年代推定



 前方後円墳が築造された年代を推定するとき、7部位に着目する。   7部位とは、墳丘長、前方部幅、後円部径、くびれ部幅、前方部高、後円部 高、くびれ部 高のことを示している。この7部位を知ることで、前方後円墳が、古墳時代の いつ頃に築造されたかを推定できるまで形態研究が進歩している。

<参考文献>
『前方後円墳の数理(小澤一雅著)』雄山閣出版


各部名称
古墳図
造り出し…
くびれ部の両側に対称的に、
または片側のみに造られた半
円形もしくは方形の突出した
壇状の施設。
この造り出しの性格について
は、埋葬主体説、祭壇説など
が唱えられている。
周濠…
墳丘の周辺にめぐらした濠。
一重濠のみでなく、二重濠、
三重濠を有するものもある。
形状には、墳丘主体と類似の
前方後円形をなす周濠や、馬
蹄形の周濠などがある。
図:仁徳陵前のたて看板より



内部施設



棺…
遺骸を納めるためのもの。 材質によって木棺、石棺、埴輪棺、陶棺 などに分類される。また形状によっても家形、割竹形、長持形、舟形 などに分類される。
石室…
棺を保存し、被覆するために設けられたもの。大別して竪穴式 石室と横穴式石室に分けられる。竪穴式石室とは、四壁を積み石で つくり遺骸を納めた後に、天井石を上からかぶせて完全密封する 単独葬施設である。対して、横穴式石室は、石室への入口が開閉可能で 、追葬・合葬を可能とする施設である。また横穴式石室は、棺を安置 する玄室、玄室への通路となる羨道からなり、全体が石積みによって 構成される。
槨…
棺を保護し、被覆するために設けられたもの。石室との区分は、 棺との間に相当の空間を有する場合は石室、無い場合は郭としている。 しかし、その空間には一定の基準が無く、厳密にいうと区分が困難 である。棺を覆う材質によって粘土槨、木炭槨、礫槨に分類される。

石室図
写真:こうもり塚古墳内部、「日本発見」第22号:
古墳の謎(暁教育図書出版)

埴輪
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