「ユーストレス 第1部」 第15章
「す……済みません……あ、宿題してたんです……あの……」
「勉強ね……。ああ、君。逸輝君と言ったね。時間も遅いことだし、そろそろ帰って貰えないだろうか……。鳩谷君には今から本当の勉強をして貰うことになっているんだよ」
真下が逸輝に意外にきつい口調で言うと、仕方ないという表情で机の上の物を片づけだした。
「逸輝……ごめん。今日から毎日勉強することになってて……」
追いだすような形になったことが恵太郎には心苦しかったのだ。
「……別に。いいさ……」
「あ、逸輝のズボン……履き替える?」
「持って帰るから良い」
機嫌が酷く悪い。
「……そ……そう」
「じゃあな」
目線を合わせない逸輝に、酷く気持が乱されながらも、恵太郎は四つある椅子の一つにかけておいたジーパンを畳んで渡した。それはまだ湿っている。
「……逸輝……あの……」
「私が送っていくよ。ああ、宇都木。後は頼んだよ」
帰ろうとしていた逸輝を追いかけようとした間に真下が入る。無言で真下は駄目だと言っているのだ。こうなると逸輝を見送ることは出来ない。
「あ……お願いします……」
恵太郎がそう言うと逸輝がチラリとこちらを見たがそれが酷く寂しげに見えた。
離れの玄関に来ると真下は扉を開け、逸輝を外に連れだして並んで歩き出した。逸輝をみると、どこか擦れた感じの少年だ。先程の会話と態度を見る限り、どうも恵太郎に好意を持っているように思える。それが分かったから、真下は帰って貰おうと考えたのだ。
それにしても、宇都木にしろ、白川にしろ、一体世の中どうなっているのだと真下は嘆きたくなった。何故男だ。他に可愛い女性がこの世にはうようよいるというのに、男に目が行く気が知れない。差別する気はさらさらないが、それでも自分の周りに男性が好ましいと思う人間が多いと、なにやら世紀末が近いような気がする。
はあ……
宇都木だけだと思っていたんだが……
秘書連中が一体どういう恋愛をするかまで真下の範疇に入っていない。そうであるから見ぬ振りをしているのだが、ややこしい男達が混じっているのは確かだ。こちらまで飛び火してこないため、真下は相変わらず何も知らぬ顔をしているが、怪しい秘書はどこまでも怪しい。
宇都木がずっと如月を追いかけていたときも、気付かぬ振りをしてきた。白川のことは良く分からなかったが、どうも自分に気があるらしい。だが白川は確か剣となにやら問題を抱えていたはず。
では私に気があるというのは一体どう言うことなのだ?
……やめよう。
こういう問題は余り考えると頭痛がする。しかも真下がどれほど考えたところで、宇都木の例も有り、本人達が自分の気持ちを止めることができないのだから、真下が何を言ったところで無駄なのだ。色恋沙汰は当人達に任せるのが一番丸く収まるのだろう。収まらなかったらその時に間に入ればいい。
そんなことを考えながら真下は敷地内の通路を歩き、東家の門の所までやってきた。当然逸輝も側にいる。
「……あんたか?」
いきなり逸輝にあんた呼ばわりされた真下は心の中ではムッとしたが、子供相手に向きになっても仕方ない。
「私は真下というんだがね……ああ、斉藤さん、門を開けてくれるかな」
門の左端に小さな守衛室が建っており、そこで門の開け閉めが操作されるようになっていた。斉藤はいつも解放された小さな守衛室の椅子に座り、普段は門の前に不審者がいないか、モニターを見ながら御茶を飲んでいる四十代前半の男だった。
「はい。今すぐあけますよ……」
すると門の端にある小さな出入り口の方が、開いた。
「真下さんが、ケイに余計なことを言ったんだろう?」
「何のことかな……」
さっさと帰って欲しいのだが、逸輝の方はなにやら話があるようだ。
「あいつ……変だから……」
「変?鳩谷君は普通だが……」
変わっているがごく普通の男の子だと真下は思った。
「……いいよ……別に」
「そうか。なら帰りなさい」
真下が言うと逸輝が、キッと睨んできたが、それも意味不明だ。
「明日も……来ていいか?」
「目上に対しての言葉遣いがきちんと出来ない人はお断りしているんだ」
「……あ……明日も来て良いですか?」
逸輝は真下のきつい口調に言葉を変えた。
「……そうだね。もっと早く帰ってくれるのなら許可してもいいよ。うちの門限は六時だからね。それまでに帰らない子供は躾が出来ていない子供だと言われる。世間がどういう常識をもっていたとしても、この敷地内では許されないんだよ。君もここに来るならそれを守って貰いたい。守って貰えるなら明日も来てもいいよ」
淡々と真下がそう告げると、逸輝は一瞬驚いた表情を向けたが、仕方なさそうな目つきで小さく頷いた。
明日も来る気なのだ。
