---------- 車両解説 ----------

2410系

 1968年(昭和43年)に大阪線2400系にラインデリアを装備して登場した車両である。ラインデリアは近鉄及び三菱電機が共同開発した換気装置で、雨天時でも新鮮な外気を取り入れられるというものである。ラインデリア取り付けの関係上屋根が100mm低くなり、連結面の貫通路も狭幅となった。また前面尾灯形状も変更されている。台車は空気バネのKD−66形が採用され、後年増備されるごとに改良が重ねられている。1970年(昭和45年)製の2422Fからは側面に列車種別表示器が取り付けられ、翌年1971年(昭和46年)製2427Fからは車体幅が30mm拡大され、前面にスカートが取り付けられた。1969年製の2590形(2591〜2593)は増結用のTcとし製造された。2428F以降、1973年には3編成の増備が計画されたが2430系が登場していたため2429F・2430F・2410Fと番号がさかのぼって付けられた。なお同時期に2430系M車(2450形)・T車(2550形)が2429F・2430Fの中間に組まれ、4両編成となっている。
 主電動機、制御装置は2400系に準じているが1971年(昭和46年)製のものからは2430系に準じて変更されている。冷房化は1979年(昭和54年)から順次行われたが、その際2590形は2591が1480系1496Fと編成を組み、2592・2593は2430系2441F・2442Fの中間M車と1984年製1200系1211F・1212Fと編成を組み、4両固定編成化され現在は名古屋線で運用されている。なお1496Fと編成を組んでいたク2591は1496Fとともに既に廃車となっている。
 2006年(平成18年)9月、2411Fが電気計測車「はかるくん」に改造され系式もモワ24系となった。また2020年(令和2年)3月には鮮魚列車廃止により、代替えの貸切車両を1両設定することとなり2423Fモ2423が「お魚図鑑」の愛称で改造が施された。
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ラインデリア装備の登場時の姿 急行の先頭に立つ2410系
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1200系、2430系と編成を組み名古屋線で活躍するク2590形 2430系中間車2両を組み込んだ4両編成の2410系
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←上本町・名古屋
ク2510形(Tc) + モ2410形(Mc)
2510 + 2410
2511 + 2411  モワ20系に改造
2512 + 2412
2513 + 2413
2514 + 2414
2515 + 2415
2516 + 2416
2517 + 2417
2518 + 2418
2519 + 2419
2520 + 2420
2521 + 2421
2522 + 2422
2523 + 2423  「お魚図鑑」に改造
2524 + 2424
2525 + 2425
2526 + 2426
2527 + 2427
2528 + 2428
 ク2510形(Tc) + モ2450形(M) + サ2550形(T) + モ2410形(Mc) 
2529 + 2457 + 2557 + 2429
2530 + 2458 + 2558 + 2430
ク2590形(Tc) + モ1480形(M) + モ1480形(Mc)
2591 + 1495 + 1496
 ク2590形(Tc) + モ2450形(M) + サ1380形(T) + モ1200形(Mc) 
2592 + 2461 + 1381 + 1211
2593 + 2462 + 1382 + 1212
 斜体字は現存しません
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形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
台車 電動機 出力
(kW×個)
製造初年 製造所 備考
モ2410 Mc 11〜26 16 170 20720 2709 4150 近車KD-66* 三菱MB-3110A 155×4 1968 近車 *22〜26はKD-66D
10・27〜30 5 2740 近車KD-66F 1971  
ク2510 Tc 11〜26 16 2709 3879 近車KD-66A* 1968 *22〜26はKD-66E
10・27〜30 5 2740 近車KD-66G 1971  
ク2590 91〜93 3 2709 近車KD-60A 1969  

2020年 7月 5日更新

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