Angel Sugar

「唯我独尊な男4」 第17章

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「ジャック……やめろ……って……あっ……!」
 素っ裸にされた恭夜は、相変わらずジャックに抱えられたままで、背を冷蔵庫に押しつけられていた。背に回された手は既に恭夜の蕾をまさぐり、弄り始めている。
「……くっ……」
 首筋をきつく吸い上げられながらも、ジャックの手の動きは止まらない。貪るような激しさに、恭夜は呻くことしかできなかった。
「……っ……あっ……」
 濡れもしない部分に指先を捻り込まれて、恭夜は身体がしなった。高まる快感は恭夜の身体を駆け抜けて、自分が今どこにいるのかも分からなくする。ただ、ジャックに触れられていることが堪らなく心地よく、己が回した手にも力が入った。
「……あっ……ジャック……っ」
 時折触れるジャックの雄は、ズボンの布地を通してでも分かるほど、熱く、そして尖っていた。今すぐにでも挿れられたいような、それでいて、怖さも感じる。
「……んっ……!」
 ヒヤリとしたものを尻から感じ、ジャックが滅多に使わないローションを塗られていることを恭夜は知った。
「……ジャック……っ!」
 ビクビクと身体を痙攣させながら、恭夜は落ちないよう、ジャックの背広を掴む手に力を込めた。熱い高ぶりが擦れるたびに、恭夜の疼く間隔が狭まってくる。喘ぎ声にも熱が籠もり、ジャックに密着した己の雄が、擦れるだけで硬くなっていく。
「挿れて欲しくて堪らない顔をしているな……」
 ジャックは恭夜の表情の変化を見つめ、満足そうに笑った。恭夜以外には嘲笑しか浮かべない顔は、恭夜には優しく微笑みを投げかける。こういうジャックを見ると、恭夜は身体の芯から疼くのだ。
「……あ、ジャック……っ」
 羞恥心を隠すように恭夜は揺れ始めた己の腰の動きを抑えた。すると、ジャックの指先が二本、奥まで抉り、恭夜は感電したような刺激に身を震わせた。
「……く……う……っ」
 己の双丘がプルプルと震え波打っているのが分かる。その振動がジャックに伝わっていないわけはなく、恭夜の反応にジャックは嬉しそうに目を細めた。
「……あっ……あ……」
 身体の力が抜けて、ズルリと下に落ちてしまいそうな恭夜の身体を、ジャックは両膝でしっかりと支えていた。恭夜からすれば、ジャックの肩越しに見えるベッドに移動したいのだが、抱えている男にはそのつもりがないようだ。
「ハニーの息が熱いな……」
 ジャックは恭夜の頬に顔を擦りつけ、唇を軽く舐める。恥ずかしい仕草に、唇を閉じてしまいたかったが、震える口元は目的を果たせずに、薄く開いたまま、息と嬌声を吐き出すことしかできなかった。
「……あ……はあっ……は……っ……あ……」
 濡れた指先が粘着質な音を立てて注挿を繰り返すと、恭夜の内部はジクジクとした疼きで満たされ、もっと強い刺激が欲しいと恭夜を追い立てる。
 指先では足りない。
 下腹部に当たる、硬いジャックの雄を味わいたい。
 快感に酔いつつも、恭夜の意識はジャックの立派な雄に集中していた。
「ジャ……ク……も……」
「どうして欲しい?」
 欲望で薄水色の瞳を飢えさせて、それでもジャックは冷静に問いかけてくる。
「俺……っ……あっ……」
「なんだ、ここも凄いことになってるぞ」
 ジャックは恭夜の蕾を弄るのをやめ、腹の辺りで鎌首を振っている雄を掴んだ。触れられて初めて気づいたが、恭夜の雄は先端から既に蜜を零れさせていた。
「……よ……せ……触るな……っ……あ……」
 ジャックが触れているはずなのに、粘ついた肉感が伝わり、甘美な刺激に恭夜は悶えるように身体を捻らせる。
「舐めて、舌で弄ってやりたいが、この体勢では無理だな……」
 ゾクッとする言葉を掛けられて恭夜は己の雄がジャックによって舐められている姿を想像してしまった。一つ一つの言葉に敏感に反応している意識は、理性が麻痺しているにもかかわらず、想像力だけは健在なのだろう。
