リズム:繰り返しの心地よさ
2025.6.1 東山裕一
浜辺に打ち寄せる波、雨だれの繰り返し音などは、ヒーリング(癒し)音楽に使われるほど実に心地いいものです。また、音楽には2拍子、3拍子、4拍子などの拍子があって行進や舞踏に都合がいいし、メロディを聴くにしても底辺に流れるドラムや低音のリズムに心が躍り、あるいはなごみます。
リズムを感じ反応できるのは、何も人間だけではありません。オウムやチンパンジー、アシカにも、ビート予測、リズム同調能力があることが分かっています。
短い旋律を反復することは音楽技法の基本になっていて、楽譜記号も充実しています。リピート記号、ダ・カーポ、ダル・セーニョなどです。
音高を変えながらフレーズを繰り返す反復進行、さらにはソナタ形式、ロンド形式、循環形式、カノン、フーガなど、主題(モチーフ)をベースに変化を加えながら繰り返す様々な高度な作曲技法もよく知られています。
聴覚のリズムに限らず、子供を寝かしつけるのに背中を軽くトントン叩いたり、レールの継ぎ目で起きる電車のガタンゴトン振動で眠気を催したりします。また詩歌の押韻(頭韻、脚韻)やリフレインは穏やかな余韻を醸し出します。人は誰でも繰り返しに心の安らぎを覚えるのです。
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