Angel Sugar

「障害回避」 後日談 第2章

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「未来……」
 額にキスを落とされ、如月の唇は頬を滑る。ようやく如月がその気になったことに、宇都木の笑みも深くなった。
「邦彦さん……もっと触れて……」
「本当に大丈夫なのか?」
 如月は宇都木の雄を掴んだままの状態で、生真面目な顔で問いかけてくる。せっかく高揚している気分が一気に冷めてしまいそうな一言に、宇都木は如月のシャツのボタンを外した。
「おい、未来……」
 宇都木の手でシャツをはだけられた如月は少しばかり慌てているものの、まんざらではない様子だ。
「直に肌の温もりを感じたい……」
 露わになった厚い胸板に頬を擦りつけ、ねだるように見上げる。如月は掴んでいた雄から手を離して宇都木の上着を脱がせ、艶やかな肌を露わにさせた。せっかく心地よい刺激を感じていた雄から手を離され、宇都木はやや不満に感じたが、こうやって互いが裸になり、肌を合わせるのも、好きだ。
「ここでいいのか?寝室に行くか?」
「いいえ、ここで……」
 身体の奥で燻る疼きは、すでに限界を迎えていて、今はもう移動する時間すら惜しい。
「余裕がないんだな」
「滅茶苦茶にされたくて……堪らない……」
 自らスラックスと下着を脱いで、宇都木は素っ裸になると、もう一度如月に身体を密着させた。
「滅茶苦茶にはしてやれないが、未来が満足できるようにゆっくり愛してやるよ」
 宇都木の身体を抱えてソファに横たえると、如月は下部で熱を発して屹立している雄の切っ先に軽いキスを数度落とし、口に含んだ。久しぶりに感じるネットリとした舌の感触に、宇都木は身体を震わせつつも、両脚を思いきり開いた。
「あ……ああ……」
 ぐちゅぐちゅと音を立てながら吸い付かれ、宇都木は艶やかに胸を反らせた。
 如月の口内にすっぽり収められた自分の雄。根元までくわえ込まれて、程よい圧迫感と摩擦から起きる心地よさに、宇都木は酔いながらも、余裕のないそこは、すでにいっぱいに張りつめていて、弾けそうだ。けれど、じっくりと味わいたい宇都木は、噛み合わせている歯や、震える下部に力を込めて、堪える。
「……っん……ん……」
「未来……イっていいんだぞ」
 雄から口を離し、如月は笑いを堪えたような声でそう言った。
「い……いや……です」
「何度だってイかせてやるよ。我慢をする必要はないだろう?」
 雄の先端にあるくぼみを唇で摘まれる。敏感な部分を唇で挟まれて、宇都木は顔を真っ赤にさせた。
「……まだ……私……っあ!」
 双球を押しつぶされた刺激に、あえなく蜜が迸り、如月の唇を濡らす。如月は濡れた唇を手や舌で拭って、微笑した。
「あっ……す……すみません、私……っん」
 身体を起こそうとした宇都木の身体に如月は覆い被さると、唇を重ねて綴られていた言葉を奪った。柔らかい舌の絡まりに、宇都木は目を閉じて味わっていると、如月の手は蜜で濡れた太ももを撫で上げ、力を失った雄を腹に擦りつけては、鎮まった快感を煽る。
「ん……っ……う……」
 腹に撫でつけられるように雄を擦り上げられ、宇都木はまた昂ぶってくる身体を、如月にすり寄せて、舌の感触に浸った。
 このまま心地良い刺激の中でいつまでも漂っていたい。
 如月の口内は温かく、宇都木からも舌に吸い付き、甘い味覚を堪能する。こうして触れ、味わえる喜びに、欲望は掻き立てられていく。
「ふっ……ん……」
 如月にしがみつきながら、しなやかに伸びる両脚を絡めた。離れないよう、触れ合っていられるよう、両脚には力が入る。
「っ……」
 充分口内を堪能した如月の唇は、首筋に向かい、耳朶を甘噛みして、鎖骨へと滑り落ちてくる。柔らかな唇の愛撫に腰まで揺れそうだ。
「未来……知らないぞ……復帰が遅れても……」
 鳩尾の当たりを吸い付きながら、如月はそう言った。
「遅れたりしません……だって……私……っあ……ん」
 後腔の狭い粘膜を押し広げるように指を動かされ、宇都木は自然と身体を捩った。如月の指先の動きは止まらず、宇都木の餓えていた欲望を満たしていくが、本当に欲しい刺激にはまだほど遠い。
「あっ……ああ……もっと……奥を弄って……っあ」
「こうしているときの未来はとても淫らで可愛いな」
 クスクス笑いながら如月は内部に押し入れた指先を動かし、敏感な部分を擦る。断続的に走る快感に宇都木は夢心地になりつつも、如月にしっかりとしがみついていた。
「邦彦……さんっ……ああっ……」
「気持ちいいか?」
「あ……いい……すごく……いい……」
 自らの腰を如月に押しつけて、宇都木は声を上げた。
「ここがお前の気持ちいいところだろう?」
 指先を曲げて腹側の部分をきつく擦られる。きつく擦られると同時に身体がビクビクと震え、抽挿を似せた指の動きに愉悦が伝わってきた。
「あっ……そ、そうです……でも……指だけじゃ……足りない……」
 顔を朱に染めて、宇都木は訴えた。
 深い陶酔に浸るためには、もっと強い快感が必要なのだ。それを想像するだけで、宇都木の身体は身悶え、震える。
「だろうな」
「早く……ください……」
「もちろん……あげるよ、未来」
 宇都木の両脚を抱えた如月が、気遣うようにゆっくりと押し入ってきた。ヒクつく内部は痙攣しているような収縮を繰り返し、如月の雄を誘いこみ、その刺激に歓喜する。
「ああ……あ……っん!」
 狭い粘膜を押し広げて内部に収まった如月の雄は、重量感があり、まるで生き物が息づいているような脈動を伝えてきて、内部を熱くさせた。
「あ……動いて……」
 内部からグイグイと押し広げてくる圧迫感に、宇都木は焦がれるような声でそう言った。強い刺激を得るには、如月が動いてくれなければならないのだ。
「早く……」
「加減ができないかもしれない……」
 如月は額にうっすらと汗を浮かばせて、真面目な顔でそう言った。見つめる青い瞳には苦悩にも似た飢えが横たわっていた。隠すことなくさらけ出された如月の欲望に宇都木も煽られる。
「いい……なんでもいい……」
 宇都木は如月を強くかき抱いた。
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