---------- 車両解説 ----------

18400系(ミニスナックカー)

 1969年(昭和44年)、鳥羽線開業・志摩線改軌に伴う京都〜伊勢特急増発のため登場した車両である。同時期に製造された12200系同様、スナックコーナー付きで京都線初の20m特急車となったが、製造当初は橿原線の車両限界が小さかったため車体幅は2670mmとされ、「ミニ・スナックカー」とも呼ばれている。

 編成は12200系同様Mc+Tcの2両固定であるが、パンタはMcとTcに1基づつとし、その部分は低屋根構造となった。またシートは偏心回転リクライニングシートが採用された。なお、1972年(昭和47年)に増備されたモ18409・モ18410はスナックコーナーのないタイプとされ、連結面寄りに車販準備室が設けられた。

 スナックコーナー付きのモ18401〜モ18408は12200系同様、1976年(昭和51年)からスナックコーナーの撤去工事が行われ、1983年(昭和58年)までに全車完了したが、初期改造のもの(04F〜08F)は扉の位置はそのままで、もとのスナックコーナーが客室に改造されたが、後期改造のもの(01F〜03F)は扉が側窓半個分運転台側に移設され、運転台後部には車販準備室が設けられた。

 最後まで更新工事が行われなかった18409Fは団体貸切列車18400系「あおぞらU」に改造され、18410Fは廃車となった。その後、他車との接客設備面で格差が生じてきたことから順次廃車が進み、2000年(平成12年)8月に最後まで残った18408Fが廃車となり、前述の団体専用車「あおぞらU」に改造された18409Fを除いて18400系は姿を消した。

 老朽化が目立ち始めた2013年(平成25年)、18409Fは元の特急色に戻されてさよならイベントなどの運用後、同年12月に12200系から新たに編入された車両へ後を引き継ぎ、姿を消した。
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車体更新前、スナックコーナー付き 3重連で奈良へ向かう晩年の18400系
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←難波・京都
 モ18400形(Mc) + ク18500形(Tc) 
18401 + 18501  *1
18402 + 18502  *1
18403 + 18503  *1
18404 + 18504  *2
18405 + 18505  *2
18406 + 18506  *2
18407 + 18507  *2
18408 + 18508  *2
18409 + 18509 あおぞらUに改造
18410 + 18510
 *1:スナックコーナー撤去後車販準備室 
 *2:スナックコーナー撤去後8人座席設置 
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形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
台車 電動機 出力
(kW×個)
製造初年 製造所 備考
モ18400 Mc 01〜03 3 60 20640 2670 4000 近車KD-63D 三菱 180×4 1966 近車 1982年スナックコーナー撤去
04〜08 5 68 1969 1976年スナックコーナー撤去
09・10 2 64 1972  
ク18500 Tc 01〜10 10 60 近車KD-63E 1966  

2013年12月29日 更新

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