「誤解だって愛のうち」 第2章
暫くしたら出ていく……って何?
祐馬はぼんやりとキッチンに行くと椅子に座った。
俺があんな事言ったからか?
だけど、言わない方が変だよな……
俺達恋人同士だもん……
心配して当然じゃんか……
それとも恋人同士なんてもう思ってないのか?
祐馬はちらりと時間を確認して今八時なのを知った。戸浪は昼まで寝ると言った。ではその頃には起きてくるだろう。
起きてきたらもう一度ちゃんと話し合おうと思った。こんな終わり方はしたくないのだ。事情が全く分からない状態は嫌だった。
だがもっと自分が辛い目に合いそうな気もした。はっきりとよりが戻ったこ事を確認するだけの事かもしれない。
それでもいいのか?……俺……。
「祐馬……」
いきなり戸浪に声をかけられて、祐馬が振り返ると、キッチンの入り口の所に戸浪が立っていた。
「……戸浪ちゃん……ど、どうしたの?寝るって言ってなかった?お昼になったら起こして欲しいのか?欲しかったら俺起こしてやるから……」
何言ってるんだよ……俺は……と思うのだが、こんな風にしか言えない。
「……済まない……」
言って戸浪は俯く。
それはよりが戻ったことを指しているのだろうか?だが戸浪は肝心なことを言わない。
「え、何謝ってるんだよ。それよか顔色悪いよ。寝てきたらいいって。俺、もう何も聞かないから……戸浪ちゃんが言いたくなかったら言わなくていいよ」
祐馬は聞きたくないからそう言った。
少しでも引き延ばせるなら、引き延ばしたいのだ。ただそれだけだった。
「私は……ここから出なければいけないか?……」
身体を柱にもたれさせて戸浪は言った。
「戸浪ちゃんが出ていきたいんだろう?いいよ。俺……戸浪ちゃんがそうしたいんなら……俺は……」
構わないよ……と、いう言葉はどうしても言えなかった。
「……祐馬……違うんだ……」
そう言って戸浪が顔を上げると泣きそうな顔をしていた。びっくりした祐馬は椅子から立ち上がると戸浪の側に近寄った。
「戸浪ちゃん?」
「お前が怒るのは当然だ。それに……こんな私に愛想をつかすのも仕方のないことだと分かってる……」
又俯いて戸浪は言った。
「愛想なんかつかしてないよ……どうしてそんなこと言うんだよ……」
「……どうして私はこうなんだろう……」
呟くように戸浪はそう言ってそのまま体勢が崩れた。祐馬はそれを抱き留めると、やけに戸浪の身体が熱かった。
「戸浪ちゃん……熱っ……熱あるんじゃないのか?」
そう言いながら戸浪の額に手を当てると、かなりの熱を手の平に感じた。
「うわっ……何でこんな状態になるまでに俺に言わないんだよっ!」
戸浪を抱き上げて祐馬は怒鳴るように言った。
「……迷惑……かける……から……」
泣きそうな目ではなくて熱っぽい目だったのだ。だが顔色は反対に蒼白だ。
「なんでっ俺に気を使うんだよ!いや、そんなことどうでもいいよな」
寝室に走り込んで祐馬は戸浪の服を脱がした。まだ戸浪は先程帰ってきたままの格好だったからだ。
もし戸浪の身体に誰か知らない男の跡を見つけたらどうしようかと、一瞬思ったが、幸いそんな印は何処にも無かった。
そうしてパジャマを着せ、戸浪をベットに寝かせると、またキッチンに走り出した。冷凍庫からアイスノンを取り出し、タオルを巻き付け、次にボールに氷と水を入れるとそれらをもって又寝室に戻った。
「頭ちょっと上げるよ……アイスノン持ってきたから……」
「大丈夫だ……」
掠れた声で戸浪はそう言った。
「大丈夫なわけ無いだろ!こんな熱あるのに……」
怒鳴りながら祐馬は次に戸浪の額に氷水で絞ったタオルをのせた。
「……風邪……かな……」
戸浪はぼんやりとそう言った。だが、咳もしていない、喉も痛がっていない。風邪じゃなくて疲労だと祐馬は思った。何より最近ゆっくり眠っている姿を見ていないのだ。
「働きすぎたんだろ……戸浪ちゃんずっと忙しそうだったし……」
仕事じゃなくて別のことだろうが、祐馬はそう言った。
「……祐馬……」
戸浪は額に置いたタオルの隙間からこちらを見ていた。
「何?お腹すいたんなら何か作るけど……」
「私は……ここに居たい……」
「え?」
「あんな風に……言うつもりは無かったんだ……。怒らせてしまったのなら……謝る。だから……追いださないでくれ……」
訴えるような戸浪の瞳に祐馬は釘付けになった。
戸浪がここに居たいと言うのだ。それは祐馬が望んでいることだ。そして居なくなることをずっと恐れていたのだ。
だから戸浪のその言葉が何よりも嬉しい。
「俺、追いだしたりなんかしないよ。それに、俺、ずっと戸浪ちゃんと一緒にここで暮らしたいんだ。さっき戸浪ちゃんが出ていくって言ったから俺、すげーショックだったんだぞ。どうやって引き留めようかずっと考えてたんだからなっ」
戸浪の視線の高さに併せるように祐馬は膝を折り、顎をベットにのせて言った。
「ほんとか……?」
見せたことのない戸浪の弱々しい姿が愛しくて仕方ない。
「うん。何でそう思うの?」
「私は……最低なんだ……」
今度は本当に泣きそうだった。祐馬は自分もベットに乗り上がって、戸浪の隣に横になった。
「そんなこと無いよ……」
理由を聞いたら又口を閉ざしてしまうだろうと思った祐馬はそう言った。
最低とはなんだろうか?
