---------- 車両解説 ----------
130形(北勢線)
旧三重交通(→三重電気鉄道→近鉄)が1954年(昭和29年)に製造した半鋼製付随客車である。車番によりナニワ工機製、帝国車輌製がある。当初はサ360形361〜368で全車三重線に所属していたが、サ2000形(→サ140形)の新製に伴い、363〜368は北勢線に転属された。近鉄合併時の1965年(昭和40年)にはサ130形(131〜138)に改番された。 車体スタイルは張り上げ屋根、Hゴム支持の2段窓が特徴で西桑名寄りに将来制御車改造の予定があったため乗務員扉が設けられている。1977年(昭和52年)の北勢線車両近代化により、サ134・136はTc化されてク130形となり、前面には2個のシールドビームが取り付けられ、連結面には貫通路が新設された。またそれらの連結相手としてサ135・137の乗務員扉側に貫通路が付けられた。尚134・136Tc化直後の前面窓は、従来の2段窓であったが、1978年(昭和53年)に1段窓に改造されている。サ138はク140形の間にはさまれるため、両妻面に貫通路が設置された。 1990年(平成2年)〜1992年(平成4年)にはHSC形制動装置化が行われ、それに伴って台車交換、中間車妻面の貫通路の設置、塗装変更、アルミ内装材への変更などが行われ、従来の面影はなくなった。ク136は再度T化され、またク134はモ277形同様の前面見付となった。 2003年(平成15年)に三岐鉄道へ事業譲渡された後、編成単位での高速化工事(M、T車間で電動台車と付随台車を片方入れ替えて自重分散を図る)が施工され、ク134はクハ134へ、サ136〜138はサハ138と形式が変更された。更に2006年(平成18年)からは同線車両の冷房化工事が開始され、2007年(平成19年)からサハ130形にも冷房装置が搭載された。尚、車体重心の問題から冷房装置は屋根上には設置されず、客室内一角の床上に設置された。 |
更新工事前の姿 | ワンマン運転で活躍するク134ほか |
現在の三岐鉄道北勢線のクハ134ほか | ク134の車内 |
←西桑名(乗務員扉側) |
ク130形(Tc) + サ130形(T) |
134 + 135 |
136 + 137 |
サ130形(T) |
138 |
(更新工事前の編成) |
形式 | 車種 | 番号 | 両数 | 定員 | 全長 (mm) |
全幅 (mm) |
全高 (mm) |
台車 | 電動機 | 出力 (kW×個) |
製造初年 | 製造所 | 備考 |
ク130 | Tc | 34・36 | 2 | 68 | 11200 | 2130 | 3171 | 住友 | − | − | 1954* | 帝車・ナニワ | *1977年Tc化 |
〃 | 〃 | 35・37 | 2 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | − | − | 1954* | 〃 | *1977年妻面貫通化 |
〃 | 〃 | 38 | 1 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 近車KD-219B | − | − | 〃 | 帝車 | 〃 |
2020年11月14日更新
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