---------- 車両解説 ----------

430系(旧6430系)

 1958年(昭和33年)、近鉄は大阪線に旧ビスタカー10000系、名古屋線には本形式を投入して、特急の設備改善をはかった。名古屋線初の20m車で、前年に登場した南大阪線6800系と同じく2個1組のフレームレス下降窓を採用し、Tc車の屋根上両端にユニットクーラーを設けるなど近代的なスタイルをしていた。しかし、性能的には吊掛駆動で、同年に登場した旧ビスタカー10000系と比べると見劣りがした。
 1959年(昭和34年)の名古屋線改軌後もしばらくは特急として活躍を続けたが、1965年(昭和40年)に新エースカー11400系が増備されたのを機に、一般車に格下げされた。その際冷房装置を撤去し、中央の窓をつぶして両開き扉を設け3扉化し、また転換クロスシートはすべてロングシートに取り替えられた。その後、1969年(昭和44年)には前照燈の2燈化が行われ主にローカル運用に就いた。
 1979年(昭和54年)に養老線車両近代化の際、狭軌化のうえ養老線に転属。さらに支線区車両形式3桁化に伴い、6430系から430系に形式変更された。なお、ク6581形は3桁化の際、当時680系ク580形が存在していたため、6581形は591形とした。
 1994年(平成6年)養老線車両高性能化に伴い、420系と共に廃車され、同線の旧性能車は姿を消した。
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桑名駅を後にする6430系 さよなら運転時の430系
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←大垣
改番後 改番前
 モ430形(Mc) + ク590形(Tc)   モ6430形(Mc) + ク6580形(Tc) 
431 + 591 6431 + 6581
432 + 592 6432 + 6582
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形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
台車 電動機 出力
(kW×個)
製造初年 製造所 備考
モ6430(→モ430) Mc 31・32 2 165 20720 2736 4190 近車KD-57 日立HS-256-Br-2b 115×4 1958 近車 1960年3扉・ロング化
ク6580(→ク590) Tc 81・82(→91・92) 2 155 3995 近車KD-34B

2011年 4月14日更新

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