「お金」で発展した現代経済、でもインターネットで物々交換経済に逆戻りも?
                                         2000.6.3 東山裕一


お金で解決できない事もたくさんあるのに、「お金さえあれば何でもできる」という風潮が広がって悲しいですね。 でも、お金という媒体を使って物を交換するシステム(貨幣経済)は、人類の歴史的な大発明だとは思いませんか。

その昔、自分の欲しい物と相手が欲しい物とを物々交換していました。 自分の持っている物を欲しいと思う人が自分の欲しい物を持っている、そんな相手を探すのは大変なことで、とても不便だったことでしょう。 そこで「お金」をいうものを発明して、物の価値を数字化しました。

物の価値にモノサシを持ち込んだとことは画期的なことです。 ある人にとってはすごい価値があっても、他の人にとってはガラクタかもしれません。 でも自然と、交換が成り立つ適切な値段に落ち着いていきました。 そして複雑な貨幣経済にまで発展してきました。 もちろん税システムも貨幣経済が前提で、すべて「お金のやり取り」に対して課税されています。

さて最近、インターネットを使ってEC(電子商取引)が広がり始めました。 ネットオークション(買い手がセリ上げる)だけでなく、逆オークション(買い手の希望価格に対し売り手が応札する)など新しい商モデルも始まっています。 もう一歩進んで、昔苦労した物々交換の相手探しを、インターネットで瞬時に見つけられるとしたらどうします。 お金というものを意識することなく、手元にあるものをあげてほしいものを手に入れられる、そんな昔の世界に逆戻りするかもしれません。
でも、もしこんなことが普及したら、税金をかけられない税務署は困るかもしれませんね。 
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