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Architecture ≫
BRITISH LIBRARY
Architect ≫
Colin St. Jhon Wilson & Partners
Year ≫
1998
Place ≫
London
History ≫
23年間の歳月を経て完成した巨大図書館
Estimation
★★★★★

建設に23年もの歳月をかけたと言う、ブリティッシュライブラリー。
その年月に負けず、独自の迫力と実感して初めて得る内部空間の
居心地のよさはすばらしい。
St.パンクラス駅のすぐ横に位置し、TOPの写真右側にも、
そのSt.パンクラス駅が見える。

エントランスの庇。
真っ赤な光沢のある仕様と、上に反り上がるような形状がマッチしている。
写真ではあまりわからないが、
この施設は建築以外にもその外部空間、
つまりパーゴラ、ベンチ、植物、段差、彫刻など、さまざまなエレメントで構成された外部は、内部にも負けず劣らずの空間を演出している。

エントランスからの内部。
右に見えるのがインフォメーション。
このエントランス部分は比較的天井が低く、それほど明るくもない。
その奥に見える吹き抜けの明るさと開放性とのコントラストがおもしろい。
吹き抜けの3階よりエントランスを望む。
トップライトのみに留まらず、ハイサイドも連続させ、光に満ち溢れている。
内壁にレンガを使うなど、一般的な内部空間とは違った、より外部に近い感覚を受ける。
吹き抜けを通り過ぎると、巨大な「コア」状の本棚が現れる。
用途は図書館なので、もちろん書物はなくてはならないものだが、この「コア」の場合はどちらかというとオブジェとして扱われている。

「コア」を抜けるとそこには吹き抜けのrestaurantとcafeがある。
レストランの中央を貫く円柱列が、そのスケールアウト気味に長いところが面白い。

エントランス、エントランスホール、コア、レストランと、用途にあわせた空間造りにメリハリがあり、視覚的にも十分考慮されている。
平面でみるといたってシンプルな構成だが、実際にそのフロアー毎の係わり合いが複雑で、立つ位置によって風景が変わる。
図書館という、公共空間としては非常に優秀な作品。

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