ボタン付けと目玉焼き
2009.7.24 東山裕一
50年近く前、小学5、6年生の頃、家庭科の時間に運針、ボタン付け、まつり縫いを習ったり、目玉焼きを作った記憶があります。担任が50歳ぐらいの女性の先生で、男の子には少々へたくそでも大目に見てくれました。
あの頃はどこの家でも、破れた服につぎ当てをしたり、浴衣を解いて洗い、もう一度縫い直して浴衣にするようなことが日常的に行なわれ、そんな祖母さん、母親を見て育ちました。しかし最近では、つぎ当てしてまで同じ服を長く着る事もなく、家で裁縫道具を使う事と言えば、数年に一度のボタン付け程度になったのではないでしょうか。
食事にしても、コンビニで出来合いのものを買ってきて、家でチンするだけという家庭も多くなりました。便利だし結構おいしいのでたまには重宝するのですが、いつも同じ味なので飽きてしまうというのは私だけではないはずです。少し塩辛かったり薄味だったりする、我が家の味というのがこれからかえって見直されると思います。長く続いた人気番組「ひとりでできるもん」のブームはその後どうなったのでしょうか。裁縫はいざ知らず、食べる事は人間の本質ですから、料理が得意というのが大きな売り文句です。
ちなみに、私でも50年前に習ったボタン付けと目玉焼きだけはできます。しかしそれだけのことで、家内からは「自立できていない」と叱られています。
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