Angel Sugar

「真実の向こう側」 第7章

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「浅木さんじゃないですよ……何言ってるんですか……」
 どうも受けたようで、緊張していた鈴木の表情が緩む。
「はは……いや……冗談だよ……」
 とりあえず冬夜は笑って場を和ませた。
「……浅木さんは誰と待ち合わせですか?」
「僕は友人と待ち合わせだよ。ほら、うちの局でウエイターをやっている井澤って知らないかな?彼とは同級生で、時折一緒に飲みに行くんだ……。その友人がまだ来ないってところかな……」
 笑みを絶やさず冬夜は言った。
「……そうなんですか……」
 折角和んだ表情を鈴木はまた俯かせる。
「何か悩んでる?」
 多分この間揉めていたのをそのまま引きずっているのだろう。それを分かっていて聞く冬夜自身も酷いのかもしれない。だが聞いてやらなければならないと思わせるほど鈴木の表情は落ち込んでいたのだ。
「……え……いえ……」
 小さな声で鈴木否定した。
「……なら良いんだけど……」
 視線を鈴木から外し、冬夜はグラスを置いているコースターを眺めた。するとうっすらと湿り色が変わっていることに気付く。
「浅木さんって優しいんですね……」
「……別に優しくはないけどね……」
 苦笑しながら冬夜は言った。相変わらず目線はコースターに固定されている。鈴木を見ると何故か胸が痛いのだ。それは多分、知っているのに知らない振りをしているからだろう。
「あ……僕は帰ります……。お友達いらしたみたいだし……」
 入り口から隆史が来るのが見えたのか、鈴木はそう言ってきびすを返すと、自分の席に戻った。そして椅子に掛けていたスーツの上着を羽織るとそのまま店の精算口に歩き出した。
 帰るつもりなのだろう。
 そんな鈴木とすれ違うように隆史がやってきた。
「ごめん……遅くなったよ。あ、俺もビール……」
 隆史は案内して貰ったウエイターにそういい、上着を椅子に引っかけると僕の隣りに座った。
「何かあったのかい?」
 チラリと隆史の方を見ると苦笑いをしている。
「ちょっとさあ……妹がね……その……」
「相談事って妹さんのことかい?」
 隆史には可愛らしい妹がいる。はっきりいって隆史と兄妹に思えない位の美女だ。冬夜はチラリと見たことしかなかったのだが、一瞬でも分かる容姿に面食らった事を良く覚えていた。
「え、いや……」
 どことなくまた言いにくそうだ。
「そういえば妹さんって……いま大学行ってたんだよな」
 冬夜は隆史が言いやすいように明るい口調で聞いてみた。
「そうだよ。親の言うことも聞かなくてさあ……俺に廻ってきたんだよ……知らないって……」
 小さくため息をついて隆史はのびをしていた。
「そういう年頃じゃないのか?」
 片手で頬杖をつきながら冬夜は隆史を見ると、やはり苦笑した笑みを返してきた。
「だと思うよ。だけど、おやじがもうチャラチャラしだした妹にぶちぎれちゃってさ……俺も結構チャラチャラしてるし、そんな俺が何を言っても説得力ないって」
「言えてる……」
 冬夜は笑いながらそういった。
「おい~普通フォロー入れないか?」
 肩をつつかれ、冬夜は誤魔化すようにビールを口に運んだ。
「だったね……」
 そこで隆史の頼んだビールが置かれた。それを隆史はグイッと半分まで一気に飲み干して、大きく息を吐く。それがため息なのかどうかは冬夜には分からなかった。
「俺の家庭内事情は良いよ。あいつは何時も問題起こしてるんだし……。それより、冬夜の方が問題だって……」
 つまみのチョコを口にぽいぽい放り込みながらも隆史の視線はこちらを向いている。よほど気になっているようだ。
「……え?あ……青柳くんのことかい?」
「悪いこと言わないからやめとけって」
 珍しく隆史はしつこくそう言った。
「今まで誰と何があってもあんまりそんなこと言わなかったのに、どうしたんだよ……」
