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Architecture ≫
STANSTED AIRPORT TERMINAL
Architect ≫
Norman Foster
Year ≫
1991
Place ≫
Stansted
History ≫
ヨーロッパ諸国と国内緯線のターミナル
Estimation
★★★★★
 

ロンドンからバスに揺られること1時間強、
とんでもない田舎にこのスタンステッド空港は位置する。
もちろん空港のある場所は基本的には郊外だが、
ここはホントに何もないところ。
ロンドンを抜けるとあとはひたすら大自然の中を通り抜ける。
そもそもこの空港はヒスローなどの主要空港が
キャパシティーオーバー気味だったことから
計画された、近隣ヨーロッパおよび国内線のターミナル。
ゆえにそれほど大きな空港ではない。
TOPの写真はエントランスのあるキャノピー部分。
基本的な構造はこのフレームで構成され、
壁となるガラスはカーテンウォール。

トゥリー状の構造体が印象的な外観。
屋根は厚く見えるが、各トゥリーの上部にはトップライトがあり、簡易的な印象も受ける。
西側。
気持ちよく収められた屋根とカーテンウォール。
サッシュのグリッドが平たいボリュームに合っている。
エントランス部分。
数箇所のエントランスは円形の自動ドア。
カーテンウォールにはサッシュのブレースなどホワイトで統一され、清潔感がある。
内部空間。
極めてシンプルなプラン。
構造体以外は何もない大空間。
その構造体自身もシンプルなもので、
トゥリー状の幹部分には諸設備やフライトの電光掲示板などが組み込まれている。
徹底的に自然光を採り入れるため、構造体の上部には必ずトップライトが設けられている。
上に広がる構造体は、徐々に分散し、まるで屋根が浮いているような大空間を作り出している。
また、この施設の特徴に、天井に照明や空調などの設備関係が一切見えない。実際に照明はアッパーで、夜のみ点灯させ、その他設備は地下に埋没(アンダークロフト)させているらしい。
トップライト。
四角形の開口に、45度ずらした板をはめ込み、反射板として使っているのだろうか。
単純な直接光だけではなく、反射光を利用して天井全体を明るく見せることで均等な照度が得られるのだろう。日中はトップライトのおかげで人工照明は利用されていない。
このような自然光の利用によって、年間50万kwの照明用電力が節約できるらしい。
構造体の中心部分に収束しているワイヤー群。
このような見せるディティーるは、フォスターの作品に多く見られる。
地下へのアプローチ。
この施設へはバス・電車・自動車の3つの交通手段がある。前者2つの場合はこのガラスボックスを通過して、エントランスまでたどり着く。

地下へのアプローチ内部。
白いフレームと、DPGのガラスが連続して美しい。

それにしても、天気が良くて何よりだった。

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