- TOWER RUSH -
■ タワーラッシュとは
タワーラッシュとは、その名の通り、領主の時代に相手の内政地に塔(見張り台)をたくさん建てて、相手の内政を妨害するという戦法です。対処の方法を知っていれば、ある程度容易に対抗することができるのですが、対処の方法を知らなければ、非常に厄介なものになります。
少なからず卑劣な戦法という感があるので、相手プレイヤーに嫌がられることがあるかもしれませんので注意してください。と言っても、作戦としては奇策の部類になるので、あらかじめ『タワーラッシュをします』と断ってしまったら作戦の意味が無きに等しくなってしまいますが、相手を選んで使うようにしましょう。
主に1対1の対戦で使われることが多いのも特徴のひとつです。塔を建設するために相手陣地に町の人を送り込まなければならないので、陣地間の距離が離れていることの多いチーム戦には適するとはいえないからです。
ぼくが今までプレイしてきたところでは、ZONEでの外国人がよく使うという感じを受けます。英語圏の人の呼称というわけではありませんが、タワーラッシュの"Tower Rush"の頭文字を取って『TR』ということもよくあります。
■ 塔の特徴
具体的な戦略に入る前に、塔の特徴を整理してみましょう。
- 耐久力に優れる
- 領主の時代最大の射程距離を持つ
- 町の人・射手・散兵が駐留すると矢の数が増える
- 最低射程距離がある
- 町の人には意外に脆い
- 建設に時間を要する
- 視界を確保できる
HPが1020もあり、領主の時代での主力である射手・散兵の攻撃では、ほとんど破壊されることがない
塔の射程距離は領主の時代のあらゆるユニットの射程距離をしのぎます
敵兵士が攻めてきても塔の中に避難することができHPも回復し、町の人・射手系ユニットの場合は矢の数が増え、攻撃力が増す
塔には最低射程距離があり、ある程度目標が離れていないと攻撃できない
町の人は塔に対して攻撃力+8のボーナスがあるので、集団で攻撃されると案外容易く破壊されてしまう
町の人ひとりで建設した場合80秒もかかってしまう
相手の内政状態をある程度知ることができる
■ タワーラッシュの実行
- 暗黒の時代〜領主の時代進化直後まで
- 伐採所の位置
- 果実の木の位置と粉ひき所の位置
- 3つの金塊の位置と採掘所の位置
- 2つの石塊の位置と採掘所の位置
- 領主の時代進化直後
- 気づかれない位置に予め塔を建設する
- 民兵・槍兵で援護する
- 射手で援護する
- 塔の建設位置
- 伐採所周辺
- 果実の木周辺
- 金塊周辺
- 石塊周辺
- 1本目の塔の建設後
内政に関しては基本的に他の戦略と異なることはありません。ただ、確実に相手の急所に塔を建設しなくてはいけないので、斥候をフルに活用して相手の内政状態を把握しなければなりません。把握すべき情報は以下の4つです。
これらの位置を領主の時代に進化するより以前になるべく把握しておくようにしておきましょう。
また進化に関して、他の戦略よりも少し早めの進化が要求されます。なぜなら、塔を建設する段階で相手の兵力が溜まっていない状況が望ましいからです。相手に十分な戦力がある状態では塔の建設を容易に妨害されてしまうからです。具体的な数字は基本となる進化時間によって変わってきますが、2003年現在の一般的な進化人数を25人(斥候含む)とすると、22〜23人(斥候含む)くらいでの進化が理想的であると言えます。
領主の時代への進化を始めた直後くらいに、町の人を最低4人くらい相手の陣地に派遣しましょう。この時点では斥候を完了し、塔の建設位置の目星をつけておくとよいでしょう。この建設位置の少し手前に領主の時代へ入る前に戦士育成所を建設しておきます。
同時に、町の人3〜5人くらいで石を採取します。