 冬夜が気になったのは隆史の言葉だ。いつもならここまで言わない、
「最初から傷つく相手と一緒に暮らすっていうのがな……。俺は別にさあ、性別関係なしに、恋愛するのは良いと思うんだ。誰だって恋愛してる時ってこう、働くことにも張りが出るし、良い恋愛は人間が一回り成長するだろ?でも青柳って奴はどっちかっていうと冬夜が振りまわされて、疲れそうな相手だし……」
 隆史が言葉を選んでいる事に冬夜は気が付いた。疲れそうではなくて、泥沼に足をつっこんだ状態になるといいたいのだろう。
「……うん……分かるよ。言いたいことはさ……」
 グラスの縁を冬夜は指先で撫でて、水滴で手を湿らせる。他にすることがないからかもしれない。
「分かってないって……。分かってたら追い出してるだろう?」
 心配してくれているのは本当に嬉しい。こんな風に言ってくれる友達は隆史しかいない。
だが冬夜自身は何を言われても青柳を追い出そうという気にならないのだ。
「たまには……こう……踏み外してみたいのかも……」
 ははっと笑って冬夜が言うと、隆史は驚いた顔をみせた。
「似合わないよ……」
 どことなく寂しげだ。
「そうかな……」
「冬夜にはもっといい男の方が似合う……と、俺は思う」
 真面目に言う隆史が冬夜には頼もしく思える。
「買いかぶりすぎだよ……」
「俺さあ……俺の先輩なんだけど……やっぱりそっちの人で……ちょろっと冬夜の話をしたら会ってみたいって言ってたんだけど……どうする?」
 それが隆史の本題だったようだ。
「……はあ?」
「俺の大学時代の先輩でさ。元々先輩もそっちの人なんだけど……どう?会ってみるつもりないか?」
「……う~ん……もしかして僕の職業とか言った?」
 自分が知らない相手に、ばらされるのはかなり抵抗があるのだ。それは例え相手が同じ性癖を持っていたとしても冬夜には同じような抵抗があった。
 多分、顔を一般的に知られているという自分の立場を守ろうとしているからだろう。
「いや……そこまで話してないよ」
「そう……ならいいんだけど……」
 ホッと胸を撫で下ろし、冬夜は呟いた。
「……どう思う?会ってみないか?俺が言うのもなんだけど、良い先輩だし、普通の恋愛が出来ると思うんだけど……」
「……考えさせてくれないか……」
 普通の恋愛という言葉を冬夜は信用したことがない。それはもちろん、隆史を信用していないのではなく、恋愛という言葉を信用できないからだ。
 今まで沢山とは言わないが、信じられる言葉を貰った。だが結果はごらんの如く一人身だ。言葉は何の約束にもならなければ、相手を拘束できるものでもない。
 言った本人が破るのだから、恋愛など成立しないのだ。
 夢を見る歳は過ぎたのだと冬夜は現実を見る目を今は持っているつもりだった。
「恋愛するのが恐いんだろう……」
 ズバリと隆史に切り込まれて、冬夜は沈黙するしかなかった。
「なあ……冬夜……。たまには自分を見失うくらいの行動に出てみろよ。別に先輩のことは良いんだけど、なんかこう……冬夜って相手のこと、先のことばっかり考えてる。何も守ることなんかせずに、相手に醜態を晒したっていいじゃないか……。今までの経験で綺麗な恋愛は続かないって学んだはずだと俺は思うけど……」
 綺麗な恋愛をしてきたわけではない。
 大人になっただけだ。
「僕は……それが出来るほどもう若くないから……」
「若いとか若くないとかじゃなくてさあ……もしかすると、冬夜がそんな風にいつでも身を引けるよな体勢を取ってるから相手も敏感にそれを感じて、冬夜なら大丈夫とか思っちゃうんじゃないのか?冬夜は相手のためだって思ってそういう立場にいるんだけど……。ほら……こういうのってあるよな……。なんか……ほっとけないタイプってさ……俺がいなきゃこいつは駄目っていう、弱さを見せてくれる相手は何があっても捨てられないとおも……あ……」
「……」
「悪い……そういうつもりじゃないんだ……」
「気にしてないよ……」
 僕は強いと思われているんだろうか?
