家事は誰のもの?
2025.6.16 東山裕一
「嫁」という漢字は「家の女」と書くぐらい、昔の女性は結婚したら家にいるものでした。家内、女房(房は部屋の意)、家人、奥様(家の奥の意)という言い方もすべて、そういう文化の中で使われた言葉です。古くは狩猟時代から、「男は外で働くもの、女は家を守るもの」とされてきました。私が子供だった60年以上前、主婦である母親の役割はもっぱら家廻りの仕事で、掃除、洗濯、炊事、育児、それに家計のやりくりでした。 一方、社会に出て収入を稼ぐのは男の仕事で、この役割分担が社会通念として定着していました。両者の仕事量はほぼ互角だったのかもしれません。でも男の方が偉そうにしていました。
戦後、掃除機、洗濯機、冷蔵庫、オーブンレンジ、食洗器など、便利な家電製品が登場、絶えず進化して、主婦の仕事は随分軽減されました。そのためか昼間のレストランに、おばさん客が多いのには驚きます。
近年、女性の社会進出が目覚ましい要因には 時間的余裕ができたとか、支出が増えてで相対的に暮らしが厳しくなってきたことが考えられます。いずれにせよ、有能な女性が家に収まるのでなく社会貢献することは、社会全体として間違いなく良いことです。夫婦の間で十分話し合って、ケースバイケースの役割分担を決めるのがいいと思います。
ただ育児だけは、決して手を抜かずに力を注いでほしい。幼児を保育所に預けることは、小さいうちから社会性を育てるという効果があります。しかし、保育所にもいろいろあってあって、任せっきりは良くありません。
育児は、両親が協力してできる唯一の未来創造活動です。
Copyright (C) 2000-2025 Higashama