「 わたし あなた 」 考
                    2001.2.10 東山裕一


街の女学生同士の会話で、「自分、どう思う?」という言葉には戸惑いを感じます。 「私はこうこう...」とさんざん喋ったあげくの一言ですから、明らかに相手に尋ねているのにどうして「自分」なんでしょう。

考えてみれば、日本語では第1人称と第2人称、すなわち「わたし」と「あなた」が昔からあいまいになりがちです。

本来第1人称の「我」が、いつのまにか少し品の悪い関西弁、「われ」になってしまいました。 そういえば今では普通に「あなた」を意味するようになった「おまえ」、「おのれ」、「てめえ」も、元々は「御前」、「己」、「手前」ですべて「わたし」の意味ですからね。

どうやら下町言葉が発祥地のようですから、私もあなたも同類、無意識の仲間意識が根底にあるようにも思います。 いずれにしてもこんな現象は英語ではありません。 国際社会で意見を言えるようになるには、最低限「私」と「あなた」はきっちり区別したいものですね。
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