---------- 車両解説 ----------

8000系

 1961年(昭和36年)から上本町〜瓢箪山間で900系が活躍していたが、1964年(昭和39年)7月の奈良線新生駒トンネル開通と同時に新製されたのが8000系である。車体は900系を基本としているが当初より昇圧準備がなされており、重量配分を均一にするためコンプレッサー・電動発電機はトレーラーに搭載されている。
 製造当初はMc、Tcの2両編成で64両が製造され、塗色も900系同様ベージュをベースに窓下に青色の帯を巻いた。1966年(昭和41年)からは中間車も製造され、TとMをはさんだ4両編成も生まれた。車号は、当初昇圧時に900系を8000系に編入する予定であったためMcとTcは21から始まっている。当初Mc、Mにはパンタが2基搭載されていたが、昇圧の際にそれぞれ1基に変更された。
 1968年(昭和43年)にはアルミカー8069Fが試作され、車体は他車よりも角張ったものとなり、前照灯も妻面に埋め込まれた形となった。このアルミカーも1989年(平成元年)に奈良線連結器高さを大阪線に合わせてかさ上げされた際、構造上改造工事が行われずにモ8069とク8569を互いに連結させて2連の8074Fの中間に収まった。その後、運転台機器も撤去されて先頭に出ることは無くなった。この特異な編成も2005年(平成17年)12月に廃車となった。
 1974年(昭和49年)には8023Fに試作的に冷房改造がなされ、8600系同様のクーラーキセが取り付けられたが、この時点では改造コストなどの問題で以後試作による同改造は行われなかった。1981年(昭和56年)から8800系をモデルにした界磁位相制御・回生制動化工事が施工され、4両編成の場合難波寄りMcの電装機器をTに移設してTc化、TはM化するとともに元来のMとペアーで1C8M化、モ8000形に界磁制御機器を、もう一方のMcに主制御器を搭載して制御装置の統一化と制動装置の回生制動化を実施した。
 1980年(昭和55年)には70番台70F・71F・76F〜79Fを3連化、界磁位相制御化のため8800系に準じた中間M車モ8250形を新造し末番を先頭車に合わせて付番、パンタもPT−48形を2基装備してそれぞれの中間に収まった。
 2006年(平成20年)10月〜11月には、界磁位相制御・回生制動化工事が施されなかった85F・87Fの中間T車+M車が廃車され先頭車のみの2両編成となり、8000系のMc+Tc編成が復活したが、これらも2014年(平成26年)7月に廃車となった。

