前のページへ 次へ 第4幕 イスタンブール E

最後の夜

2000年11月16日(木)

ガラタ橋を渡り、世界一短い地下鉄に乗って、一旦ホテルに戻ることに。
これから夜が更けて行くに連れてどんどん寒くなってくるのが
予想されるので、着替えるためだ。

着替えを済ませた後、食事をどこで取るか、ガイドブックを見る。
食事がおいしそうで、ワインがたくさんおいてある店を探す。
店を決め、メニューを見て、あらかじめ、食べたいメニューを選んでいく
ことにする。

ウフララの谷で、ハヤット達と食べた、『エゾリゲン・チョルパス』という
スープが忘れられない。
嫁は、また、これが飲みたいと思っていた。

店は、タクシム広場から徒歩2分のところにある『ハジュ・ババ』に決め、
ホテルを出発。
路面電車に乗る。
子供達が、何やら運転手に声を掛けている。
運転手は、手馴れた手つきで、電車の後の方を親指で指差して、うなづく。
<嫁>「何やろう・・・?」
<夫>「うん・・・」
ショーウインドウに、電車が映る。
<嫁>「ははは・・・見て、見て!子供がぶら下がってる!」
さっきの子供達が、路面電車のうしろに何人もぶら下がっている。
子供達は、電車はタダのようだ。
降りる時は、好きな所で飛び降りるが、乗る時には、ちゃんと運転手に
ことわっている。
むちゃくちゃのようだが、ルールがあるのだ。
トルコの子供は、本当に、元気だ。

タクシム広場に着き、店を探す。
少し、緊張しながら、店に入る。
店は、こぎれいで、中で食べるかテラスで食べるか聞かれ、テラスと
答えると、席に案内してくれた。
私達は、「ベーンディ・ケバブ」と「タンドゥル・ケバブ」とサラダ、
トマトスープとワインを注文した。

ここには『エゾリゲン・チョルパス』はなかった。
店の人に勧められ、トマトスープにしたがこれもなかなか美味しい。

全部、食べて、お勘定を払う。昨日の店よりは、少し高いが、
日本円で、2人で2,500円くらいだった。
ショッピング

2000年11月16日(木)

 

 

 

 

 

 

 

左がオリエンタル。
購入したCD

店を出て、店の近くの商店に入る。
嫁がお土産で買って帰りたい、と思っていた、ホットペッパー入りの
トマトペーストと、夫の会社のお土産を買う為だ。
お土産は、お土産として売られているものをあげるよりも、普通に
コンビニなんかで売られているものをあげる方が喜ばれる。

トマトペーストを買おうとすると、賞味期限が切れている事に気がついた。
日付を指差し、他のがないか聞く。ないらしい。
トマトペーストは諦めることにした。

<嫁>「・・・早く、この店を出よう。」
なぜなら、この店の店員のお兄ちゃん、ものすごい体臭なのである。
体臭に敏感な嫁は、乗り物の中でも、
<嫁>「ううっ。」
と言っては、えずいていたが、夫は、
<夫>「そうかぁ〜???」
と鈍感なのである。そんな夫が、
<夫>「うう〜、たまらん。」
と言った。鼻が曲がりそうだった。

さっさと、お土産のお菓子と、水、ビール2本を買い、お金を払って
店を飛び出した。
<嫁>「ふぅ〜・・・苦しかったぁ。」
<夫>「あれは、ひどいなぁ。」
本人は気づかないのだろうか。
周りの人は言ってあげないのだろうか。
それを言うと、セクハラになるのかなぁ・・・

店を出て、今度は、CD屋に向かった。
トルコの曲を、日本に帰ってから家で聴くためだ。
店員のお兄ちゃんに、アップテンポのと、オリエンタルの一つずつ
欲しいと言うと、いくつか取って渡してくれた。
中から、選んでカセットテープを2本買うことにした。
(2本で5,000,000TL、日本円で800円)

CD屋を出ると、路面電車には乗らず、電車道をブラブラ歩いて
ホテルに帰ろうという事になった。

<嫁>「・・・・・ねぇ、私、この国、住めるわ!」
<夫>「へ??」
<嫁>「もし、イスタンブール転勤って言われたら、受けてええで。
大喜びで付いて来る!ここ、私、気に入った!住んでもえい!」
買い物も、食事も、もう大体できるようになっていた。
2人とも、トルコが、大好きになっていた。
街も、人も、食べ物も、すべて。
ホテルで

2000年11月16日(木)

9時過ぎ、ホテルに戻る。
買ってきたビール(500ml)で、最後の夜を乾杯し、何気なく、テレビを見る。
<嫁>「おお〜、これは!見たことある!『クイズ ハイ&ロー』や!
うわ〜、パクッてるで。『ザ・チャンス』にも似てるで!」
<夫>「さすが、テレビっ子やなぁ。」
会場の客が、「上、上、上、上!」「下、下、下、下!」と叫んでる。
カーテンが開いて、豪華な賞品が出てくる。
ピンクレディーかキンキンが出てきて、「Now get a chance!」と
やりそうだ。


太った青年が出てきた。見覚えのある顔。
どっかで見たような・・・・
<嫁>「おおー、部長や、部長、また出て来たで!」
またまた、嫁が最近まで働いていた大阪の広告代理店の
部長のソックリさん。
あの顔のルーツは、きっとこの国なのである。
どっちの顔もお見せできないのが残念、である・・・・

テレビを見ているうちに、ものすごく眠くなった。
明日は、夕方の飛行機なので、チェックアウトの12時までのんびりしよう。
それから、近くのガラタ塔に登って、それから空港に向かおう。
そう決めて、眠りについた。