もしかしてよりが戻った男と祐馬を較べて選べないからか?
俺に黙ってその男と会ってる自分が最低だと思ってるのか?
喉元まで出た言葉を飲み込んで、今はただ、何も知らない男を演じることにした。
「……祐馬……」
言って戸浪はこちらに抱きついていた。熱のある戸浪の身体が薄いパジャマを通して伝わってくる。
「なんか今日は子供みたいだなあ……でも俺こういう戸浪ちゃんも好きだよ……」
嬉しいけど辛い……。
「お前は本当に私が好きか?」
ちょっと怒ったように戸浪が言った。
「は?熱でおかしくなってるんじゃないの?よりにもよってどうしてそんな言葉が出てくるわけ?」
「……」
「もう……一体なんべん好きって言ったら戸浪ちゃんが俺の気持ち分かってくれるのかなあ……。俺こんな好きなのにな……」
そう言うと戸浪は黙り込んでしまった。
「もさ、寝た方がいいよ。戸浪ちゃん、ほんと熱出てるから……身体休めた方がいい」
「ああ……」
戸浪はようやく目を閉じた。
暫くすると戸浪の寝息が聞こえてきた。
眠ったみたい……。
全身をこちらに預けてくる戸浪を起こさないように抱きしめ祐馬は目を閉じた。
この身体が欲しい……心も欲しい……全部欲しい……
勢いに任せて突っ走りそうになったこともある。
お互い裸になって肌を合わせたらどんなに気持ち良いだろうと夢想する事もある。
どれだけ拒否されてもいいから、無理矢理犯してやりたいと何度思っただろう。
そんなことをして軽蔑されるのが嫌だから今まで我慢してきたのだ。
「好きにしていいんだぞ……」
眠っているとばかり思っていた戸浪が目をつむったままそう言った。
「……」
「嫌なのか?」
言って閉じていた目が開いた。
「……嫌じゃない……」
欲しくて堪らない。
自分がどうにかなってしまいそうなくらい戸浪が欲しいのだ。
「私は大丈夫だから……お前の好きにしろ……」
言いながら又目は閉じられた。
何が大丈夫だと言うのだろう……。何時だって身体は拒否しているのに、戸浪にはそれが分かっていないのだろうか?
「熱……あるんだから……さ。元気になったらでいいよ……」
必死に自分を押さえて祐馬はそう言った。
「私から脱がなければ……お前は私を抱けないのか?」
言って戸浪は自分のパジャマのボタンに手を掛けて、ゆるゆる外しだした。
「戸浪ちゃん……」
戸浪から吐き出される熱のある息が、まるで興奮している様な熱さを持っていた。だがそれは興奮しているわけではなく、ただ身体に溜まった疲労からくる熱の所為だ。
「上は脱いだぞ……下もか?」
ばさりと上着を投げて戸浪は一息つく。こんな風に動くことすら今辛いはずなのだ。
「……そんなことするなっ!もういいんだっ!頼むから止めてくれよ……」
これが戸浪の精一杯なのだろう。
俺は一体自分の好きな人に何をさせてるんだ。
好きな相手に……こんなに嫌なことをさせている。
自分の想いを押しつけて、逃げられないように恩を売って……
相手のことなんかこれっぽっちも考えていない自己中心的な自分がいる。
何て醜い俺……。
「祐馬っ!」
戸浪に懇願されるような声で呼ばれて、いつの間にか俯いた視線を上げて祐馬は言った。
「も……いいんだ……戸浪ちゃん。俺が悪かった……俺が全部……悪かったんだ。こんな事しなくて良い。もう良いから……。俺……その気持ちだけで充分だよ。好きにして良い。俺のこと……もう……考えなくて良いから……。俺に気兼ねする事なんてない……戸浪ちゃんは自分の事だけ考えてくれたらいい……」
放り投げられたパジャマの上着を拾って戸浪の肩に掛けた。目を合わせることが出来ずに視線を逸らせたまま、祐馬は続けて言った。
「身体……休めろよ。でないと明日会社いけなくなっちゃうよ」
戸浪は無言でパジャマを着なおすと、こちらに背を向けて毛布に潜った。祐馬はベットから降りて寝室の扉を閉めた。
あの男は好きだと言う癖にどうして私を抱かないんだっ!
