ランニング障害カルテ

膝の痛み その1

(2001年11月→2002年1月)

日付

経過

考察

2001年11月中旬

福知山の一週間前ぐらいから、右ひざに違和感が出るときがあった。なんだか動かしにくい。痛みはなく、少しすればすぐ治ったので、あまり気にせずにいた。

夏場からの練習による慢性的な疲労。土山ハーフ後のカゼとそのあとの吉野LSDでの失速。追い討ちをかけるような仕事量の増加。もっと休養をとるべきだった。

2001年11月23日

右ひざの動きに少し違和感があるものの、痛みなどはなし。そのまま福知山マラソン(フル)に参加。疲れはあるものの、膝は特に何も感じず帰宅。

思うようにいかなかった原因がつかみきれず。悶々としていた。

2001年12月1日

福知山以降少し追い込み気味のランを数回行う。そしてこの日はLSD、大阪の姉の自宅までのランであった。しかし、生駒(らくらく登山道)を降りている途中、膝に痛みが出てくる。しかし平地に下りると特に何も感じなくなり、そのまま姉宅へ。しかし帰宅時には膝が痛み出す。

これがいけない!福知山で思い通りにいかなかった悔しさのあまり、走りたいという気持ちが強すぎた。それがオーバーワークを気づかせるのを遅らせてしまった。

2001年12月2日

オリエンテーリング京都カップ第4戦。平地を走ると膝が痛い。しかし山に入ると痛みがなくなる。

これもだめ。勇気を持って出場を辞退するべきであった。

2001年12月3日

膝の痛みが強烈にアップ。歩くことはできるが、階段を下りるとき膝蓋骨の内側に痛みが・・・。手すりを使って右ひざを免荷。筋力は特に低下なし。関節可動域の制限もなし。顕著な腫脹、熱感もなし。しかし膝屈曲時に膝蓋骨内側に少し腫れは見られる。(膝立ちをすると痛みあり)痛みの位置からして「タナ障害」もしくは「膝蓋大腿関節障害」と思われる。当面ランは中止して経過を見る。

 

2001年12月9日

歩く分にはまったく痛みなし。階段や、膝屈曲での痛みもなくなってきた(しかし、しばらく膝を屈曲させていると、次に動かすときに痛みが出る)ので、東山三十六峰マウンテンマラソンに参加。はじめ平地を走っていると痛みが出たため、リタイアも考えたが、山に入ると痛みがなくなりそのままゴールまで行く。しかしレース後再び膝に痛みが出てくる。

これが最もいけなかった。最初に膝が痛くなった時点でリタイアすべきであった。これが以降の回復を大きく遅らせてしまう結果となる。

2001年12月10日

また階段がつらくなる。早歩きでも痛い。膝に極超短波を当てると痛みが減少したため、膝を保護しながら、適宜極超短波を照射。

直りかけていたところにまた無理をしたため、症状が再発。物理療法は所詮その場しのぎの治療。

2001年12月13日

休日。慢性疲労から来る痛みもあると考え、この日はできるだけ脚を使わないようにする。

夜からAKA練習会。ランニングをしている先輩と相談しながら治療。関節機能異常による痛みはほぼ取れた様子。しかし、炎症による?痛みもやはり残っているようだ。

オーバーワークから来る関節機能異常による痛みはかなり解消されたと思われる。

しかし膝自体の炎症症状は残されているようだ。

2001年12月14日

出勤。平地歩行では痛み見られず。しかし階段下降時免荷いらないが、痛みはある。帰宅時早歩きをしたときも少し痛みが出る。一度かなり遅いスピードでジョグを数メートル試す。痛みは出なかった。

 

2001年12月16日

宇治市民駅伝大会。僕は出場予定だったが、膝のこともあり代走を依頼。アップのジョグの手伝いと、応援に行く。ジョグでは痛みはほぼ出なかったが、スピードは出せなさそう。

帰宅後1時間ほどのLSDにトライ。のぼりはスピードを上げても問題なし。しかしくだりが続くと痛みが出る。歩きを入れながらラスト1kmは少しペースアップして帰宅。帰宅後すぐアイシング・ストレッチ・膝関節のAKAを行ってみる。AKAが意外に効果を示し重たく感じた膝の動きが治る。

