物の豊かさ・心の貧しさ
2015.5.26 東山裕一
「衣食足って礼節を知る」は、飢えない・寒さを凌げるといった最低限の生活基盤が整わなければ道徳感は養われないという、自然の理を表した言葉です。
一方、「ボロは着てても心は錦」は人としての気格を教え、反対に「貰う物は夏でも小袖」とは、貰えるものは何でも貰うという厚かましさ、さもしさを言います。現代社会で補助・補償制度が充実すること自体は良いことですが、最近の「そこまで言うか」というほどの行き過ぎた権利主張の風潮には首を傾げます。
大震災時にも略奪が起こらず、レジで支払うために列を作る映像を見て、日本人の道徳水準に感動するのは私だけではないと思います。社会規範を守ることを超えて、「吾唯、足るを知る」の精神が世界の見本になればいいなあと思います。
Copyright (C) 2000-2015 Higashama