---------- 車両解説 ----------

18200系

 1966年(昭和41年)11月に登場した京都〜伊勢直通特急車である。、当時京都・橿原線は600Vで、1500Vの大阪線に直通させるため複電圧装置を取り付けられていた。私鉄最大の出力180kWモータを装備し、33パーミルの急勾配の連続する大阪線に於いて、MT編成で運転が可能となった。尚、発電ブレーキを備えるが、600V区間では使用できず、出力も144kWに落ちる。

 当時、橿原線の車両限界が小さかったため18000系と寸法的には同じ18mで、車体幅も2590mmに押さえられていた。パンタは冷房装置の配置の関係上モ18200形に2基取り付けられず1基とし、Tcのク18300形に1基取り付けられ、その部分は低屋根構造となっている。八木駅での大阪線特急車との解結時間を短縮するために従来の特急サボをやめ、前面向かって左側に行先表示を、右側に特急標識を取り付けた。座席は車体幅の関係上転換クロスシートが採用されたが、デザイン的には0系新幹線のものと類似したものとなった。ブレーキはHSC−D、冷房装置は各車4500kcal/hのものを5台装備する。

 その後、他特急車のアコモデーションが飛躍的に向上してくると、設計上の無理がサービスの格差を生む結果となり、1989年(平成元年)春に特急車としての運用を降り、同年9月に団体専用車「あおぞらU」として2006年(平成18年)2月まで活躍した。1967年(昭和42年)に鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞。
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18200系重連による奈良行き特急 名阪特急の運用に就く18200系
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←難波・京都
 ク18300形(Tc) + モ18200形(Mc) 
18301 + 18201
18302 + 18202
18303 + 18203
18304 + 18204
18305 + 18205
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形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
台車 電動機 出力
(kW×個)
製造初年 製造所 備考
モ18200 Mc 01〜05 5 56 18640 2670 3900 近車KD-63B* 三菱MB-3127-A 180×4 1966 近車 *01・02はKD-63
ク18300 Tc 01〜05 5 近車KD-63C* *01・02はKD-63A

2018年 2月10日 更新

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