膝に炎症(腫脹)があるために起こる関節機能異常と思われる。

しかしこれも所詮その場しのぎ的なものであろう。

ただし駅伝の辞退は正しい選択であったと思われる。

2001年12月17日

昨日のランの影響はどうか?朝から動かしにくさが見られる。階段の下りに多少のツッパリ間のある痛みが見られる。極超短波は昼と夕方の二回行う。

仕事の内容は午前中はそれほどでもないが、午後は介助量の多い患者が多かった。そのせいだろうか?夕方少し痛みが強くなったような感触がある。

しかし夜診中に痛みは減少。帰りは登り階段はダッシュで登ることができた。しかし下りを一段飛ばしで降りるのは怖くてできなかった。膝立ちでの腫れの感触は減ってきているようだ。

 

2001年12月18日

今朝は快調。朝から動かしても違和感なし。階段でも特に何も感じない。午前中もいたって快調。「ひょっとして今日走ってみてもいいかも」と思い始めていた。

しかし夕方、少し突っ張り感が出てくる。走りたいところであったが、もう少し様子を見ることにして、今日は一駅遠い駅まで歩き。階段ダッシュを行う。

いま風呂上りであるが、突っ張り感がある。明日は大丈夫だろうか?

 

2001年12月19日

朝は特別大きな痛みなし。階段も問題なく下りる。しかし階段を一段飛ばして降りてみると、痛みが出てきた。また、ひざを大きく曲げると少し伸ばされたような痛みを感じる。明日は休日。スローペースランを試してみる予定。

 

2001年12月20日

この日も朝から快調。そろそろ走ってみようと思い。10キロのLSDにトライ。途中膝に違和感も出るが難なく完走。そのあと大阪へ買い物に行く。ところが、その問いふと膝を大きく曲げると痛みが!そのまま帰宅し安静にする。なぜ?痛みの原因が分からなくなる。

スポーツのない日常生活上での障害はほぼなくなっていたものの、スポーツレベルの負荷に対応できるまでの回復には至っていなかった。

2001年12月21日

朝は問題なし。昼休みに筋トレをと思い、極超短波照射後下腿に錘をのせて膝を伸展したまま、脚を上げる。しかしそのあと膝に違和感が出てくる。

帰路、電車に乗り遅れそうになり数100mを走る。スピードはキロ5分ぐらいのペースか? ところが膝は至って順調。駅でも階段ダッシュをするが問題なし。

電車の中で少しこれまでのことを考えてみた。純粋に走る量だけで言えば、11月以前のほうが断然走っているはず。(10月も少なめ)ひょっとして走り過ぎだけが原因ではないのでは?

そして思った。違和感を感じ始めだしたころといえば・・・そう!ロングタイツをはき始めたのと一致しているのだ。これまでの痛みの原因を鑑別していくと、オーバートレーニングによるもの・ロングタイツの影響による膝の痛み・そのほか、の鑑別がすっきりする!!

次回のランは日曜日のオリエンテーリング。ここで試すことができそうだ。

ロングタイツについて・・・ここを執筆中の現在においては、ロングタイツによる悪影響はない。しかし、ロングタイツをはかない状態よりは、何らかの影響(いい意味でも悪い意味でも)あるはず。

2001年12月22日

朝は問題なし。下肢の筋トレは特に行わない。階段ダッシュもオッケー。しかし立ち歩き続けていると少し痛みが出た。

しかし帰宅後はまた回復。

 

2001年12月23日

オリエンテーリングウェスタンカップ。第三走者で出場。くだりを普通に下りるとひざへの負荷が高く痛みが出た、しかしかかとから入る「山走り」の下り方をすれば問題なかった。また、平地ではスピードを上げなければ特に問題見られず。帰りも痛みが出るどころか、かえって楽になる。

スピードはまだ上げられない。しかしオリエンテーリングの性質上、痛みの出ないペースを保っておけば、いい結果がでたかもしれない。

2001年12月24日

朝は問題なし。早速ジョギングをはじめるが、少し痛みが出る。フルマラソン時のペースで走るにはまだ早すぎたか?後半ペースを落として痛みを抑えるも、そのあとの外出時にも多少の痛みが出る。まだ時間がかかるようだ。

