---------- 車両解説 ----------

220形(内部・八王子線)

 221〜226は1931年(昭和6年)に北勢線の前身である北勢鉄道が電化に際して日本車輌で製造し車両である。当初はモハニ50形(50〜55)であったが、1944年(昭和19年)に三重交通に統合され、モハニ221形(221〜226)となった。車体はリベット組み立て、前面非貫通・3枚窓で、片側の車端に荷物室が付けられている。段付きウインドシルと2段窓が特徴である。一方、227〜229は1949年に増備された車両で、基本的には戦前製の221〜226と同一であるが、全溶接構造となりリベットはなくなり、ウインドシルは平帯となった。
 1965年(昭和40年)に近鉄に合併され、形式はモニ220形に改められたが、改番は行われなかった。1967年(昭和42年)に225が踏切事故のため片側の前面を大破したため、復旧時に2枚窓・Hゴム化された。228・229は当初から三重線に投入されたが、1977年(昭和52年)にモ270形・ク170形が投入されたのにともない225〜227も内部・八王子線に転属した。北勢線に残った221〜224は荷物室が撤去され、同時に片運転台化・貫通化がなされたが、さらにこのうち221・223の2両はTc化され、Mcの222・224と固定編成化され、形式はモ220形・ク220形に改められた。(北勢線220形参照)
 内部・八王子線のモニ220形は1982年(昭和57年)から新造された260系のトレーラーとしてモニ227〜229がサ120形121〜123に改造され、その他は1983年(昭和58年)に廃車となった。この内モニ226は四日市スポーツランドに静態保存されたが、木造車体の腐食が激しく、2007年(平成19年)12月に三岐北勢線阿下喜駅横に設立された軽便鉄道博物館に移転し、修復作業が施され静態保存されている。
***
四日市駅で出発を待つモニ229ほか 事故復旧で前面スタイルが変わったモニ225
***
廃車後、四日市スポーツランドに保存されていた頃のモニ226 軽便鉄道博物館にて改修されたモニ226
***
 モニ220形(Mc) 
 225 
 226   保存車 
 227 
 228 
 229 
***
形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
台車 電動機 出力
(kW×個)
製造初年 製造所 備考
モニ220 Mc 25・26 2 48 11460 2130 3720 日車C形 三菱MB-216AR 30×4 1931 日車  
27〜29 3 東洋TDK-21B* 1949 *29は東洋TDK-586-A

2020年11月14日更新

記事および画像の無断転載はお断りします
© 1999 大和路ポストマン