実際の囲碁盤を使って対局する作法を説明します。
一般的な囲碁の対局は19路盤で行なわれます。
ここでは、13路盤を使って、対局方法を説明します。
対局者に棋力の差がなく対等の立場で行う対局です。
(1)碁盤の上に、碁笥を前後に置く。
(2)上座に年長者が着席する。
(3)ニギリで先手と後手を決め、コミ出しを確認する。
<ニギリの仕方>
・年長者が相手に個数が分からないように白石を握り、手を盤上に置く。
・年少者は黒石を1個(奇数)または2個(偶数)を盤上に置く。
・そのあと、年長者は握った白石が奇数か偶数か分かりやすいように2個ずつ盤上に並べる。
・年少者の置いた黒石数が、当たっていれば年少者が黒(先番)、当たらなかったら、
年少者が白(後番)となる。
(4)一礼して先手が黒、後手が白を持ち、碁笥を座席正面に
(テーブルの場合は右脇、左ききの時は左脇でも可)、碁笥の蓋は碁盤の右隅
(碁笥のあるときはその上方)に置く。
対局者に棋力の差がある場合、棋力の差を縮めるため、あらかじめ棋力差に応じた 個数の黒石を碁盤上において対局します。
(1)碁盤の上に、碁笥を前後に置く。
(2)上座に、上位者が着席する。
(3)一礼して上位者が白、下位者が黒を持ち、碁笥を座席正面に
(テーブルの場合は右脇、左ききの時は左脇でも可)、碁笥の蓋は碁盤の右隅
(碁笥のあるときはその上方)に置く。
(4)置き石の数と、コミ出しを確認する。
(級段位と置き碁 のページ参照)
先手が黒石、後手が白石を持ちます。
置き碁の場合、黒が置き碁を置きます。
1手目着手前にお互いが「お願いします」と挨拶します。
碁の勝負所、つまり考えるべき処で、しっかり考えることは大事で、
碁の上達や醍醐味でもあるが、
自己時間の配分ができるようしよう。
対局時計について
@対局時計の置き場所は白番の右側を原則とするが、決定は白番の権利です。
A石を置いた手で、対局時計のボタンを押すのがルールです。
(この習慣を身につけよう)
B終局時点で時計を止める。
C明らかな押し忘れや気づいていない残り時間の少なさを忠告してあげるのは、
自然な姿ですが、時と場合で、うるさいと受け止められることもあるので、注意を要します。
D相手の時間切れによる、逆転勝ちの策を労するのは、奨められません。
1)着手地点を決めてから碁笥に手を出すように心がけよう。
《よくないクセ》
@碁笥に手を入れて石をかき回すクセ
A石で碁盤をたたきリズムをとるクセ
B石を手玉代わりにしてもてあそぶクセ
C石を盤上で、迷い箸の様に移動させるクセ
D相手が着手する前にすでに、石を持ち待ちかまえるクセ
2) 石は碁盤の線の交点に正確に置くようにしよう。ズレは、着手直後に正確な位置に
手直しをする。
3)マッタ、ハガシはしない。
一旦、石を置いたら、それはそのときの自分の考えを表明したことになるわけだから、
たとえ、ミス手であっても、ハガシ(着手後、相手の着手前に置き直す行為)はしないように心がけよう。
ましてやマッタ(相手の着手後、自分の着手を撤回する行為)はやってはいけない。
ただし、置碁などで上手が『この手は直した方がいいですよ』などと勧めてくれた場合は、素直に従うのがよい。
4)アゲハマは必ず蓋の中に入れること。
アゲハマ以外に相手の石が出てきた石(出石)は直ちに相手に渡す。
5) 対戦中はいっさい口出ししない。
観戦者は対局中の碁に関することを絶対言ってはいけない。
『アッ!』とか『アレッ!』も言わないほうがよい。
「棋譜表示」ボタンを押すと、石が表示されます。
囲碁の序盤の石の打ちまわしを布石といいます。
黒地と白地の陣地の地割りを行います。
布石が終わると、中盤になります。
黒地と白地の大きさを比較します。
自分の地が大きいと判断したら、自分の地を守ります。
相手の地が大きいと判断したら、相手を攻めます。
