もぉー君、がぉー君、ぴょんちゃん物語  第2話

 

三人の子供たちにとって、明日は楽しい楽しい待ちに待った日でした。

いつもお仕事で留守がちな父さんが、帰ってきます。

子供たちは、もう夜も遅いのに、嬉しくって中々眠れません。

ぴょんちゃんは、お兄ちゃん達に「明日、父さんと何をして遊ぶの?」っと聞いています。

もぉー君とがぉー君は、「キャッチボールがしたいな!」「それから、自転車も乗りたいな!」

「それに、魚釣りもいいな!」「私も、それがいい!」とぴょんちゃんも、後に続いて言いました。

三人の子供たちは、明日の事を夢見ながら すやすやと眠りにおちました。

 

さあ、あくる朝です。

空には、白い雲がひとつポッカリ浮かんだ なんて気持ちのいい朝なのでしょう。

夜遅くまでおしゃべりしていたのに、3人の子供たちは、そろって元気よく飛び起きました。

父さんは、もう帰ってて 外で自転車を綺麗に磨いていました。

「今日は、いいお天気だしみんなで サイクリングに行こうか!」

と、父さんが言いました。

子供たちは、大喜びです。

ゆうべ、3人が思っていた通りになったからです。

「ぴょんちゃんは、まだ自転車にひとりで乗れないから父さんの後ろに乗ってもいい!」

「そうだよ!落ちないようにしっかり、捕まってなさいよ。」

みんな、大忙しです。

ぴょんちゃんは、母さんのお手伝いをしています。

お弁当作りです。

母さんのにぎった三角おむすび、ぴょんちゃんの作るのは まあるい小さなおにぎり。

卵焼きに、たこさんのウインナー、から揚げに、ポテト、

母さんは手際よく、綺麗に詰めてゆきます。

もぉー君、がぉー君は、父さんのお手伝いです。

自転車を綺麗に磨いて、空気を入れて、ブレーキも点検しています。

そうして、魚釣りの用意です。

グローブとボールも準備しています。

用意をしながら父さんは、もぉー君、がぉー君に 注意をしています。

★車には気をつけること

★信号を守ること

★よそ見をしないで、前を見て走ること

★絶対スピードを出して走らないこと

★危ないと思ったら自転車から降りること

などなどを・・・

もぉー君も、がぉー君も、うなずきながら聞いていました。

自転車専用道に行くまでには、自動車の往来が激しい所を通らなくてはなりません。

子供たちに そのことをよぉ〜く言い聞かせていました。

さあ、準備もできました。いよいよ出発です。

もぉー君の自転車のかごには、グローブとボールが入っています。

がぉー君のかごの中には、水筒と、おやつが入っていました。

父さんのかごには、魚釣りの道具が、後ろには、ぴょんちゃんが乗っています。

母さんのかごには、美味しいお弁当が入っています。

そして、リム印刷所のおじいさんは、お留守番です。

みんなの出発を表で手を振りながら、見送りました。

「気ぃ付けて行きやぁ〜!」っと。

 

町の中を通り抜け、やっと自転車専用道に着くことが出来ました。

町の中にも自転車専用道があったらいいんですけどね。

それより先に、車椅子の方の道が先かもしれませんね。

自転車専用道では、車に気を付けなくていいぶん

おしゃべりしながら走れます。

ぴょんちゃん、がぉー君、もぉー君は、それぞれに父さんとお話をしたり、

歌を口ずさんだりしながら、走る事を楽しみました。

河原でお魚釣りをしている人達がいたので、みんなも下りていく事にしました。

父さんが聞きました。

「釣れますか!」

「もう、釣は止めようかな」との、返事。

「最近、奇形の魚が増えてきて気持ちが悪い・・・」そうです。

 子供たちは不思議でなりません。

もぉー君が「川のお水、こんなに綺麗なのにどうして・・・・?」

がぉー君も「どうして、変な形のお魚になるの・・・?」

父さんは、「見た目には、綺麗に見えていても川の水が汚れているという事だよ!」っと、教えてくれました。

「お魚さんたちは、人々に★助けて下さい。★とお願いしているんだね。おしゃべり出来ないから!

★川の底は汚れていて 私たち魚や生き物たちは、もうこれ以上生きていけないかも知れません★

って、SOSを出しているんだよ!★なんとかして下さい。★っと。」

「どうしてあげたらいいの?」と、ぴょんちゃん。

「とっても簡単な事なんだけど、守られてないだけなんだよ!」

「みんな ひとりひとりが気を付けて汚れたお水を、川に流さないようにするだけで、

お魚さんたちは 大喜びするはずだよ!」

「工場から流れ出るお水も、お家から流すお水もね。」

「ゴミや、油、合成洗剤を流さないようにね!」

みんなは、お魚さんが可哀想におもえたので、魚釣りは止めにしました。

そして、もぉー君、がぉー君は、父さんとキャッチボールを始めました。

ぴょんちゃんと母さんは、河原のお砂でお城を作ることにしました。

キャッチボールをしていた、もぉー君、がぉー君、父さんも手伝って町も作ります。

そして、お水をくんできて、出来上がった町の川に流しこみました。

「この川は、汚さないようにしようね。」

「お魚さんたちが、病気にならないように。」

「川のそばの生き物たちも、みんな元気に住めますように。」

と、もぉー君、がぉー君、ぴょんちゃんたちは話しています。

 

お砂で出来た 王国を見ながら、お昼ご飯です。

ぴょんちゃんの作った小さなまあるいおにぎり、母さんがにぎった三角おむすび、

どれもこれも みぃ〜んな美味しかったです。

残さずきれいに、頂きました。

おなかが、いっぱいになったので河原に寝転んでお昼寝です。

 

この日の思い出に、お城を作ったお砂を持って帰る事にしました。

さあ!今度は朝来た道を、お家に向かって出発です。

自転車道を出ると、大変です。

もぉー君も、がぉー君も車に気を付けて走らなければなりません。

気を付けて、気を付けて・・・

お家に着くと、おじいさんが外に出て 向かえてくれていました。

「どうやった!サイクリングは!」

子供たちは、おじいさんに今日の出来事を話しています。

お魚さんのこと、みんなでお砂遊びをしたこと、お昼寝をして気持ち良かった事を・・・

そして、お土産にお砂を持って帰って来たことを。

おじいさんは、綺麗に洗ったペットボトルにお砂を入れて、

今日の日付と、「木津川のお砂」とマジックで書いてくれました。

もぉー君は、「川のお水が、きれいになりますように!」

がぉー君は、「お魚さん、ごめんね!」

と、書き込みました。

ぴょんちゃんは、まだ字が書けないので お魚の絵を描きました。

もぉー君、がぉー君、ぴょんちゃんたちは、このお砂の入ったペットボトルを見るたびに、

今日のこの日の事を、思い出せるでしょう。

家族5人の楽しい想い出と一緒に、

自然が人々に、助けを求めていると、言う事も・・・

 

 

★このお話は

    うしさんのホームページ「ようおこし うしさんです」

    godgillaさんのホームページ「ながれ橋〜嵐山間自転車専用道ガイド ようこそ!godgillaの棲家へ!」

のサイト及び掲示板を参考にさせて戴きました。

 

                                           MIYU

 

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