 好きな相手に置いて行かれて僕は悲しまなかった……
 好きな相手が結婚しても僕は辛くなかった……
 違う……
 僕は何時だって……
 ギュッとグラスを握りしめながらも冬夜は顔には出さないようにした。
「ああもう……じゃなくて、冬夜は自分が弱いのを押し殺すタイプだから、それを見せてやれって言いたいんだよ……」
 ばつの悪そうな顔で隆史は言う。その言葉に少しだけ冬夜はホッとした。
「……今度恋愛するときは努力するよ……ありがとう……」
 これ以上の言葉をどう言えるだろう。
 隆史は必死に冬夜の性癖を理解しようとしてくれている。いや……理解者だと思ってくれているのだ。だが隆史はノーマルで、実際は男同士の本当の悩みなど分からない。
 とはいえ冬夜は不満に思っているわけではない。逆に感謝していた。隆史は冬夜を親友だと、いつも思ってくれているからだ。
 それは冬夜の性癖がばれてからも続いていた。
 少しズレている考えを責めることなど出来ないだろう。
「友情と恋愛を天秤に掛けることがあったとして、その時、恋愛を取っても俺は良いと思う。それだけ相手を失いたく無いって思ったらだけどね……」
 隆史は真摯な瞳でそう言った。それはとても珍しい。
「本気で思うのか?」
 その言葉が冬夜には信じられなかった。
「もちろん、一生こいつにつきまとってやるって思うほどの相手に巡り会ったらだよ。そいつがこう冬夜に言ったらどうする?俺と旅行に行くか、友達と温泉に行くかどっちだ……って迫ったらさ。そりゃ、冬夜だって好きな相手と旅行に行くだろう?重要な問題だぞ……」
 ……
 なんだか……
 それってレベルが……
「……なあ隆史……笑って良いか?」
 笑いを堪えながら冬夜が言うと、隆史はやはり笑いながら頷いた。



 日付が変わる前に冬夜は隆史と別れ、互いに家路に向かった。
 冬夜はタクシーに乗り、マンションより少し手前で降りるとそこからは徒歩で帰ることにした。少し酔った自分を冷ますというのもあったが、実は外から部屋の明かりが付いているのを見たかったというのが目的だ。
 いつもは真っ暗な冬夜の部屋に電気が灯っているはず。
 ちょっとした事なのだが、冬夜はそれが見たかった。
 辺りには誰も居ない。もちろん静まりかえった周囲はもうすぐ日付が変わるからだ。空気も冷たく、昼間の排気ガスの匂いも不思議としない。夜になると意外に新鮮な空気にこの辺りも包まれるのだと冬夜自身、驚いたほどだ。
 そんな中をゆらゆらと冬夜は歩く。千鳥足というほどでもない。
 アルコールで火照った顔が、冷たい空気に晒され冷えていくのが感じられた。
 ついてる……
 目線に入った冬夜の部屋には電気が灯されていた。
 予想していたにも関わらず、実際目にすると一種感動ものだった。今までは上を見上げることなどしなかった。何処の部屋にも明かりが灯されている中、冬夜の部屋だけがいつも真っ暗だったからだ。
 一人なんだと再確認するような景色を毎日見たいと思う人間はいない。だから冬夜はいつの間にか自分の部屋が見えないように俯いて歩くようになっていた。
 青柳がいる間、毎日この光景を見ることができるのだろうか……
 まるで子供のように気持ちが高揚しているのが冬夜も分かる。それをアルコールのせいにして冬夜はマンションのエレベーターに乗ると灯りのついた部屋に向かって歩き出した。
 ようやくうちの前に着くと鍵が空いているかどうか分からなかったが、冬夜は扉のノブを持って廻してみた。
 するとするりとノブは左に回る。
 鍵……
 閉めてない……
 いや……
 良いんだけど……
 あ、でも不味いよな……
 冬夜は嬉しい気持ちを押し殺し、これは青柳くんに注意しなくては……と、考えた。最近は物騒だ。何かあると困るという方が正しい。
 本当は嬉しいのに。
「…………」
 あれ……
 人の声がする……
 冬夜が靴を脱いでいると、リビングからボソボソと声がきこえた。
 誰か来てるのか?
