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Architecture ≫
東京都葛西臨海水族館
Architect ≫
谷口吉生 谷口建築設計研究所
Year ≫
1989.9
Place ≫
東京都江戸川区
History ≫
東京都が上野動物園100周年を記念して、荒川と旧江戸川の間の東京湾に建設した水族館。
Estimation
★★★★★
 
@シンボリックな八角形のガラスドームが目を引く。敷地は東京湾に面し、樹木によってその水族館が囲われている。アミューズメントとしてのコンセプトが強くなりがちな水族館だが、ここでは建築と造園、サインなど様々な意匠統一が施されている。谷口氏の「敷地との呼応」が感じられる。
Aエントランスへ向かう道は、限りなくシンメトリー。この位置では、まだまだ水族館、海、魚、水などを連想することは出来ない。ただ、非常に期待が膨らむことは確かである。

Bエントランスの階段を上るとこの風景が現れる。ここは円形のボリュームに水をはり、奥に見える東京湾との一体化を図っている。東京湾を超えるとディズニーランドがあり、わずかに見えるその施設と対比しているかのようにも見える。円形ドームの中に見えるマスは地下へのエントランス。

C円形ドームの内部にある地下へのエントランス。太い柱と梁による外部の形式が最高。何も無い、ただ海を見るだけよりも、額縁効果を演出させることが狙いなのだろうか。いい場所だな〜。
D連続する曲面壁。時間帯にもよるのだろうが、円形のマス(水が張っている)の影が壁面に落ち、時間ごとにその形が変わる。もちろん曲面壁なので場所によっても変わる。
E館内にあった施設の模型。「こんな感じです」。この場所に、この施設があることが当然だと思ってしまうが、今から10年以上前、大型水族館もほとんど無い時代にこの設計を思考・実現させることは半端なことじゃないと思う。「葛西」が、住んでみたい地域の一つになってしまった。
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