大勢は決まりました。相手の地の削りあいをします。
1目でも得する手を打ちます。
これ以上打っても地が増えない、また、相手から自分の地を荒らしにきても大丈夫と判断したら終局を宣言します。
例えば、白が黒の地を荒そうとして白△を打ってきても、黒がこの白を殺せると判断できるヨミが必要です。
これで、黒地と白地は確定しました。
残りの打てる場所はどちら打っても地の大きさに無関係な場所ばかりです。
これらの場所はダメと言い、
それらの場所に打っていくことを「ダメを詰る」といいます。
「棋譜表示」ボタンを押すと、石が表示されます。
交互にダメをつめる。相互に『終わりですね』と確認し、さらにダメつめを行い、
終局を確認する。手が生じるときは返事をしない。
尚、終局宣言後、手が生じた時は、手入れを要求し、相手は、手入れするかしないか
判断する。
終局時に、対局時計を停止し、相手の死に石をあげ碁笥蓋に入れる。
相手の陣地の整地(相手の石と辺で囲んだ数十目単位の地と端数の地とすること)をして
相手にも数えやすいようにする。
自分の陣地はさわらないこと。
相互に目数を確認、勝敗差と勝敗を確認する。
対局が終わったときも一礼、『有り難うございました』と挨拶をする。
使った碁石をキチンと片付け、碁笥を碁盤の上に置いて、もう一度、礼をして終わる。
1)負け碁は潔く投了する。
形勢判断が出来ない初級者はともかくとして、大差(20目以上)で負けている碁を
最後まで打とうとするのはマナーとして良くない。
形勢悪しと判断した時点で、相手側にスキがなければ潔く投了しよう。
一方、終局寸前まで、打った時は、勝敗差を確認するのもマナーです。
2) 投了時のマナー。
アゲハマをそっと盤上に置き『参りました』、『負けました』あるいは『ありません』
と頭をさげる。
この時、相手側の『中押し勝ち』となる。
終局したら、整地します。
@整地の手順
・黒石の人は白地を数え、白石の人は黒地を数える。
・死んだ石を取り上げ、地に置く。
・アゲイシを地に置く。
・お互いが検証しやすいように、地の形を整える。1つの地は5目の倍数でまとめるなど。
対局例の整地した例です。
A地の数を数える。
白の地の数= 27 + 16 = 43目(モク)
黒の地の数= 7 + 48 = 55目
勝敗はコミの数を考慮して決定します。
白:43+6.5=49.5目
黒:55目
黒が5目半勝ちとなりました。
・左上の白3子は黒から取りに行くことはできません。また、白も周りを囲んでる黒を取りに行くことができません。
このような状態をセキといいます。白も黒も生きていていますが、この部分で白も黒も地はありません。
・死んでいる石は、盤上にのこしたまま終局できます。
白△の2子は黒に囲まれて生きることができません。また、黒△の1子は白に囲まれて生きることができません。
これを死んでいる石といいます。
・×はダメといいます。ここはどちらが打っても地が増えない点です。
セキはそのまま残します。
死んでいる石は取り上げて、相手の地に入れます。
・×はダメといいます。ここはどちらが打っても地が増えない点です。
・整地が終わり、地を数えます。
白:19+3+6.5=27.5目
黒:15+10+3 =28目
黒が半目勝ちとなりました。
対局初期の段階で、回りに石がない場所に打つことを布石といいます。
対局例では、白4までの石が布石です。
布石で打たれた相手の石に迫って打つことをカカリといいます。
布石で打った自分の石の周りに打って自分の陣地を守ることをシマリといいます。
9路盤では盤面が狭いのではっきりしませんが、あえて言えば、対局例では、黒5、白6がシマリです。
相手の地に迫り、境界を確定するような打ち方をヨセといいます。
対局例では、黒9,11,13などです。
どちらが打っても地が増えない点をダメといいます。 対局例では、白34です。