領主の時代へ入ったらすぐに塔を建設し始めるのですが、タワーラッシュの大きな弱点として、塔の建設中に相手に気づかれてしまうと脆いということです。領主の時代進化直後では兵士の絶対数は限られますので、この時期の最大の戦力といえば、町の人ということになります。相手陣地のすぐ側で塔を建設する訳ですから、相手は容易に多数の町の人を塔の建設の妨害に派遣することができます。『塔の特徴』でも挙げましたが、町の人に攻撃されると塔は容易く破壊されてしまいます。これを如何に防ぐかがこの戦略の正否の鍵を握ると言っても過言ではありません。その方法として、次の3つが考えられます。
1本目の塔は、ほぼ気づかれないであろうと思われる位置に建設し、それを援護として、2本目の塔で相手の内政を妨害することの出来る位置に建設します。比較的確実な方法といえますが、援護用の1本目の塔で気づかれてしまっては元も子もありませんので注意してください。
民兵は暗黒の時代から、槍兵は領主の時代進化直後から生産できるので、ある程度数を揃えることが可能ですが、強さ自体は町の人と大差ないので、過信は禁物です。
射手育成所を建設しなければいけない分、ある程度の数が揃うまで時間がかかりますが、2〜3人の射手で塔の建設の妨害を阻止することも十分にできます。
上に挙げた以外の方法としては、一か八かの賭として援護なしで相手陣地に1本目の塔を建設するという方法もあります。また、上の方法を組み合わせて利用することも可能です。特に方法1と方法3の相性がいいのではないかと思います。なぜなら、射手を生産するまでの時間で援護用の塔を建設することができるからです。ただ、その分、自分の内政面を圧迫してしまうことは否めません。
基本的に、塔は相手の資源採集を妨害する位置に建設します。しかし、どの資源を狙うかで微妙な特徴が生じてきます。
木の資源は他の資源に比べ多数分布していますので、相手の資源採集を絶つという意味ではあまり適しているとは言えません。しかし、それが故にノーマークになりやすいと言えます。また、木は最も基本となる資源であり、これを一時的ではあるが採集を妨害するということはそれなりの効果は望めます。
一カ所しか存在しないので、この資源を封じるのは比較的容易です。ただ、果実の木を封じたからと言って、相手の食糧供給を完全に絶ったことにはならないので、他の3つに比べ効果は薄いかもしれません。また、果実の木は町の中心付近に位置していることが多いので気づかれやすいということもあります。
中心付近に3カ所分布していますので、これを全て封じるのは困難です。また、金は重要な資源であるという認識がありますので、警戒されやすいというのは事実です。逆に言えば、この金を全て封じることに成功すれば、相手にかなりのダメージを与えられるということもまた事実です。
中心付近に2カ所分布しています。タワーラッシュにとって厄介なのは相手に塔を建設されるということなので、この石塊を封じることができれば、相手の塔の建設を妨害でき、こちらの塔の建設範囲を容易に拡大できるようになります。
これらの4つは、それぞれメリットとデメリットを有している訳です。では、最終的にどこに塔を建てれば良いかというと、それは地理的状況に依存することになります。自陣になるべく近い方が塔を建設しやすいですし、森などの障害物がある方が気づかれにくいということです。これら4つの資源の特徴を把握し、地理的状況も合わせて総合的に判断して塔の建設位置を決定しましょう。また、なるべく同一資源を狙った方が効果的だといえます。
1本目の塔が無事建設できたら、次々に塔を建設していって制圧範囲を広げていきます。ここで重要なのが、1本目の塔(もしくはその手前の塔)の射程距離内に新たに塔を建設するということです。こうすることで、最低射程距離という弱点を克服することができます。また、なるべく広い範囲を制圧すればするほどいいわけですから、新たに建設する塔は、その前の塔の射程距離ぎりぎりに建設するのが望ましいのは自明です。それには、塔の射程距離を目測で判断できるようにしておきましょう。
また少しでも塔が破壊されるという事態を避けるため、塔の周りを1マスだけ開けて壁で囲むといいでしょう。
1本目の塔が建設できたからと言って、その後も塔の援護のみに依存するというわけにはいかないので、射手・散兵・軍兵・槍兵・斥候などを相手の主力ユニットに応じて生産して、塔の援護を武器に更に相手の内政を荒らします。