 なお、8059Fは1972年(昭和47年)8月、爆破事件に遭遇ししばらく休車状態となったが、その後の復旧に際してク8559は運転台撤去のうえ電装されて8400系の8409Fの中間車モ8459に、モ8059は8600系8617Fの中間車サ8167(既に廃車)にそれぞれ改造されて欠番となった。奈良線系列で主力として幅広く活躍してきたが、老朽化及び8A系との代替えのため現在は4連車4本を残すのみとなっている。
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8000系初期車の2連 アルミ車体試作編成の8069F
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フラットな屋上の後期車、冷房改造前 アルミ車8069Fは8074Fの中間に収まった
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奈良線で活躍続ける8000系4連車 後年中間車を新造した3連車
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←難波・京都
ク8700形(Tc) + モ8000形(M) + モ8200形(M) + ク8500形(Tc)
8701 + 8021 + 8201 + 8521 1997 廃車
8702 + 8022 + 8202 + 8522 1996 廃車
8703 + 8023 + 8203 + 8523 冷房試作改造車、1998 廃車
8704 + 8024 + 8204 + 8524 1996 廃車
8705 + 8025 + 8205 + 8525 1998 廃車
8706 + 8026 + 8206 + 8526 1997 廃車
8707 + 8027 + 8207 + 8527 1997 廃車
8708 + 8028 + 8208 + 8528 1998 廃車
8709 + 8029 + 8209 + 8529 1998 廃車
8710 + 8030 + 8210 + 8530 1998 廃車
ク8700形(Tc) + ク8500形(Tc)
8031 + 8531 1996 廃車
8032 + 8532 1996 廃車
8033 + 8533 1996 廃車
8034 + 8534 1996 廃車
8035 + 8535 1996 廃車
8036 + 8536 1997 廃車
8037 + 8537 1998 廃車
8038 + 8538 1997 廃車
8039 + 8539 1996 廃車
8040 + 8540 1997 廃車
8041 + 8541 1997 廃車
8042 + 8542 1998 廃車
8043 + 8543 1997 廃車
8044 + 8544 1999 廃車
8045 + 8545 1998 廃車
8046 + 8546 1998 廃車
8047 + 8547 1999 廃車
8048 + 8548 1998 廃車
8049 + 8549 1999 廃車
8050 + 8550 1999 廃車
8051 + 8551 2001 廃車
8052 + 8552 2001 廃車
8053 + 8553 2001 廃車
8054 + 8554 2000 廃車
8055 + 8555 2000 廃車
8056 + 8556 2002 廃車
8057 + 8557 2000 廃車
8058 + 8558 2000 廃車
8059 + 8559 爆破事故欠番
8060 + 8560 * 2001 廃車
8063 + 8563 * 2002 廃車
8075 + 8575 * 2004 廃車
モ8000形(Mc) + サ8710形(T) + モ8210形(M) + ク8500形(Tc)
8061 + 8711 + 8211 + 8561 * 2001 廃車
8062 + 8712 + 8212 + 8562 * 2002 廃車
8064 + 8714 + 8214 + 8564 * 2000 廃車
8065 + 8715 + 8215 + 8565 * 2001 廃車
8066 + 8716 + 8216 + 8566 * 2001 廃車
8067 + 8717 + 8217 + 8567 * 2001 廃車
8068 + 8718 + 8218 + 8568 * 2000 廃車
8085 + 8725 + 8225 + 8585 * 2006,10 中間車、2014,7 廃車
8087 + 8727 + 8227 + 8587 * 2006,11 中間車、2014,7 廃車
ク8710形(Tc) + モ8000形(M) + モ8210形(M) + ク8500形(Tc)
8719 + 8072 + 8219 + 8572 * 2004 廃車
8713 + 8073 + 8213 + 8573 * 2004 廃車
8731 + 8080 + 8231 + 8580 * 2006, 5 廃車
8721 + 8081 + 8221 + 8581 *
8722 + 8082 + 8222 + 8582 * 2009, 1 廃車
8723 + 8083 + 8223 + 8583 * 2024, 9 廃車
8724 + 8084 + 8224 + 8584 * 2024,10 廃車
8726 + 8086 + 8226 + 8586 *
8728 + 8088 + 8228 + 8588 * 2024,10 廃車
8729 + 8089 + 8229 + 8589 *
8730 + 8090 + 8230 + 8590 *
 モ8000形(Mc) + サ8710形(T) + モ8210形(M) + サ8500形(T) + モ8000形(M) + ク8500形(Tc) 
8074 + 8720 + 8220 + 8569 + 8069 + 8574 * 8069Fはアルミ試作車2005 廃車
モ8000形(Mc) + モ8250形(M) + ク8500形(Tc)
8070 + 8270 + 8570 * 2010, 7 廃車
8071 + 8271 + 8571 * 2010, 7 廃車
8076 + 8276 + 8576 * 2006, 4 廃車
8077 + 8277 + 8577 * 2006, 4 廃車
8078 + 8278 + 8578 * 2023, 2 廃車
8079 + 8279 + 8579 * 2023, 2 廃車
 斜体字は現存しません。
 *はラインデリア装備車

8000系編成表(PDF)

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形式 車種 番号 両数 定員 全長
(mm)
全幅
(mm)
全高
(mm)
台車 電動機 出力
(kW×個)
製造初年 製造所 備考
モ8000 Mc 21・22・24〜58 37 170 20720 2800 4150 近車KD-51 三菱MB-3064AC 145×4 1964 近車  
モ8200 M 01・02・04〜10 9 190 三菱MB-3064AC3 1966  
ク8500 Tc 21・22・24〜58 37 170 3960 近車KD-51D 1964  
サ8700 T 01・02・04〜10 9 190 3765 1966  
モ8000 Mc 60〜68 9 170 4150 近車KD-51 三菱MB-3064AC 145×4 1967  
70〜84 15 近車KD-64 1968  
85〜90 6 1969  
モ8210 M 11〜19 9 190 三菱MB-3064AC3 1967  
21〜31 11 1969  
ク8500 Tc 60〜68・70〜90 30 170 3870 近車KD-64A* 1967 *60〜68はKD-51D
サ8710 T 11〜19・21〜31 20 190 3750 近車KD-56A  
モ8000 Mc 69 1 170 4150 近車KD-64B 三菱MB-3064AC 145×4 1968  
モ8210 M 20 1 190  
ク8500 Tc 69 1 170 3910 近車KD-64C  
サ8710 T 20 1 190 3796  
モ8000 Mc 23 1 170 4150 近車KD-51 三菱MB-3064AC 145×4 1964  
モ8200 M 03 1 190 三菱MB-3064AC3 1966  
ク8500 Tc 23 1 170 4010 近車KD-51D 1964  
サ8700 T 03 1 190 1966  
モ8250 M 70〜71・76〜79 6 190 4150 近車KD-86 三菱MB-3064AC 145×4 1980  

2024年10月26日更新

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© 1999 大和路ポストマン