「もし..だったなら」仮定の表現
2002.9.22 東山裕一
英語の仮定法というのを習うのは、高校に入ってからでしょうか。 これを日常会話で正しく使えれば、はっきり言って、かなりの英語力だと思います。
「もし私がアメリカに生まれていたなら、英会話には苦労はしなかったろうに」 など、現実にはそうでないことを表現するときに使います。 英語では1つ時制を遅らて、今のことを言うのに過去形を用いる、いわゆる仮定法過去というのを使います。
「If I were born in the US, I could have no trouble in English conversation.」
でも、よく考えると日本語でも、「生まれていたら、...しなかったろうに」と、今のことを言うのに過去形を使っています。 他の言語でもすべてがそうだとは思いませんが、全く異なる言語表現の発想が同じなのには驚きます。 人間共通の知恵かもしれません。
ところで人に何かを頼むときの丁寧な言い方に、たとえば「Could you please pass me the book?」 というのがあります。 どうして「Can you ...」じゃなくて「Could you ...」なのかということですが、これは仮定法過去の「If you wouldn't mind,」が前に省略されているからでしょう。 「もしよろしければ、その本を取っていただけますか」という感じでしょうか。
言葉って面白いですね。
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