塔のみで相手の資源を全て封じるのは困難ですので、手の回らない部分は、資源を柵で囲むなどして対応しましょう。
また可能ならば、相手の育成所も壁で囲み使用できないようにします。
■ タワーラッシュ予防策
ここでいう予防策とは、1本目の塔を建設させないための方法です。タワーラッシュを防ぐ最も効果的な手段は、相手がどこに塔を建設しようとしているかを知ることでしょう。相手が塔を建て始めることに気づきさえすれば、兵士で妨害することもできますし、町の人で妨害することもできます。塔の建設位置を予め知る方法として以下の3つが考えられます。
- 柵を建設する
- 前哨で視界を確保する
- 斥候で探索する
柵を建設すると言っても、自陣の周囲全てに張り巡らすという訳ではありません。柵を張る目的は、敵の侵入経路を限定することにあります。森が多いマップでは、比較的容易に柵を張ることができますが、少ないマップでは非常に困難になりますので、この場合はこの方法はあまり効果を発揮しません。
前哨はコストも安く、短時間で建設することができるので、案外使い勝手がいいです。前哨ひとつで塔と同程度の視界を確保することができます。また、暗黒の時代から建設できるということもメリットのひとつでしょう。森が少ないマップでもある程度効果を発揮します。
領主の時代進化直後から、斥候を自陣付近を常に巡回させます。きちんと斥候を操作すれば、この方法でもある程度相手の進入を発見できるのですが、かなりの操作量を要求されるのが難点です。
上記の3つの方法を単独で使用するのではなく、併用するのが望ましいでしょう。土地が開けたマップでは、特に警戒を要します。
また、相手がタワーラッシュの戦略を取るかどうかを見分ける方法として、以下の3つがあります。
- 領主の時代への進化が早めである
- 斥候が念入りに自陣を探索している
- 前線の建設位置が自陣に近い
『タワーラッシュの実行』の部分でも述べましたが、タワーラッシュを用いる場合、比較的早めの進化をすることが多いと言えます。従って、相手が早めの進化をするようであれば、急いで先に挙げた予防策を実行しましょう。
タワーラッシュの正否の鍵は塔の建設位置であると述べましたが、タワーラッシュをする場合、敵は通常以上に陣地を探索してきます。
暗黒の時代で戦士育成所を建設する位置が自分の陣地に近い場合、タワーラッシュを用いてくる場合が多いと言えます。
■ タワーラッシュ対処策
では、相手に1本目の塔を建設されてしまった場合はどうすればよいでしょうか。その対処法としては大きく分けて、『塔を破壊する』ことと『2本目の塔の建設を妨害する』に分けられます。
- 塔を破壊する
- 2本目の塔の建設を妨害する
塔の弱点である最小射程距離と町の人に対して脆いということを利用し、多数の町の人で一斉に塔を破壊しにかかります。相手が町の人のみの場合は、この方法で容易に破壊することができるのですが、もし相手が射手や斥候など町の人に対して強いユニットを有している場合は、この方法は非常に困難です。対処法としてはこちらも相手の編成のアンチユニットを作成するしかありません。また、援護用の塔が建設されていた場合も困難です。援護用の塔がある場合、後者の方法をとる方が得策といえるかもしれません。
相手は1本目の塔を建設し終えたら、その塔の射程内に新たに塔を建設しようとしてきます。このとき、相手の1本目の塔の射程距離外ぎりぎりに先にこちらが塔を建設することで、新たに塔を建設されることを防ぐことができます。ただ、塔を建設するために石が必要になりますので、1本目の塔で石地を制圧された場合、この方法は困難になります。もうひとつの方法としては、射手や散兵といった射程を持つユニットで妨害する方法があります。
タワーラッシュをされたときは、『このタワーラッシュを返せば勝てる』と思うことです。相手は早めの進化に加え、塔の建設の為の町の人、更に石を採取する為の町の人を割り当てなければならないため、内政が不安定になります。初期の段階でタワーラッシュに対処することができれば、内政的にこちらの方が有利になるでしょう。