デリンクユ
地下都市2000年11月14日(火)

丸い石のドア

教会の部屋の形は十字に

夫の後ろがステージになっている。ここで先生が講義をした。

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デリンクユに着く。
他の観光客とぶつかり混んでいたので、少し待つことにし、
その間に、私はトイレに行く。
トイレの入り口で、「1,000,000TL」と書いた箱を置いて、オジサンが座っている。
トルコでは、公共トイレは有料なのだ。
日本円にして、160円くらい。他の所と比べると少し高いが、その分、
きれに掃除されていて、気持ち良く使えた。
トイレを出ると、アリとハヤットと夫の3人が、タバコを吸っている。
中に入ると吸えないから、らしい。
トルコの人はタバコをよく吸う。1日1箱以上は吸っているだろうと思う。
どこでもタバコが吸えるのは夫にとってはあり難いようだ。観光客が少し減ってきたところで、いよいよ地下都市に入る。
キリスト教徒が迫害を逃れるために隠れたとも、アラブ人との戦争の際に
隠れたとも言われる地下都市デリンクユは、いくつかある地下都市の中でも
最大規模だ。
地下8階、4万人が住める広さ、迷路のような中の構造、すごい、すごいの連発。
人が1人ぎりぎり通れる位の天井の低い階段を、前かがみになりながら、
下って行く。
昔のトルコ人が小さかったのではない。
進入してきた敵を1人ずつやっつける為だ。
所々に、丸い石が置かれている。ドア、つまり道をふさぐ蓋の役割をしている。
地下8階まで下りても、圧迫感がないのは、至る所に通気孔が設けられているからだ。
深いところで82mの通気孔が空いている。
地上から見ると真っ暗。
地下から見ると青空。
ここにも工夫がある。
内部は、家畜の部屋、教会、住居、台所、貯蔵庫、神学校、ワイナリー・・
と、完全に一つの都市の形になっている。
内部の岩の表面は、スポンジのように柔らかいため、湿気や煙、匂い、などを
吸収する働きがある。
このため、敵に存在を知られる事なく、夏も冬も快適にすごせるのだ。
ここを作った人は、すごいアイデアの持ち主だと思う。
紀元前400年のことなのである。

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