2003年秋「大江山で星を見る会」レポート

 去る10月4日(土)に秋の「大江山で星を見る会」が行われました。天候もまずまず恵まれ、会場への出足は快調でした。日没後も続々と人が訪れ、機材の数も増えていきました。今回の特徴は何と言っても集まった自作記事を中心とした機材の圧倒的な個性が目に付くきました。その濃密さは、かつて例の無い程のもので、参加者からも感嘆の声が挙がっていました。観望会は雲に覆われた夜半頃まで続きました。

 なお、今回は非常に多くの機材が集まり、取材も全てを網羅することが出来ないほどでした。出来る限りの参加機材を紹介したいと思います。
 夕暮れ近くの光景。既に何人かの方が来て機材のセッティングを行っていました。
 渋谷さんの10cm「ミニドブ」。車からあっという間に運んで設置完了の手軽さ。こんなに可愛いのにナビゲーター付き! ETX恐るに足らず?
 宮内の双眼鏡をはじめ、数台の機材が並びました。
 篠原さんの30cmドブソニアン。この夏のドブソニアン祭りでデビューして大江山にも見参。篠原さんは謙遜しておられましたが、なかなかの性能です。コンパクトに収納するアイデアが詰まっています。
 何と! 篠原さんは突貫作業でポンセットマウントを自作していました。モーターの回転をギヤでゴム板に押しつけて動力を使える仕組み。
 さっそく伸縮型20cmドブを載せて使用。まだ調整段階とは言え、対象が視界から逃げないと言うのは何とも極楽。
 釜ソニアンこと28cmドブソニアン。代わり映えしませんが、トラスカバーを新調して参加。
 C11とビクセンの13cm(?)反射赤道儀。
 永田さんのC14シュミカセ&自作L字型経緯台。スカイセンサー2000で駆動。
 初登場! 由良さん製作の45cmドブソニアン「ユラ・トラス」。思い切った構造は国内では例を見ない、アメリカン・テイストの軽量型。まだまだ調整中だとか。フィルタースライダーも使い勝手がよさそう。
 池見さん自作の2台。手前は大型双眼鏡の部品や油圧ジャッキ等を利用した自作双眼望遠鏡。奥はバイクの後輪支持部をフォークに転用したきりん型経緯台。廃材を巧みに組み合わせた工作力には唸らされます。
 日も一段と落ちて、機材も更に集まってきました。
 セレストロンのネクスター8。なかなか渋い配色とデザインですね。
 矢部さんのTA経緯台とC8。双眼装置を取り付けて火星を楽しんでおられました。
 野島さんのOMEGA45cm。これだけの巨体でありながら、驚くほどスムーズな動きには感服します。
 国内ではお目にかかれない珍品、セレストロンの20cmF6ドブソニアン。主鏡はシュミカセ用の派生品のようです。
 毎度お馴染み、高垣さんのこきりん望遠鏡。10cmでありながら、この風格!
 今年の夏、話題になったひ孫きりん望遠鏡。小さくても立派な月の像を結んでいました。
 こちらもお馴染みの米田さんのNinjya400。火星撮影のための機材も持参されたそうですが、今回は天候の状態もあって出番無しでした。
 遠路遙々来て下さいました。岡本さんの20cm双眼望遠鏡。かなりの重量があるにもかかわらず、キャスター付きで楽々移動。側に立っているのは岡本さんではなくギャラリー(山下さん)です。
 どこかの観望会でも見かけるほどメジャーな存在となったNinjya320。

 会場は夕方から既に肌寒いくらいで、参加された皆さんも「寒い」を連発していましたが、会場の賑やかさ・熱気はそれを忘れさせる程のインパクトがあった一日でした。今回は本当に「熱い」観望会でした。その意味でも多くの人の心に残った一夜であったに違いありません。

2003年「大江山」秋コレクション