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Architecture ≫
平等院宝物館 鳳翔館
Architect ≫
栗生明+栗生総合計画事務所
Year ≫
2001
Place ≫
京都府宇治市
History ≫
創建950年を迎えた平等院の境内の一角に建設。国宝等の収蔵環境の改善と伴に、宝物館をテンプルミュージアムと称している。
Estimation
★★☆☆☆
 

@平等院のエントランスからいきなり丸見えの風景。なんだかガッカリ。ちょっとアピールし過ぎちゃうの!?という感。壁と天井が目立つ、ミースのバルセルナパビリオンを思わせる風貌。ただもう一つ、鉄骨のリブ梁がやたらと目立つ。見る角度もあるのだろうが、エントランスからの風景は決して感動を覚えない。辛口だが・・。

A綺麗に山茶花をカットして、施設の周囲をめぐらせている。「和」を引き込もうと必死なのか?それとも「このままじゃやばいなー」的発想なのか?作者のみ知る。

ここを訪れる前に、あらかじめ雑誌等でプランを見ていたが、実際に行くと入り口がよくわからない。鳳凰堂を見終わってから入館することは分かっていたが、「出口」に当たる部分がやたらと目立つので間違えそうになる。やはり「ここは出口です。」という看板があった・・・。プレハブ運んできたわけじゃないんだし・・。そんな看板一つで趣がなくなる、という意味でいい例。

 

B内部に関しては、最先端設備の保存環境設備で、照明も光ファイバーを使用しているとのこと。撮影は禁止です。(左写真は展示室の入り口)。展示室は「暗い」という印象。もちろん、それは好印象。展示内容が良いということもあるが、鑑賞するのには良い環境であった。よくみると天井がルーバーだったり、床が御影石だったりと、見えないのに頑張っているところが、さすが江戸っ子。

ちなみに、写真の壁面、実はコンクリート打放し。型枠を変えて、なんとか「和」を取り入れようとしているのだろうか。とっても博物館的発想だと思う。(良い意味で。)

C鉄骨リブ梁とガラスの庇部分。天井がほとんどアルミハニカムパネルで仕上げられているが、この仕上げがテカテカと中途半端は光沢で、なんともイラつく。飛散防止フイルム貼の天井ガラスにはスリット間隔の小さなルーバーが設けられている。これもアルミかな!?なぜアルミなのか!?

新旧の対話ができているのかどうか・・・。

Dこの施設で一番好きな場所。低い天井と細い柱。そして庭園が眺められる縁側。これぞ「和」の宝物。しかし、施設の出口側にあるためか、人の流れが多いことが残念。
Eやっぱり本家本元にはかなわない。いい引き立て役になるのかも。
今回はかなり辛口で書きました。展示室に関してはすごく雰囲気があるので◎。
ただ、施設の狭さが観光客のキャパを超えている気が・・・。