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Architecture ≫
牧野富太郎記念館
Architect ≫
内藤廣
Year ≫
2000
Place ≫
高知県高知市
History ≫
昭和33年に開園した牧野植物園に、植物に関する研究と生涯学習の場を提供する総合施設として新設
Estimation
★★★★★
 

高知市内にある五大山という丘の上に位置するのが「牧野植物園」。その大自然中に、牧野富太郎記念館はある。本館と展示館の二館があり、それを繋ぐ回廊が、、またいい。

写真は本館のエントランス。高さを押さえ、円状の屋根が立体的に広がり自然と調和している。

本館内部。中心に中庭があり、それを囲むように転じスペースがある。内藤氏独特の、集成材を使った木トラスが内部空間を柔らかくしている。木の香りと色が、とても上品で自然の山の中に位置していることを確認させてくれる。

RC壁面がパーテーションとして使われ、木とRCの表情がバランスよく表現されている。

床がカーペットであるところにも、この独特の「くつろぎ」的空間を演出している。

中庭部分。突出した庇が綺麗なRを描いて、その連続性に没頭してしまう。残念なことに、この部分は計画動線には含まれていない。喫煙スペースなどの小スペースはあるが、内側から中庭の一部として扱われている。是非一周。
屋根の雨樋から流れる雨水を「つぼ」に流れるように施され、そのつぼには水練や水草が植えられている。細かいところにまで設計者の意図を読み取ることができる。

内側の屋根。三次元の屋根は、図面で表現するのが大変だったろーに、と感じる。空の色と屋根の色がなぜかマッチしていた。

ここには地下に書庫があり、中庭が吹き抜けになっている。

本館と展示館を繋ぐ回廊。150mはある回廊全体に写真のような木ルーバーの屋根がかけられている。本当に、贅沢に木を使った建築であることが認識できる。

展示館のエントランスに向かう回廊。

展示館にある外部ステージ。

隅から隅まで見所のある建築。市街からそれほど遠くもなく、自然を堪能でき、かつ感動できる建築としてリピートしたい。「建築空間」を「体験」できる、数少ない作品、だと思う。

星五つです!!

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