「じゃあ、気を付けて帰るんだよ」
言って真下は扉を閉めた。
「……恵太郎さんは……これで……本当に今まで留年しなかったのですか?」
昼からやっていた宿題を宇都木が眺めながらそう言った。
「……危ないなあって時はあったんですけど……元々成績は平均があれば上に自動的にあがれるし……高校の方もそういうシステムだから、なんとかあがれたんです。それで……宿題ですけど……間違ってます?」
「……殆ど」
苦笑して宇都木は言う。
「もしかして数学苦手とか?得意は何ですか?」
「国語とか……科学とか……う~ん……数学と英語が全然駄目なんですけど、他でなんとか底上げしてるんです……」
とはいえ、だからといって他が無茶苦茶良い点数なわけでもない。
「……数学とか英語は嫌いですか?」
ニコニコとした表情で宇都木は聞いてくる。
「嫌いっていうより……分からないから嫌いなんです……」
「じゃあ、とりあえず実力テストでもしましょうか?簡単な問題ばかりですが、一時間ほどで出来るでしょう」
宇都木は言いながら鞄からB4の紙を取りだしてきた。よく見ると手作りだ。
「宇都木さんが作ってくれたんですか?」
「ええ……うちに帰っても今は暇ですしね。とても愉しんで作ることが出来ましたよ」
「……楽しいかな……」
「嫌いでも良いんです。答えさえ出せれば。そうでしょう?」
意外に鋭い宇都木の言葉に恵太郎は驚いた。宇都木が決してただ優しいだけの人ではないことを恵太郎は知った。
「……答えさえって……そうなんですか?」
「そういうものでしょう?違いますか?」
……まあ……
そうなんだけど……
「誰かに自分を評価して貰いたいと思われるなら、形としてすぐに分かるような結果が必要です。そうなると、成績という目で見える形のものが便利だと思いませんか?」
当然のごとく宇都木が言う。だがそれは勉強が出来た人間の言葉にしか恵太郎には聞こえなかった。
「宇都木さんは勉強すっごく出来たんだ……」
「頑張ればなんとかなるものです。特に勉強は誰だって頑張ればなんとかなるものですから、それを利用しない手はないでしょう?」
すごい理論だと思うが、宇都木は別にそれを鼻に掛けているわけではなくがんばれば、誰でも何とかなるものだと教えてくれようとしているのだろう。
だが……
「僕……頭に数学なんて入らない」
「数字ではなく公式を入れておくんです。多少、捻った問題が出てきたとしても、公式で簡単に解けるもので点数を稼げば良いんですから……。おしゃべりはあとにして先にテストをしましょうか?時間が無くなりますからね」
恵太郎の前に用紙を置いて宇都木はニッコリと笑った。
「難しそう……」
用紙を手に取り恵太郎は目を凝らして眺めてみたがどれもこれも難しい物だった。何より驚いたのはびっしりと詰まった問題の半分は英語の問題となっている。これをどう実力で書けと宇都木は言うのか分からない。だが宇都木が手作りで作ってくれた問題なのだから、何とかやらなければ……と、恵太郎は本気で考えた。
「出来ないところは飛ばして出来るところからやってみてください。私は恵太郎さんの宿題で間違っているところを消しますね」
宇都木はそう言って、恵太郎が昼から持っていた宿題をぱらぱらと捲っていた。
……それも……
なんか全部間違えてそう……
はあと心の中でため息を付き、なんとか一問くらいは解こうと問題を眺めてみたものの、どれもこれも恵太郎には未知の世界だった。
どうしよ……
一問も答えられなかったら……
すっごく恥ずかしいよ……
「私が側にいると、気になって集中できませんか?」
チラリと宇都木がこちらを向いて言った。だが恵太郎は気になるのではなくて、どの問題も解けそうにないことが恥ずかしいのだ。
うう……
どうしよう……
冷や汗が出そうだった。
時間が過ぎる秒針の音さえ聞こえてきそうな程恵太郎は心の中で焦っていたのだ。このまま亀のまーちゃんと逃げ出したいと恵太郎は本気で考えた。
三十分ほど経った頃、宇都木がたまりかねたように聞いてきた。
「あのう……もしかして、問題の範囲が高校生レベルだったでしょうか?」
「……え。ち……違います……見たことあるんだけど……ただ……その……分からなくて……」
笑おうとする顔も引きつる。
「本当に分からないとか……」
苦笑しているのだが、何処か宇都木は落胆した表情をしていた。
「……ごめんなさい……」
恵太郎は肩を竦めるしかない。
「あ、じゃあ、どの公式を使うとか、そういうことくらい分かりますか?ちょっと反則ですが、教科書を見て、公式を探しても良いですよ」
「そ……それなら……なんとか……」
恵太郎はいそいそと教科書を開き、似たような問題とそれに関する公式をとりあえず書くことにした。問題を解くのはもっと後の話だ。
