加西市史(近世部会)編さん日誌(2002年)


2001年分

2月12日 三連休を利用して、すこし時間の空いてしまった法華山の巡礼札調査を行いました。今回、辰巳さん・森元純一さん・山崎さん・山形さん、そして編集室から森本さん・白杉さんに参加していただきました。昨年7月に引き続いて天井分の札をほこりと戦いながら整理しました。3日間で約490枚ほど整理しました。風化が進み、すすまみれの札が多く、作業はなかなかはかどりません。以前に比べれば少しはましですが、関東の地名(下総・下野・上野など)が圧倒的で、地理勘のなさも作業が進まない理由です。時代的には今回最も古いのは延宝期、18世紀後半が多いのも傾向としては特に目新しくはなさそうです。明治の大判の絵馬、奥州からの紙札などが若干印象に残った札でした。ご協力いただきました皆さん、先はまだまだ長いので、今後ともよろしくお付き合いください。
1月8日 上万願寺町の東光寺(天台宗、左写真)へ田遊び・鬼会を見に行ってきました。編集室の中谷さんの車に同乗して東光寺へ。民俗部会の佐々木先生にご挨拶して、案内していただいて、庫裏でしばらく待ちます(大根の煮付けとおにぎり、本当においしかったです)。鬼・福太郎・福次郎などが装束をつけ終え、迎えの火が来たのが、7時15分ぐらいでした。薬師堂西側で、どんどの火(爆竹)がたかれます。竹の音と煙が周囲に広がります。
 まず、田遊びから始まります。福太郎・福次郎が田植えの所作を行います。仏教的な唱え事が多いのが印象的です。実際は介添役ですが、よくしゃべります。田主役は住職さんがなされます。
 種をまこうというと,周りから、お米が投げつけられます。
 田遊びが終わると、鬼会がはじまります。子供たちが、棒で打ち合い(鬼の子の棒打ち)をし、松明をもつ赤鬼、鉾を持つ青鬼が現れます。12回繰り返されます。6回目が終わると、東西にかけられた鏡餅をたたきます。
 終わると、もちをまき、外陣に飾られている「鬼の花」をとろうと人々がよってきます。 鬼が堂から降り、改めて鏡餅を担いで庫裏に下がると、鬼会も終了です。
 今回は当日だけですが、佐々木先生のお話では、準備にはかなりの時間がかかり、鬼の花を作ったり、もちをつくのも大変だそうです。「民俗は、そこへいたるプロセスが大事」という佐々木先生の言葉が印象的でした。史料もチェックしておかなければなりませんね(このあたりは、民俗あるいは中世史の分野でしょうね)。昼間の雪のことを思えば、寒さも思いのほかでした。星がきれいでした。中谷さんはじめ佐々木先生、万願寺のみなさん。ありがとうございました。