指揮者に挑戦
                    2009.10.5


昨日聴きに行ったファミリーコンサートで、「題名のない音楽会」ばりの楽しい企画、「指揮者に挑戦」があった。お題はベートーベン「運命」の冒頭数小節。

最初の挑戦者は幼稚園児ぐらいの元気の良い、でも演奏者から見えるのか心配になるほどの小さい男の子。
指揮台に上がって両手に挙げた緊張の瞬間、その子はそのまま凍り付いてしまった。いつまでたっても何も起こらない。業を煮やした楽団の指揮者が歩み寄り、そっと手を沿え動かして音楽が始まった。

なぜこんなことになるのか。この子は、指揮者とは音楽に合わせて手を振るものと思っていたに違いない。それでも音楽が始まると「運命」になっていた。指揮に合わせて団員が弾いているのやら、音楽に合わせてこの子が手を振っているのやらわからないままだが。

不思議なものだ。そしてこの世の中、結構こんな風に動いているのかもしれないと思って恐ろしくなった。自分の意思を示さない人、誰の指示、理由かわからないまま単なる惰性で動いている人。これではいけない。

その指揮者によれば、指揮は一度やればやめられない快感だとか。

少なくとも指示待ち人間はやめよう。 ...そして、私も一度は指揮を経験したい!
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