パラパラと教科書を捲りながら、多分この公式だろうというものを探して、それを用紙に書き写す。これならなんとかなりそうだった。
それにしても……
逸輝……変だったなあ……
好きに色んな種類があるのかな……
僕には分からないけど……
チラリと宇都木を見て恵太郎はふと口にした。
「宇都木さん。あの……好きって色んな種類があるんですか?」
「は?」
いきなりで驚いたのか、宇都木は目を丸くしていた。
「ご……ごめんなさい……今、関係なかったですよね……」
慌てて恵太郎は教科書に視線を戻した。
「……もしかして先程のお友達のことですか?」
こちらを窺うように宇都木は言う。どこから聞いていたのか、何処まで聞いていたのかも分からないが、多少恵太郎と逸輝の会話を聞いてたはずだった。
「……そ……そうなんです。なんか……変だったから……」
恵太郎が宇都木を見ずにそう言うと、小さな笑い声が聞こえた。宇都木が笑っているのだろう。
「恵太郎さんは特別な好きを誰かに持ってますか?」
「特別な好きって……」
「……分からなかったら良いんですよ。お父さんが好き。お母さんが好き……お友達が好き。それとは違う好きがあるんです。ただ、恵太郎さんがそんな風に想う相手がいないだけです。出会えば分かりますから、別に気にしなくて良いんですよ」
そんな好きに出会ったことは恵太郎は無かった。というより特別な好きがあることを感じたことがないからだろう。
宇都木の言うように出会えば分かるのだろうか?
「宇都木さんにはそういう人がいるんですか?」
「え?」
「特別に好きな人……」
「……そ……そうですね……いることはいますが……なんていうか……」
急におどおどとした態度になった宇都木が恵太郎には信じられなかった。
「……そんなに好きなんだ?」
「……あ、今そんな話をしている場合じゃ無いんですよ恵太郎さん。出来たんですか?」
我に返った宇都木は表情を戻してそう言った。
「……ま……まだです」
「じゃあそれをやってしまいましょう」
上手くはぐらかされたような気がしたが、確かに今はそれどころではない。恵太郎はようやく真剣に取り組むことにした。
暫く必死に恵太郎は問題と格闘していたが、携帯の鳴る音がして顔を上げた。すると、既に宇都木は耳に携帯を当てながら、立ち上がると、恵太郎に気を使ってか、玄関の方に向かって歩いていった。宇都木はここの秘書では無いらしい。では何だろうと思いつつ耳だけをすませて恵太郎は問題を解いている振りをしていた。
「その件は先日メールで添付致しましたが……届いておりませんか?」
言いながらもう一つ携帯を出して、何処かに電話を掛けている。器用だなあと恵太郎はチラチラと視線を宇都木に向けながら思った。口調は仕事でのものなのか、今まで恵太郎と話していた柔らかさがない。
「……ございましたか。……如月でしょうか?今東都のニューヨーク支社に出かけております。急ぎでしたら折り返し如月の方からご連絡をさせますがいかがしましょう。ええ……はい。かしこまりました」
淀みなく話す宇都木がとても格好良く恵太郎には見えた。先程までの宇都木とは全く違うのだ。映画でよく見る、スマートなビジネスマン。いや、仕事が出来る男というイメージだ。
いいなあ……
僕もあんな風に格好良くなりたいな……
そのまま見ていると、宇都木はもう片方に持っていた携帯の何を見ていたのか分からないが、片手でキャンセルし、次は何処かにメールを打っていた。
今まで耳に当てていた方はポケットに戻している。二つも携帯をもってめんどくさくないのだろうかとふと思うが、仕事上必要なのだろう。
宇都木さんって格好いいなあ……
「なんでしょう?」
メールを送信し終えた宇都木が恵太郎の方をチラリと向いて言った。
「え……あの……宇都木さんって格好いいなあって思って……」
「済みません。仕事を持ち込んでしまって……」
苦笑しながら宇都木はまた恵太郎の前の席に座った。
「こんな時間でも仕事の話があるんだ……」
「サラリーマンはこういうものですよ。楽しくはないでしょうね……」
突然小さなベル音が聞こえ、何だろうと恵太郎がキョロキョロしていると宇都木がまた言った。
「あ、今の、メールが受け取られたというお知らせです。時々こんな電話やメールをしてしまいますが、余り気にしないで下さいね」
申し訳なさそうに宇都木は言った。だが格好いい宇都木を見られた恵太郎は何処か興奮気味だ。自分でもそれが分かるほど、気持がわくわくとしている。
「ううん。宇都木さんて、すっごく格好いい。僕もそんな風になりたいんだ……」
「……恵太郎さんは将来手芸の先生になりたいと伺いましたが」
