娘ができたり、飲んだくれ親父の子供が堅実な生き方を選ぶ例も結構耳にします。

しかし年齢を重ね、親をひとりの人間として見れる年、あるいは自分が子を持つ親の立場になれば、むしろ親近感さえ覚えるようになります。 人はダテに年をとるわけではありません。 それぞれの経験の上に、子供にはこういう生き方をした方がいいという親心で、いろいろ耳の痛いことを言ってしまうのです。

といっても、言われる側の子供にとっては、その時そんなことがわかる訳ありません。 親の方が頭ごなしに命令するんではなく、少しでもわからせるタイミングと言い方に注意するのがポイントということでしょうか。 また子供にとっては、どれだけ早く素直になれるかが大事です。 子育ては本当に難しく、会社での人材育成よりも難しいです。 言葉は表面的に通じていても、心は通じないものです。 ご注意あれ。

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