熱っぽい身体を抱きしめて戸浪は一人ごちた。
こちらは恥ずかしいのを我慢して、自分からパジャマまで脱いだというのに、何がもういいんだっ!それでよくも人のことを好きだの何だのと言えるものだっ!
余計熱が上がりそうな程の怒りが戸浪にあった。
一緒に暮らし初めてそろそろ二ヶ月になる。それなのにそぶりは見せる癖に一度だって抱こうとしない。確かにこちらが構えすぎているのは分かる。身体がガチガチになるのは過去の男がくだらないことを言ったからだ。それがずっと心に傷を作って、触れられると身体に如実に現れるのだ。
だからといってそれを何故祐馬に言える?
私は淡白だからお前を満足させられないと思う……などと口が裂けても言えやしない。
確かに男とつき合っていたが、だからといって経験が豊富な訳ではない。それをはっきり言えばいいとでも思ってるのだろうか?
戸浪が昔つき合っていた男のことを祐馬が酷く気にしているのは分かっていた。だからその話題から遠ざけてやろうと思い一切話さなかった。何より戸浪自身も思い出すのも腹立たしい為に、言いたくもなかった。
その上、今は周りがごたごたしていて祐馬のことまで気にしている余裕が無かった。その問題を祐馬に話すときっと傷つけてしまうと思ったから黙っていた。
確かに朝帰りは問題だったと思う。毎晩帰りが遅い理由を話した方が良かっただろうと思う。しかし、言えなかった。言えば祐馬を傷つけてしまうことになるからだ。
そうではない言えば祐馬が戸浪を軽蔑してしまうような事をやってしまったからだ。
どうしてあんな事をしでかしてしまったのか自分でも分からない。いや、分かっているのにあの時は認めたく無かったのだ。
自分だって男とつき合っているのにだ。
その話は暫く前に遡る。
最初、弟の大地が失踪したと警察や会社から連絡を受け、次に病院から連絡を貰った。それが済むと今度は、大地ががホストとつき合っているのを知って、頭に来た。そして見ず知らずの男の計画に乗ったのだ。
それが問題だったのだ。
大地は会社に真相を確かめにやってきて、戸浪の嘘がばれた。弁解しようとする間もなく、大地はショックでふらふらしているところを車に跳ねられた。更にそのときの後遺症で自分が好きだった男の事を忘れてしまい、今入院生活を送っている。
忘れてしまったのだ……好きだった相手のことを……。本人が覚えていないとはいえそれは辛いことだ。
そう言う事情で最初の朝帰りは、病院でずっと大地の手術が終わるのを待っていた為だ。その後は母親と交替で大地の面倒を見ていた。
時に大地は熱を出すこともあり、そのときは泊まり込んだりしたのだ。
自分の責任だという負い目があった。
弟に嘘を付いたという罪悪感があった。
その話を祐馬には出来なかった。自分は男とつき合っている癖に弟のことを認めてやらなかったからだ。
祐馬に酷い兄だと思われたくなかった。
嫌われたく無かった。
祐馬を失いたくなかった。
だから言えなかった。
「祐馬……」
小さな声でそう言って又深く毛布に潜った。
弟に対して酷いことをした。本当に後悔している。最初から認めてやれば良かったのだ。自分だって男とつき合っているのだから、味方になってやれば良かった。そうしておれば、祐馬にも相談できたはずだ。
だが後悔しても遅かった。
弟は許してくれそうにない。祐馬も戸浪に愛想を尽かしているようだ。だから抱こうとしない。好きなら例え多少の拒否があっても突き進めるだろう?こちらは嫌だとは言っていないのだ。多少身構えるのは無視できるはずだ。
だがそれが出来ないということは、戸浪に対して恋愛感情はもう無いからだ。
そうであるからいくら誘っても抱こうとしない。
愛情なんか無いからだ。
きっと自分が弟に対してしてしまったことの償いが、違う形でやってきたのだと戸浪は思った。人を貶めると形を変えて自分に返ってくる。
今まさにその状態だ。
結局全ての原因は自分にあるのだ。
……仕方ない……。
戸浪はそう思った。そう思うことしか出来なかった。
やるだけの事はやった。
弟の大地にも誠意を見せたつもりだ。祐馬には自分の想いを精一杯伝えてきたつもりだった。だがそれらは全て無駄だったのだ。
大地は兄の戸浪を憎み、祐馬の気持ちはもう自分の側にはない。
もうここには居られない。祐馬は居てもいいといってくれたが、それは社交辞令にすぎない。自分から一緒に住んで欲しいと言ったあと、出ていけとは言えないだろう。
だったら、最後に祐馬の為に自分から出ていってやるのだ。
そうしたら祐馬もホッとするだろう。
奇麗に別れてやるのが、今できる戸浪の精一杯の事だったのだ。
祐馬はその日ソファーで眠った。戸浪と同じベットではとても昨晩は寝られなかったのだ。
戸浪ちゃん、熱……下がったのかな?
