---------- 車両解説 ----------

1000系

 1972年(昭和48年)に、名古屋線の旧形車代替用として登場した車両である。車体は1810系と同様のものが新造されたが、主電動機・主制御器など電気部品は各線で廃車または余剰となった旧形車のものを流用している。Mc、Mの台車は吊掛式ながら空気バネ付のKD−75AまたはKD−75であるのに対し、Tc、T車の台車は余剰となった旧形車のコイルバネのKD−32を改造したものとなっている。第1編成1001+1151+1051+1101は4連、他の1002+1102〜1007〜1107は2連で製造され、ラインデリア車として登場した。
 1980年(昭和55年)から冷房改造が行われ、その際前面列車種別・行先表示器も取り付けられた。この際、当初から冷房装置を装備した旧1200系1201+1351+1251+1301は実質的に1000系との区別が無くなったため、新1200系に番号を譲って1000系に編入され1002+1152+1052+1102となった。この際、既存の1002+1102は1008+1108に改番された。1002Fに編入された4両は車体形状が他車と異なり、大阪線用2800系同様丸味を帯びている。また、パンタグラフはMc、M車に各2個ずつ搭載されており、前面行先表示器は取り付けられていなかった。
 1984年〜1985年(昭和59年〜昭和60年)1001F、1002Fに余剰となった820系主電動機と8000系から捻出した制御装置を流用し高性能化と回生車化を実施、Mc車を隣接するためモ1050形とサ1150形を入れ替えた。その際モ1052の2基のパンタは撤去された。電動発電機については編成あたり1個にするため高出力の発電機が必要となり、高出力であった1810系のク1910形とク1100形を入れ替えて対応し、更に1986年(昭和60年)にはT車にトイレが取り付けられた。1986年(昭和60年)からは2両編成の車両も改造対象となり1810系を全車2両編成とし、サ1961を除くサ1960形はM化され1050形となり、ク1910形とク1100形も同じく振り替えられた。この3連化によってMcは2個パンタとなった。
 1998年(平成10年)、名古屋線L/Cカー投入によって余剰となった1001Fは、大阪線2430系2446Fと共に組成変更し、名古屋線用としてモ1001+モ1051+ク2546の3連、大阪線用としてモ2446+モ2466+サ1151+ク1101の4連となって運用された。

 旧1200系1002Fは名古屋線急行を中心として活躍してきたが、2004年(平成16年)3月に1000系群の中でいち早く廃車、また2007年(平成19年)2月、2430系2446Fと編成を組んでいた1001Fも廃車となり、2446Fは元の3連に戻った。
 2008年(平成20年)8月には1003Fが廃車、2022年(令和4年)11月には運用を離脱した1006Fと1007Fが廃車となった。
***
1001F登場時の姿 旧1200系を名乗っていた1002F
***
冷房改造が施工された頃 高性能化施工後の1002F
***
3連となりローカル運用に就く1001F 現在の1000系
***
←名古屋
 ク1100形(Tc) + サ1150形(T) + モ2450形(M) + モ2430形(Mc) 
1101 + 1151 + 2466 + 2446 2007, 2 廃車
 ク1100形(Tc) + サ1150形(T) + モ1050形(M) + モ1000形(Mc) 
1102 + 1152 + 1052 + 1002 2004, 3 廃車
 ク1100形(Tc) + モ1050形(M) + モ1000形(Mc) 
1103 + 1053 + 1003 2008, 8 廃車
1104 + 1054 + 1004
1105 + 1055 + 1005
1106 + 1056 + 1006 2022,11 廃車
1107 + 1057 + 1007 2022,11 廃車
1108 + 1058 + 1008
 ク2530形(Mc) + モ1050形(M) + モ1000形(Mc) 
2546 + 1051 + 1001 2007, 2 廃車
 斜体字は現存しません
***
組成変更・改番
1001 + 1051(1151) + 1151(1051) + 1101(1924)
 → 1001 + 1051 + 25462446 + 2466 +1151 + 1101
 1002(1201) + 1052(1351→1152) + 1152(1251→1052) + 1102(1925) 
1003 + 1053(1963) + 1103(1913)
1004 + 1054(1964) + 1104(1914)
1005 + 1055(1965) + 1105(1915)
1006 + 1056(1966) + 1106(1916)
1007 + 1057(1967) + 1107(1917)
1008(1002) + 1058(1962) + 1108(1912)
 ( )は旧番
**

1000系編成表(PDF)

***
形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
台車 電動機 出力
(kW×個)
製造初年 製造所 備考
モ1000 Mc 01 1 170 20720 2740 4032 近車KD-75G 三菱MB-3020-E 132×4 1972 近車  
02 1 4150  
03〜08 6 4135 1973  
モ1050 M 51 1 190 1972  
52 1 4040  
53〜58 6 2709 4032 近車KD-65G  
ク1100 Tc 01〜07 7 170 近車KD-65A 1967 元ク1910
08 1
サ1150 T 51 1 185 2740 近車KD-51F 1972  
52 1 4040  

2022年12月 3日更新

記事および画像の無断転載はお断りします
© 1999 大和路ポストマン