 下を向き、青柳のブーツしか置かれていないのを確認すると、冬夜はそれが携帯か電話かのどちらかだと判断した。
 こんな遅くに……?
 時計の針は既に12時を過ぎている。
 そろそろとリビングに向かうと声がハッキリと聞こえた。
「私の方は大丈夫ですよ……」
 丁寧な口調の青柳が、今は営業用で話している事が分かる。
 立ち聞きは悪いと思ったが、だからといってこの状態で入るわけにもいかない。
「この間のことなら上手くやりますから……ね?心配しないで下さい」
 誰と話しているんだろう……。
 はあ……
 彼のことだから色々あるんだろうな……
 立っているのも辛くなった冬夜は壁にもたれたままその場に座り込んだ。
「責任……て……」
 女かな?
 男かな?
 分からないなあ……
「遊びをわきまえていますよ……」
 遊び?
 誰のことだろう……僕か?
 そうだったな……
 隆史が言ってた……
 大切な人がいるんだった。
 廊下の木目を見ながら冬夜は溜息をついた。
 ショックは感じない……
 知っていて冬夜は青柳の存在を受け入れているのだ。
 でも……酔いが覚めちゃったよ……
 膝に頬を乗せ、目を閉じながら青柳の電話が終わるのを冬夜は待った。もう何を話しているのか聞こえない。ただ言葉をなしていないボソボソと小さな声だけが聞こえる。
 大切な相手を特別にした後、青柳にとってその他大勢はどうでもいいのだ。
 そう……
 そんな男なんだよ……
 見て分かるだろう?
 こんな男に本気になったら泣くことになるんだって……
 だから最初からそう割りきってつき合うしかない。
 鈴木にもそうだった。冷たい男は遊びで誰かと寝ることを躊躇しないのだ。そのくせ大切な人は特別扱いにしているのだから始末が悪い。
 誰なんだろうな……
 その人のために青柳くんは日本に戻ってきたんだったよな……
 誠実なのか不誠実なのか分からない男だよ……
「そんなところでなにやってんだ……あんた……」
 いきなり驚いたような声が頭上から聞こえた。
「……酔って気持ち悪い……」
 はああ……と息を吐き、冬夜は言った。
「で、何時帰ってきたんだ?気が付かなかったぜ……」
「覚えてない……」
「……俺が電話していたの聞いてたんだ?」
 身体を屈めてこちらを覗き込んでくる青柳はニヤニヤしていた。普通なら驚くか、人の話を聞くなとか色々あるだろう。だが青柳は楽しげだ。
 冬夜があわてふためいたり、問いつめたりするのを待っているような顔をしている。分かっていて聞かせたのかもしれないと冬夜は今更ながらに気が付いた。
 でも僕は大人だよ……
 君のそんな企みに乗るほど馬鹿じゃない……
「電話……?そうなのか?僕はようやくここまでたどり着いてもう動けなくなってた。だから気付かなかったな……」
 説明がましいかと思ったが、青柳はそれを聞くと呆れたような声で言った。
「そこまで飲むか?」
「色々あるんだよ……色々さあ……」
 よろよろと立ち上がろうとすると青柳に押しとどめられた。
「何だったかなあ……お友達の名前……」
「ああ……隆史のことかい?」
 中腰のまま、冬夜は青柳を見上げた。
「そいつと寝てるんだ?」
「隆史はストレートだよ……何言ってるんだよ……はは……なんだか笑える……」
 まだ残る酔いが、面白くない話題に笑いをもたらす。とにかく今、冬夜は無性に笑いたかった。
