-アメリカザリガニ (ももこの生き物図鑑より) さくらももこ -
家に帰って親に早速「アメリカに行きたい」と申し出た。アメリカザリガニというからには、アメリカに行かなくては手に入らないと思ったからである。アメリカザリガニのためなら、アメリカに行く勇気も情熱もある。無いのは交通費だけだ。
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日本の田んぼで、捕れるはずもないないアメリカザリガニを必死で探す父の姿が哀しかった。
”ひろし”よ、がんばれ。娘のため田舎に行きザリガニをさがしている父のけなげな姿を、こんな風にみていたのだ。ちゃんと、りぱなアメリカザリガニをつかまえたんですが、作者は、アメリカザリガニはもっとちっちゃなエビのようなものと思っていたらしく、やっぱり、その時は父親の尊敬を子供からえられなかったようです。そうそう、アメリカザリガ二と魚を一緒に飼うなかれ。こんなことすら知らなかったわたしは、昔、なぜか、ある日いっしょに飼っていた魚が魔法のように忽然と姿を消してしまったことを覚えています。
-このへんで・・・ 田辺聖子-
「ちがうよっ」
私は泣き泣き、しゃくりあげて叫んだ。
「失恋だよっ」
「ぎえっ。古典的やのう」
サブは電話口の向うで、腹を抱えて笑っているようであった。
「二十一、二のコドモやなし、よういうわ。“かわいそうな少女に愛の募金を・・・”いや、ちごた、愛の手を・・・、いうとこやな。よし、行ったるわ。待っとれ」
「すぐ来て」
「これからメイクする。男の身だしなみじゃ」
よくあるテーマで<男と女に友情はあるか>です。三十を越えた女と幼馴染の男の会話。彼女は友情ありという立場です。で、<男と女に友情はあるか>ですが、どっちでもええです。話してておもしろかったら。田辺聖子さんの話ってこういうのがいっぱいあっていいんですよね。もちろん、それだけじゃ、ないですが・・・・。
-六月の花嫁 北村薫-
やがて私達は話を終え、どちらからともなく窓に目をやった。
視界を覆う雨、そして目というカメラの焦点を近くに絞れば、透明な水滴が点々ガラスを飾っている。
私はいきなりすっと立ち上がり、長い机に手をついて色白の江美ちゃんの顔を見詰めた。そして、声を二枚目の男性らしく作り、
「この雨を、きみにあげよう」
江美ちゃんは、ちょこんと首をかしげる。
私は窓を指さして、いった。
「つー、ゆー」
できるだけ雰囲気を出して読んでみると、おもしろいです。最初はかっこいいドラマ。最後に突然おちがくる。これミステリーなんですけど、人も死なないし、警察もでてこない。落語家のおじさんが普段の生活のちょっとした謎をとく。このシリーズの特集でもつくろうかな気になっています。