「あ……うん。それもあるけど……こう、スーツが似合ってバリバリ仕事できる自立した人にも憧れるんです」
えへへと笑って恵太郎は言ったが、宇都木は褒められても嬉しそうな顔をしなかった。
「……見た目だけですよ。恵太郎さんには立派な夢があるんですから、別に誰にでもなれるサラリーマンを選ばなくても良いんですよ」
「……宇都木さんの小さい頃の夢って……サラリーマンだったんですか?」
首を傾げて恵太郎が聞くと、宇都木は顔を左右に振る。
「え、いえ……。私は夢がありませんでした。だから恵太郎さんのように色々夢を持てるのはとても良いことだと思います。それに必要ならしっかり勉強しましょう」
笑いながらも、話はここで終わりという表情を宇都木から向けられ、恵太郎はまたプリントの続きをし始めた。
結局、出来たことといえば、数学の公式を出し、英語の方の単語の辞書を引いて意味を書くだけでその日は終わった。明日からは公式をどうつかうのかと、英語の文法を教えてくれるらしい。それが終われば、遅れている宿題を中心に勉強することになった。
……
なんか……
情けない僕……
帰り支度をしている宇都木に恵太郎は思わず言った。
「……僕って……なんかすごいお馬鹿さんに見えます?」
「え?いえ。分からないから勉強をするんでしょう?それで理解できたら良いのではないのですか?なにより恵太郎さんはやりたいことがあるのですから留年しない程度に適当に勉強しておけば良いのだと思いますが……。現実はどうしても点数が出せないと、留年したり、大学に行けなくなったりしますので、目標に応じて理解力をつけたらいいんです。学生の間は嫌でもテストはついてきますからね。それは我慢するしかないんでしょう」
きっぱり言う宇都木の言葉はどことなく奇妙に恵太郎には聞こえる。
「でも……宇都木さんは勉強出来たからそう言うんですよね?」
「……やりたいことがなかったからそれしか出来なかったんですよ」
何故か宇都木の笑顔が曇っているように見え、言わなければ良かったと恵太郎は後悔した。
「あの……気を悪くされたら済みません……違うんです……その……。僕は……ただなんて言うか……依存しない自分になりたくて……だから……宇都木さんみたいに……ううん。ここにいる秘書の人見ていて、自分がなんとなく……情けないな……って思っちゃって……だから立派になりたいんです」
「誰彼なしに依存するのはいけないことでしょうが、誰か特別な人に頼るのは良いんですよ。依存と頼るは違います。恵太郎さんはそのまま大きくなれば良いんだと思いますよ。根本的な性格なんて変わらないんですから……。無理に変えようとしても疲れるだけですしね。私は今の恵太郎さんの性格とても好きです。だからあまり難しいことは考えないことだと思います……」
言った宇都木の表情に恵太郎はドキリとしてしまった。
宇都木さんって……
いい人なんだ……
ぽーっとしていると廊下が騒がしくなった。
「宇都木さんが帰ってきてるんですって?」
いきなり扉を開けて入ってきた女性は、やはりスーツを着ていた。ショートカットの髪に、意外に細長い首。小さな口元と、小さな瞳。眉尻がやや下がっているために人の良いお姉さんという感じの女性だった。
「……守屋さんこそ……びっくりさせないでください……」
宇都木は本当に驚いた表情で言っていた。当然、ノックもなしに入ってきた守屋に驚いたのは恵太郎も同じだ。
「え、真下さんに聞かなかった?私、今晩、剣さんと帰ってくるって……」
「伺っていましたが……そういう問題ではなくて……」
「あ、駿さんの息子の恵太郎君ね。今晩は、守屋早苗って言うの。宜しくね」
宇都木の肩越しに顔を出し、守屋は言った。
「あ……こ……今晩は……僕、恵太郎って言います」
「じゃあ……私はこれで……」
そそくさと帰ろうとする宇都木が妙であったが、恵太郎は言った。
「はい。また明日宜しくお願いします」
笑みを返してくれた宇津木ではあったが、足早に恵太郎の部屋を出ていく。そんな宇都木を守屋は追いかけていった。
……
なんか変な二人……
恋人同士なのかな?
そろそろと扉に近づいて、薄く開いた所から外を覗いてみる。だが廊下には二人はいなかった。だが同じように向かいの扉から顔を出していた白川と目があった恵太郎は慌てて顔を引っ込めた。
大人には大人の事情があるのだろう。
宇都木さんだったら誰だって好きになるよね……
口調は優しいけど、結構厳しい人。だけど相手のことをきちんと考えてくれる人。
良いところが何処にもない僕のことも真剣に考えてくれている。
特別な好き……
宇都木さんにはいるんだ……
僕……
僕は?
恵太郎は亀を入れた水槽を眺めながらそんなことを考えていた。