 

2001年12月26日

今日は朝少しおかしいかな?と感じるも、どうやら23・24日の疲れが出ているようだ、左の足首に違和感、右の足の裏、指の付け根の中央に体重がかかると痛みが出る。

エルゴメーターを行ってみるが膝にあまり影響なし。また、ゆっくり30分ほど走るがそれでも痛みは出なかった。しかし、そのあと帰宅中は少し膝に痛みを感じる。ただ、家に帰るとなくなった。

 

2001年12月27日

今日は朝から至って順調。むしろ左足首と右の足の裏の痛みのほうが気になる。膝間づいてもあまり左右差はない。念のためと思い、極超短波をあてるが、かえって腫れてきたような感じ。中止してみることにする。そのあとも膝に特に違和感なし、階段を一段飛ばして降りてみるが痛みなし。かなりいい感じ。とりあえず年内は筋トレのみにして、新年以降の走りに備えよう。

 

2001年12月28日

今日も朝から特に問題なし。左足首・右の足の裏の痛みもほぼ消失。膝も気にならなくはないが、多少神経質か?歩行・筋トレ・階段ダッシュも軽快に行う。

 

2002年1月2日

本日は大阪城〜毛馬にて走り初め、ゆっくりペースで約2時間。走っている間、走られなくなるほどの痛みはなし、しかし少し動かしにくさを感じることもあり。

銭湯に入浴後昼食。しかしその最中から膝に痛みが出始める。歩くにはそれほど問題なかったが、完治にはまだ不十分なようだ。

この時点でも回復は不十分だったようだ。この日かなり風が強く寒い日であったことの影響は?

2002年1月3日

朝から膝はいいのだが、お尻と太ももの内側〜後が筋肉痛。今日から出勤だがおそらく暇なので、帰りは10キロほど走る予定だったが、筋肉痛と少し残る膝の痛み、そして強風の天候にやる気ナッシング。

この筋肉痛は過剰なストレッチ体操からのものと思われる。走っていてなることのない筋肉痛だからだ。

2002年1月4日

少し筋肉痛が残るが、比較的快調。膝も特に問題ない。これは・・・と思い仕事後走る。7kmほどであったが、結構快調。km6分弱ぐらいのペースで走れた様子。これはかなりいい感じ♪

このあたりから膝の症状がまったくなくなる。(膝立ちも問題なし)

新春壮行会では、脚が強くなったというより、上半身が強くなったような感じがした。実際この一ヶ月上肢・体幹の筋トレを強化していた。

2002年1月5日

今日も膝は快調。昨日の影響はまったくないようだ。これはいいぞ!ここで一つ帰宅ランにトライ。10キロほどをキロ6分弱ぐらいのペースで走りきる。膝に痛みはまったくなし。これはいける!!

しかし、走っている途中右膝の外側に痛みが出る。ペースを落として走る位置を道の右端から左に移ると消えてくるが、多少気にすべきか。また、走行中・後は気にならなかったが、帰宅後靴下を脱ぐと右親指に血豆ができていた。

2002年1月13日

「新春壮行会」生駒〜矢田丘陵マラニック開催。30キロ以上の距離を6時間30分かけて走りきる。ロングタイツ着用するも膝はもちろんその他の部位も異常なし。

むしろ以前より走りが強くなったような気がした。

まとめ

l        原因は「オーバートレーニング」によるものに間違いはない。

l        ただなぜ「オーバートレーニング」になったのかとなると・・・

1.        夏場からのトレーニングによる疲れに気づくのが遅れたこと

2.        そのせいでレースが思うようにならなかったことに原因をつかみきれなかったこと

3.        その上そのやり場のない思いをさらに走ることで代償しようとしてしまったこと

が挙げられそうである。

l        さらにその状態にもかかわらずレースに出てしまったことは、回復を遅らせた。

1.        オリエンテーリング京都カップ第4戦

2.        東山三十六峰マウンテンマラソン

3.        オリエンテーリングウェスタンカップ

l        年末〜年始にかけてほとんど走らなかったのは回復を促すことができた。

l        障害中筋トレを続けた。結果回復後の走りが強くなっていた。

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