「いい大人が酔ってんじゃねえよ……」
 呆れたような口調は何処か馬鹿にしているように聞こえた。
「僕がどう生活しようと勝手だろう。ここは僕のうちで、ここじゃあ廊下で寝たって構わないんだからな……」
「寝たって……ねえ……」
 ダンッと両手を壁につけてこちらを見下ろしている青柳が何を考えているのか冬夜には分かった。
「ここは嫌だな……背中が痛そうだ……」
「あんた、何処でだって寝るんだろう?このうちなら……さ?」
 青柳は廊下に座り込んでいる冬夜に合わせるよう、身体を屈めて顔を近づけてきた。それを避けるように冬夜は俯いた。
「よせよ……そんな気分じゃないよ……」
 何となく高揚していた気分は今では最悪に近いほど落ち込んでいる。
「こないだは玄関でやっただろ?別に廊下でもおんなじじゃん」
「それで懲りたんだよ……」
 それは本当のことあり、まだ背中が痛い。全く何を考えてあんな所で抱き合ってしまったのか冬夜自身にも思い出せなかった。
「あんたの都合なんかどうでもいいよ」
 そう言って青柳はこちらを射抜くようにみつめてきた。
「いい加減にしてくれ……本当に痛いんだ……」
 冬夜はそう言ったが青柳はこちらの言うことなど全く聞かずに無理矢理唇を重ねてきた。思わず冬夜は口元を引き絞って抵抗する仕草を見せた。
「……強情張るなよ……あんたがどんなに快感に弱いか俺は知ってる……嫌だと言おうと最後に欲しがるのはあんたの方だろ」
 確かにそうなのだろうが、そんな風に仕向けたのは今目の前にいる青柳だ。彼の手慣れた手は冬夜の身体をまるで昔から知っているように感じる場所を的確に押さえてくる。それに冬夜の身の内にある欲望が逆らえないだけなのだ。
「……よせよ……」
 何故か苦笑しながら言った。だがそんな冬夜の表情を合意と青柳は受け取ったようだ。
「素直にならねえやつ……」
「悪いね……」
 ここまで来ると冬夜は逆らうというポーズをとるのも馬鹿馬鹿しくなった。
「ま……いいけどさ……」
 いきなり床に押し倒された冬夜は一瞬息が止まりそうになった。こういうところに青柳は優しさが無い。組み敷いている冬夜が痛がろうが、自分の欲求を満たすまで捕まえた獲物は離さないのだ。
 青柳は冬夜の上に乗りあがると、首元を愛撫し、手は既にこちらのシャツを捲り上げている。
すると昨日散々愛された箇所が疼くのが感じられた。
 快感に弱いのかな……
 そんなことを考えていると冬夜を組み敷いている青柳が顔を上げた。
「何……考えてる?」
「別に……」
 こちらの態度が気になるのだろうか?もちろん無理矢理犯した相手がこんなに従順だと逆に不審を抱く可能性もあるだろう。
 だが逆らったとしても同じ道を辿るのだ。だから身を任せる方が楽だった。
 ただそれだけだ。
「……ふん」
 何も答えないことが分かると青柳は更に事を進めてきた。
 僕は何を気にしているんだろう……
 分かっているはずなのに……
 言い聞かせている筈なのに……
 青柳に己の身体を好きにさせながら冬夜はそんなことを考えていた。
 そんな冬夜に焦れたのか、いきなり青柳は叫んだ。
「うぜえよ……あんた……」
 何を怒っているのか冬夜には全く分からなかった。
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