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周波数変調(FM方式)の基礎

シンセの方式としての周波数変調方式(Frequency Modulation)はJohn Chowningによって実験的に発見されヤマハのDX-7によって一般に知られるようになりました。
その骨子はあるオシレータの出力を他のオシレータの周波数で変調してやるというものです。
その出力は非常に複雑な倍音を持つサウンドになります。

DX-7は直接周波数変調の一種である位相変調を用います。
結果は同一であるものの、位相変調は音程と変調の深さを独立してコントロールし易いという特徴があります。
(位相変調をPD方式 - 位相変形 - と混同してはいけません)

試してみましょう

新しいSynthEditプロジェクトを開きます。
オシレータ(Insert->Waveform-Oscillator)を挿入します。
波形はサイン波を選択します (右クリック, Properties, Waveform:Sine)。

それをコピーして貼り付け、セカンドオシレータを作ります。
ヤマハはこれらをオペレータと呼んでいます。それらを以下のように結線します。

左側が「モジュレータ」で、右側が「キャリア」です。
実際に音を聴いたり、何が起こっているのかを知ったりしたければ、「Sound Out」(Insert- Input Output- Sound Out) および「Scope」 (Insert-Controls-Scope3)が必要です。
またスライダーをモジュレータのpitchに…

 

という感じで接続します。「再生・実行」ボタンを押してください。
ピッチスライダーを動かすことで、まるで短波ラジオをチューニングしているときのように音色が劇的に変化します。
結果的に得られる音声は2つのオペレータ間周波数の違いと、モジュレーションの値(モジュレーションデプス)の2つの要素に依存しています。

新しいスライダーをキャリアの「PM Depth」入力に接続します。スライダーで実験してみてください。

一般的に、シンセはモジュレーションの深さをエンベロープでコントロールしますので、一つ追加してください(Insert-Waveform-ADSR)。その出力をキャリアの「PM Depth」に接続してください。ここでPM Depthとスライダー間の結線は削除しておきます(注意して結線をクリックし選択した後、<Delete>)。そのスライダーはADSRの「Overall Level」に接続しなおしておきます。

PM Depthスライダーを上げてみてください。ADSRのリリースを長くしてください(右クリックでプロパティを呼び出す... 「Sustain」を0にし、set 「Release」と「Decay」を7.00に調整)。「再生・実行」ボタンで音声が再生します。

音色がより楽器らしくなっており、2つのスライダーで異なる効果を得ることができます(「再生・実行」ボタンを押し直すたびにエンベロープもリセットされます)。これをSynthEditd実現するには…

というわけで、これが基本的なFMシンセシスです。もちろん完全なシンセは音量コントロールが含まれます。
モジュレータのピッチはしばしばキャリアのピッチと対応しています。

今回のFMシンセパッチは両方のオシレータを同じもの(MIDI to CVモジュール)でコントロールされますが、モジュレータにはもう一つピッチスライダーが追加されています。

この例を完成させるには、組み立て済み部品「FM Synth( 挿入-Synths-FM Synth )」を呼び出し、その上で右クリックして「Structure」を選択させて構造を表示し、どのように実現されているのかを見てみてください。

ヤマハDX-7はオペレータを6つ、異なる設定で使い、そのうちのいくつかはキャリアからモジュレータへのフィードバックを使います(SynthEditはフィードバックをサポートしていません)。
他に試せることとしては…

それぞれのブロックはオペレータを、またそれぞれの線は信号の流れを表しています(デプス管理付き)。

次はADSRに関して

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