2001年7月3日(火)

クルーズ船の一日
朝、目が覚める。
時間は、8時45分。
朝食は、9時までに地下のレストランで取らなくてはいけない。
あと15分・・・

しかし、ビミョーな時間に目が覚めたものだ。
急いで、間に合わないこともない。
空腹と睡魔の葛藤が続く。


・・・次に目が覚めたのは、午前10時過ぎだった。

どうやら、睡魔の方が勝ったらしい。
水着を下に着て、屋上のテラスへ行ってみる。
屋上には、すでに何人か来ていた。

今からプールで泳ぐと、レストランにびしょびしょのまま行くことになるので、
プールは午後に入ることにし、昼食までみんなと楽しくおしゃべり。




この頃には、みんなと、かなり仲良くなっていた。
二日目のスフィンクスの神殿で、夫がヘバの質問に答えられたのを見て、

コンダクターの三好さんが、「彼は教授なんです。」と冗談で言ったのを、
みんなが信じてしまい、夫のあだ名が、「教授」になっていて、
私も「教授の妻」という事で、みんなにすでに定着しつつあった。



大丈夫か・・・・・???
昼食は、やっぱり美味しかった!
飲み物は、私がグアバジュース、夫がレモンジュースを頼んだ。

ジュースに氷が入っていたとかで、ヘバが、ウェイターに文句を言っている。
アイス無しで、注文していたのに、入っていたからだ。
アイスは、水道水で作るので、アイスは厳禁なのだ。
どうやら、今、夫が飲んでいるアイス入りのレモンジュースの事らしい・・・
嫁「飲んだんやろう???・・・大丈夫??」
夫「飲んだよ。でも、そんなこんな事くらいで具合悪くなること、ないわ、大丈夫。」


ウェイターが来て、夫の飲んでいるレモンジュースを回収して、
アイス無しのを改めて運んできた。
夫はおいしそうに全部飲みほし、
大満足の美味しい食事を終えて、屋上のプールへ。

屋上では、大卓球大会が始まっていた。
イタリア人の男の人が3人、夢中になって卓球をしている。
主審を務めるのは、日本代表、我がツアーグループの通称「師匠」だ。

師匠は、名古屋の底抜けに明るい、おねーさまだ。
年齢は、40歳の前半らしいが、ものすごいパワーを持っていて、
とっても楽しい、素敵な女性。
すごいなぁ、と思うのは、誰とでも、すぐに友達になることだ。
顔は、そうだなぁ、雰囲気もユーミンに似てるかなぁ。
天真爛漫なのだが、とっても気配りのできる優しいおねーさま。
私達夫婦もすっかりファンになってしまった。

卓球をしていたのは、私の大好きなニコラス・ケイジ似のバリ男(卓球には自身アリ)と、
人の良さそうな西田敏行、もう一人は、記憶にない。(ごめんなさい)
・・・の3人組だ。

日本語が分からないことをいいことに、
ニコラスのお腹の贅肉を「蛇腹、蛇腹」とからかっていた。
でも、とっても、楽しい3人組だった。

私と夫は、パラソルを借りて、デッキで、時々、ジャグジーに
浸かったりしながら、のんびりしていた。

夫、ついに、ダウン
デッキチェアーで、ビールを注文し、のんびり日焼けを楽しんでいると、
夫「・・・なんか、気分が悪い。部屋に戻りたい。」
と言い出し、一緒に部屋に戻る。
夕方5時のティーパーティーは、自由参加だったので、欠席することに。

コンダクターの三好さんが、心配してお見舞いに来てくれた。
お茶のティーバッグをもらい、安静にするよう言われる。

山ちゃん夫婦に、抗生物質とか、食あたりのお薬をもらった。
夫、しんどそう・・・
とりあえず、部屋でじっとしているように、言う。


その頃、嫁は・・・・
船はエスナの町に停泊していた。
夫が寝ている間、嫁は、ツアー仲間と一緒に、
市場へ買い物にでかけることにした。
一人の方が、気兼ねなく休めるかなぁ、思ったからだった。
えへへ・・・

船を降りたところで、師匠たちが、ガラベーヤを選んでいた。
ミニのグリーンのガラベーヤを試着していたが、
店のオニイチャンが、別のをしきりに進めてくる。
子供用だからやめろ、と言っているようだった。
でも、それがとってもかわいいので、
師匠がお店のオニイチャンと交渉を始めたところで、
自分のガラベーヤを探しに行くことにした。

