百聞は一見に如かず
漢の武帝(ぶてい)が、羌(きょう)という国を討伐しようとしていました。今度の戦いは時間をかけずに一気に決着をつけたいと考えていました。これまで将軍として信頼してきた趙充国(ちょうじゅうこく)はじっくりと戦うタイプであると聞いていたので、高齢になったこともあって引退させて、今回の将軍には元気な若手を登用することにしました。
それを伝え聞いた趙充国は「最近のわたくしの戦いぶりについていろいろとお聞きになっていると思いますが、人から百回聞くよりもご自身の目で一度ご覧になっていただいた方が確かです。ずっと後方にひかえている司令部にいて、前線からの報告を聞いているだけでは実際の軍隊の動きや戦いぶりはわからないでしょう。わたくしは確かに高齢になったかもしれませんが頭はまだまだ老いておりません。どうかわたくしを金城(きんじょう)に派遣して、偵察したうえで作戦をたてさせてください。王のご期待に十分お応えできると思います。」と言いました。
<例> 君はすごい。噂には聞いていたがまさに百聞は一見に如かず。驚きました。