---------- 車両解説 ----------

19200系(あをによし)

 2022年(令和4年)4月、近鉄では大阪難波〜奈良間及び奈良〜京都間に古都・奈良をイメージさせる新たな観光特急を運行することとし、従来運用されていた12200系に大幅な改造を施して、「あをによし」の愛称で登場させた。種車は12200系12256Fで系式を19200系とし、大阪難波側よりモ19200(Mc)+サ19351(T)+モ19251(M)+ク19301(Tc)とした。
 外観は全体を紫檀(したん)メタリックベースとし金帯を装飾、前面は貫通扉を廃して標識灯を車体下部へ移設、前面中央には天平文様にも使われた「花喰い鳥」をデザインしたエンブレムを取り付けた。その他車体側面には正倉院の宝物をイメージしたラッピングも施されている。
 車内は「和」をコンセプトとしたデザインで、正倉院宝物にも使用される天平文様を随所に配置、天井の柄と照明は、正倉院宝物をイメージしたデザインとなっている。ク19301・サ19351・モ19201(1・3・4号車)はツインシートで横2列(1列+11列)とし、片側は窓向きに座席を配置し、もう片方の座席はテーブルを挟んで向かい合わせになる配置とる。またシートは、家具メーカーによる特注デザインとなった。モ19201(4号車)運転席側にはライブラリー、ソファシートが設置されている。モ19251(2号車)はサロンシートとし、区画された3〜4名用のグループ専用席で半個室の形態となっている。また販売カウンターが設置され、奈良県産品を使ったスイーツやドリンク類、グッズなどを販売する。その他全席にコンセントを装備し、フリーWi-Fiも利用可能とした。サ19351(3号車)には車いす対応トイレ及び車いすスペースが設置されている。
 原則として木曜日を除き、大阪難波〜近鉄奈良〜京都間で計6便を運行、その内朝夕の第1・6便は大阪難波〜京都間(奈良駅経由)の直通運転とし、2〜5便は京都〜近鉄奈良間の往復運用としている。
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奈良線を走行する第1便の「あをによし」 2便〜5便は京都〜奈良間の運用
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←難波・京都
 モ19200形(Mc) + サ19350形(T) + モ19250形(M) + ク19300形(Tc) 
19201 + 19351 + 19251 + 19301
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形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
出力
(kW×個)
改造年 製造所 備考
モ19200 Mc 01 1 28 20500
2800
4150
180×4 2022 近車  
サ19350 T 01 1 20
3790 -  
モ19250 M 01 1 12
4150
180×4  
ク19300 Tc 01 1 24
3900 -  

2022年 5月 2日 更新

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