「……やめろ……よ……っあ……」
「後で舐めてやる。吸い付いて、歯で先端を弄ってやろう。それとも、口でイカされたいか?私はどちらでも構わないが、どうしたい?」
 手の中で恭夜の雄を弄びながら、ジャックは言う。
「も……よせ……俺は……っ……」
 ジリジリと追いつめられていく欲望が、解放されたがっている。だが、手ではなく、ジャックの雄で突き上げられたいのだ。
「なんだ?」
 分かっているはずなのにジャックは知らぬフリを決め込んでいる。
「あんたっ……分かってるんだろっ!」
 堪らず恭夜が叫ぶと、ジャックは額に軽くキスを落としてきた。
「ああ、分かってる」
 ニンマリと笑って、ジャックは己のファスナーを下げた。小さな金属音が響くと、恭夜の期待が高まっていく。
「……ジャックっ……あああーーーっ!」
 ようやく欲しかったモノを与えられたのに、いつもより深く突き刺さっているジャックの雄に恭夜は喉が詰まるところだった。
「あっ……あ……あああっ……う、動くなよ……ひいっ!」
 深みにはまっている雄の存在を腹の奥底で感じながら、恭夜は訴えるように言ったのだが、ジャックは何度も腰を突き上げてきた。いつだって緩やかに始まるセックスなどあった試しはないが、それでも今日は違う。
 ローションの滑りを助けに一気に奥まで入り込んでいる雄は、触れて欲しくない場所に当たっていて、堪らない刺激を恭夜に送り続けている。
 快感に狂うなと言われても狂ってしまいそうだ。 
「よ……よせっ……あ……や……めろっ……まだっ……!」
 何度も激しく突き上げられて、その分、下への重力が身体にかかり、己の体重でジャックの雄を奥に誘ってしまうのだ。こういう体勢はあまりにも恭夜には辛い。
「ひっ……あ……や……」
「キョウ……凄いぞ。お前の中の締め付けは絶品だな……」
 そんなところを、褒められて嬉しいのか悲しいのか分からないことをジャックは口にする。素面で聞けば、恭夜は穴に潜り込んでいるだろう。 
「よせっ……そんな……ひっ……!」
 追い立てるように突き上げてくるジャックに恭夜は息も絶え絶えだ。目の前に星が散って、頭の中が快感でかき回されている。
「久しぶりだからね……キョウ……」
「あ……ああ……も、よせ……っ!」
 ジャックの雄がビクビクと脈打って、恭夜の内部から震動を伝えてくるのだから堪らない。何度、穿たれても、ジャックの与えてくれる快感に慣れることがなかった。抉られ、突き上げられるたびに恭夜は新たな快感に酔い浸る。
「たっぷり可愛がってやろう……」
 嬉しさを態度で表すように、ジャックは腰を何度も突き上げてくる。ジャックの腕の中で恭夜は快感に翻弄され、身悶えるしかない。
「ジャック……っあ……!」
 両脚を掴まれ更に広げられた恭夜は、歯を食いしばった。内蔵を抉られるような鈍痛と、快感が混じっているのだ。耐えようとしても耐えられない刺激に、嬌声が漏れる。
「は……ああっ……あっ……!」
 身体が自然と左右に揺れ、恭夜はジャックにしがみついていた。繋がっているのも辛いが、今、離されたらもっと辛い。
「ジャックっ……あ……」
 抜き差しを繰り返されて恭夜はジャックの膝の上で果てた。グッタリしている恭夜を膝に抱えたままジャックは今度ベッドに運んだ。
「……も、いい……」
 グイッとジャックの肩を押しのけようとしたが、のし掛かっている男は笑いもせずに告げた。
「散々人を振り回しておいて、簡単に許すと思っているのか?」
「は?」
 ちょっとまて。
 俺がいつ、振り回したんだ~!
 と、大声で叫びたかったが、喉が嗄れている恭夜にははっきりと声が出なかった。
「キョウのおかげで、私は仕事に集中できなかった。この責任はハニーの身体で返してもらわないとな……」
 クッと笑ったジャックに、恭夜は笑うこともできなかった。
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