明日の夜、ガラベーヤ・パーティーが船内で行われるのだ。
どんなのに、しようかな・・・

一人で参加している、伊予ちゃん似の香山さんと2人で、
モスクまでの参道に並んでいる市場へ行った。

少年とオジサンがやっている店に入ってみる。
香山さんは、上下セットになった甚平のようなものを気に入ったようだ。
しかし、値段は、20ドルと言われていた。・・・高すぎる。
香山さんは、優しいので、しつこく彼らに言われていて、
根負けしそうな雰囲気になりつつあった。

私も、白い、気に入ったガラベーヤを見つけたので、少年と交渉を始める。
半分、怒りながら(笑)、12エジプト・ポンド(約500円)以上絶対、
払わない、と大声で騒ぎまくる。

香山さんは、商談がうまく行き、お金を払ったところで、
上下セットのうちのズボンを返せと言われて、
もぎ取られそうになっていた。
このお金は、上着分のみのお金だ、と言っているのだ。
香山さんが危ない、助けなければっ!
この事で、嫁にスイッチが入った。

嫁「
ちょっと、あんたたちっ!
さっきから聞いてりゃ、なによ、それ。
日本人やからってなめたらいかんぜよ!
やかましー!うるさい、NO!NO!NO!NO!


香山さんの助太刀に入って、怒り炸裂!
どさくさにまぎれて、自分の交渉も、そっちのけ、
お金を半分、投げるようにして渡し、

めっちゃ怒って、「バイバイ!」と言って、逃げてきた。

このようにして、嫁の商談は、力技で、勝利を収めた。
希望通り、12エジプト・ポンドでガラベーヤをGETしたのだ。

ヘバに聞くと、私が買ったガラベーヤは、少なくとも、
10ドル(1200円)はするだろう、と言っていた。

ヘバ「買イ物上手デスネ。」

と言われて、気分が良かったが、後になってあの少年の
顔を思い出すと、ちょっとかわいそうだったかな、
ちょっと怒りすぎたかな、と反省した・・・・


カクテル・パーティー
夜、相変わらず、体調の悪い夫を部屋に残して、
嫁は、船内のラウンジで開かれたカクテル・パーティーに参加。
みんな思いきりおしゃれして集まってきた。


↑左が嫁。右はコンダクターの三好さん(仮称)。

ショーンコネリーばりのおっとこ前の船長(おじいさん)が、
英語・スペイン語・イタリア語・日本語で挨拶する。

カクテルが配られたが、全てアイスが入っていたとかで
ヘバから禁止令が出る。
おいしそうなカクテルだったが、しぶしぶ返す。
夫が倒れた今、私がしっかりいないとっ!
仕方ない、見送ることにする。

カクテルパーティは、ものの15分で終わり、
地下のレストランに会場を移し、そのまま夕食に。
照明がおとされ、暗くなったレストランで、
ウェイターが4〜5人、ろうそくに火が点いたお皿を手に、入場してくる。

クリスマスのような雰囲気と、美味しい料理にすっかりご機嫌★
  
それにしても、かわいそうなダーリン。
こんな美味しい料理が食べられないなんて。

隣の薬剤師夫婦のご主人が、突然、不調を訴え、席を立った。
心配そうな奥さん・・・
と、思いきや、「ま、大丈夫でしょ。」
私と2人、ビールで乾杯〜!
みんなで、楽しく夕食を取る。

隣に座っていた、関空でワインをくれた夫婦の奥さんが、私に、
奥さん「最初に見た時から、思ってたんですけど、かとうかずこに似てますよねぇ。」
と言ってきたので、気分がすっかり、良くなった。
わっはっは。


・・・すっかり、ゴキゲン★
それでも、やっぱり心配なので、早めに部屋に。

二つあるうちの一つのコーヒーカップに、

日本から持ってきたレトルトのお粥をお風呂の熱湯で温め、
梅干を入れかき混ぜて、もう一つのカップに「あさげ」を作って、食べさせる。

18年の付き合いの間、
こんな弱気な夫を見たのは初めてだ。
とってもしんどそうだ。

コンダクターの三好さんが、熱がないので心配ない、と言っていた。
明日の朝まで様子を見て、それでも治らないようだったら、

注射を打ちましょう、という話し合いがその場でなされた。

夫「注射かぁ・・・・・ネタとしては面白いかもなぁ・・」

な、なんか、大丈夫そうやな・・・

明日は、一日、エドフ観光だが、クルーズ船は停泊したままなので、
無理そうだったら、観光をやめて、一日、部屋で寝ていることも可能だった。

それが、クルーズ・ツアーのいい所だ。
ホテルを転々とする、飛行機のツアーでは、即、注射だっただろう。

「教授」、復活なるか!?




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