狭いソファーで眠った所為で身体のあちこちが痛い。大きく伸びをして立ち上がると、キッチンの方から人の気配がした。
「戸浪ちゃん、今日休まなくても大丈夫なのか?」
いつものようにパンを焼いている戸浪に祐馬は驚きながらそう言った。
「ああ、昨日は済まなかった……もう大丈夫だ」
そう言って笑みを浮かべる戸浪は、今まで憔悴していたのが嘘のような顔をしていた。
何か吹っ切った顔だ……
ふと祐馬はそう思った。
「さっさと顔を洗ってこい。すぐに間にパンが焼ける」
「あ、うん……」
なんだか良く分からないが、何時も通りに戻っている生活が祐馬の気持ちをホッとさせた。昨日の今日、もし戸浪がまた先に出社していたら、かなりへこんでいただろう。
祐馬は何となく嬉しくなり、さっさと顔を洗うと、キッチンに戻った。
キッチンテーブルにはいつものようにパンが並べられて、コーヒーもカップに入れられていた。
一緒に摂る食事、一緒にうちを出て、通勤電車に乗る。会社が終わって家に帰ると夕食も一緒に食べる。その生活が多分、今日から戻ってくるのだ。
昨日の事はきっと戸浪は忘れているのだ。熱もあった事だ。それで記憶が無いのだろう。だからこうやってまた日常が戻ってきたのだ。
覚えていたら、不機嫌な顔をしているはずだったからだ。
そう思うと祐馬は本当に嬉しかった。
俺も忘れたことにしよう。
一分でも数日でもいい。まだ一緒にいられるのなら、何も知らないふりをして暮らせばいい。もう遅く帰ってこようが、朝帰りしようが何も聞かずにいよう。
その間、戸浪が誰かと自分を比べていたって構わない。俺はその男より優しく戸浪を大事にしておれば、きっとどちらが戸浪を本当に愛しているか分かってくれるはずだ。
絶対俺を選んでくれるよな……。
祐馬は自分の誤解に全く気が付いていなかった。
それは戸浪とて同じ事であった。
数日は穏やかな日を過ごした。戸浪も遅くなることはあっても朝帰りする事はもう無かった。会話も少しずつ戻ってきた。
祐馬は安心していた。いつも通りの日が本当に戻ってきたと思っていた。
だが、それは違ったのだ。
土曜の朝早く、ごとごとと音がするので祐馬は目を覚ました。何だろうと思ってリビングに行くと戸浪が自分の荷物を段ボールに詰めていた。
「……何……してんの?」
「ああ、おはよう……」
「おはようじゃなくて……」
周りにある段ボールの箱には戸浪の衣服が詰められている。それを見て祐馬は信じられないという表情をした。
「昨日……言えば良かったんだが……言うに言えなくてね。住むところが見つかったんだ。だから……」
「見つかったって……」
「今日まで世話になった……」
戸浪はそう言って笑顔を見せた。こんな状況でなければその笑顔に喜んでいたはずだ。そんな笑顔だった。
「世話になったって……出ていくのか?」
「……ああ……」
「こんなに急に……そんなの……」
何をどういえば良いのか分からずに祐馬は言葉を探すのだが、言葉が出てこない。
「祐馬……」
戸浪は手を止めて立ち上がり、祐馬の前に立った。そうして手を伸ばして抱きついてきた。暫く無かった感触に、祐馬の喉が詰まった。
「一度……お前も言ってくれたな……これで最後にすると……これで諦められると。私もこれで諦める。ありがとう……」
「……あ……な、なにそれ……ちょ、ちょっと……」
あまりの不意打ちと起きたての頭で思考が回らない。
ふっと離れた戸浪が段ボールの箱を持ち上げた。
「この荷物で最後だ。ちょっと寂しくなるな……」
何故こんなに他人事のように言えるのか、祐馬には理解できない。
「待てよ……これって……」
駄目だっ!何を言って良いのか全然頭が回らない!
混乱しているうちに戸浪が玄関の扉を開ける音がした。祐馬は一人残されたリビングを駆けだして玄関に向かった。
「戸浪ちゃん!」
「好きだよ……祐馬……だからもう会わない……」
そう言って戸浪は扉を閉めた。
祐馬は呆然と立ちすくむことしか出来なかった。