おならの広がる速さ
2003.3.22 東山裕一
おならをすると、隣の人が1秒後に、少し離れた人が4、5秒後に「くさいなぁ、誰や」ということになります。 近くにいれば、早いだけでなく強烈な影響を受けます。 一発のおならの量が同じなら、広がる速さは大体一定しています。
「絶対人に言わないで」と前置きしてしゃべった隠し事は、実際はすぐに口コミで伝わり、何日かすると学校中、会社中に知れ渡ると言うことはよくあります。 ニュースの価値(面白さ?)が同じでも、人が出合う頻度と口のかたさによって、広がる速度は相当変わってきます。
少し難しい話になりますが、純度の高いシリコン結晶を高温の不純物ガスの中においておくと、不純物原子が徐々にシリコン結晶に染み込んで半導体が出来上がります。 以上3つの現象は、どれも"拡散"という自然原理、すなわち次の拡散方程式に従います。
あるポイントでの注目粒子(おなら、うわさ、不純物)の流出速度 = そのポイントでの注目粒子密度の傾き × 拡散係数
最近では、放送やインターネットの日常化で、情報は世界規模ですぐに広がります。 拡散係数はきわめて大きい世の中になったといっても良いと思います。 一方、民族間の価値観や宗教観念はなかなか同化しないものです。 それはそれでいいのだと思います。
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