---------- 車両解説 ----------

820系

 奈良線特急車800系の改良形として1961年(昭和36年)に登場した車両で、前面は800系とは異なり貫通式で、両開き扉・前照燈2燈となった。性能は800系を基本とし、支線などでも使用できるようにMc、Tcの2両固定編成となった。
 登場時は800系とともに奈良線特急として使用されていたが、新生駒トンネル開通により8000系などの大形車の登場により次第に京都・橿原線で使用されるようになり、急行や普通で活躍したが後に生駒線・田原本線で使用されていた。1968年(昭和43年)に1500V昇圧工事の際、電動発電機・コンプレッサーがTcに移設された。また、京都・橿原線の車両限界拡張の際にドアステップの延長が行われている。
 1984年(昭和59年)より、伊賀線(現伊賀鉄道)車両近代化のため南大阪線6800系の台車・主電動機を流用して4編成が860系として伊賀線(現伊賀鉄道)に移った。また、1993年(平成5年)からは田原本線に残っていた3編成を冷房改造の上、伊賀線に転出し、先に伊賀線に移った車両も同じく冷房改造が行われた。尚、822Fは860系に改造されることなく廃車された。
 2004年(平成16年)5月には伊賀線に移った860系の中で864Fがトップを切って廃車、860系の老朽化が進む中、元東急1000系改造の200系への置き換えが始まり、2010年(平成22年)8月には865Fと866Fが廃車、2011年(平成23年)5月には861Fと867Fが廃車、残る862F・863Fも2012年(平成24年)3月には定期運用を離脱、同年7月に862Fのさよなら運転を最後に全車解体され860系は系式消滅した。
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田原本線の運用に就く820系 8400系と交換を行う820系 (Photo:うえさん)
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←京都
 モ820形(Mc) + ク720形(Tc) 
821 + 721
822 + 722
823 + 723
824 + 724
825 + 725
826 + 726
827 + 727
828 + 728
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改番表
821F → 863F → 廃車(2012年)
822F → 廃車(1993年)
823F → 862F → 廃車(2012年)
824F → 861F → 廃車(2011年)
825F → 864F → 廃車(2004年)
826F → 865F → 廃車(2010年)
827F → 866F → 廃車(2010年)
828F → 867F → 廃車(2011年)
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形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
台車 電動機 出力
(kW×個)
製造初年 製造所 備考
モ820 Mc 21〜28 8 126 18500 2700 3999 近車KD-20B 三菱 125×4 1961 近車  
ク720 Tc 21〜28 8 3820 近車KD-20C  

2015年 8月21日 更新

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