障害者の〈生〉
──法・福祉・差別の人間存在学
◆日本国憲法とフーコー,イリイチ,ゴフマン等の社会理論で読み解く障害者の〈生〉。それをめぐる風景はあまりに過酷なものであった。障害者の福祉増大を目指すと称して《切断》されてきた障害者間の「つながり」。障害(者)の存在を《無化》する政治運動に根拠を与え続けてきた法律。障害者が生き延びるための戦略として選択を余儀なくされてきた「社会的死」とも言うべき《内閉》。相手を非難・罵倒するために用いる《比喩》において当然視されてきた障害者への差別。障害者の〈生〉をめぐるこれらの罠から,われわれは脱出することができるのか。故・奥平康弘教授の同志でもある護憲派法哲学者の著者が,大江健三郎氏の想像力が孕む凄まじい差別性を告発した長文の公開書簡を巻末に付す。
A5判・上製・368ページ
定価:3800円+税
ISBN978-4-86065-111-4
2016年3月刊