021001

もつれ雨
そぞろ風
さけび雲

ご両親方の気持ち、すこし分かる。
深呼吸しよう。深呼吸しましょう。


 

021002

すごい青…
あぁ、台風が逝ったんだ。

案外丈夫だったんだ
easy come
いい時間


 

021009

やっぱりお前に決めたぜベイブ
も一度会いたかったぜその黒艶
も一度馴染ませるぜオレの肌に
惚れたらすぐに決めろよベイブ
振り返らずに選び続けるのさ
何度でも初期化できるのさ


 

021010

「いまはあんなふうに、みんな自分のことをさらけなくなったんよ。
 ええとこだけ見せて。 気どって生きるようになったんやわ」
「あんたも、こういうふうに考えられんか?
 自分のことばっかりじゃなく。苦労した方が強なんねんで、人間」
「たしかに女は強くなったかもしれんけど、なんか変やで。まわり見てると。
 何のために共働きかゆうたら、ブランド品買うて、外食ばっかりして」


 

021012

やさしくしてあげて。
元気が戻るまで、我慢して待つのよ。
ほら、庭の草花を見て。

すこし限度以上に刺激を与えた方が、
強くなるというものだよ。

些細なことでも、いちいち迷うのね。


 

021013

幸運ってもんはね、
待ってても来やしねぇよ。
人事を尽くして天命を待つ、
おい、青年。ちゃんと尽くしてるか?

しかし毎度ざまぁねぇな。
花ノ下ってヤツは高くつくよ。


 

021014

すこし迷ったけれど、新しい靴で歩き出した。
白い壁がほんのり温みを帯びてる。樹木の葉が好き好きに反射する。
空き地の角を曲がり、田んぼ沿いの道へ降りる。鳥たちの大騒ぎが頭上を覆う。
新しい風が胸に満ち、青空に染まる。足も喜んで指をいっぱいに広げる。
畦道の脇に、2羽のカラスと鷺がウロウロ。ケンカしてるようには見えない。


 

021015

坂道から見える風景。
たわわに実った、柿だと思ったら渋柿。小ぶり。
刈り取られた稲の茎に生える、緑の新芽。新芽?
籾殻の小山から細長い煙。おなかの空く匂い。
強い風によたりながら舞っているカラス。目があう。
暮れなずむ色、パレットにはない色。生駒山のむこう。


 

021016

大事なことに気づいたんだ
人生を変えるような発見さ
でもまだ鼻が詰まってて
昼寝のあと忘れてしまった
どうせなら全部忘れたい


 

021017

彼女は5日前に死んだ
拾い集めた不埒な写真
名前も歳も嘘だったと
それに何の意味がある
生き人の何を知ってる
面影とはいったい何だ


 

021018

ヤツは噛み殺すように呟くんだ
髪ばかり伸びて
爪ばかり伸びて
止まってるものはないんだぜ
今ってやつも存在しないんだぜ


 

021019

雨… 黒街… 光沢…
後ろ髪引かれ… 首折れ…
行き倒れ… 行き掛かり…

言葉でなくていい 響きを聴けばいい
何のこと この音 妹


 

021020

相手に構わず喋り続けるでしょ、
そうやって視線を遮ってるのよ。
本当は小心なんだって。ちがう?

だからぼくは今こうして窓の外を眺めてるんだ。
何も考えてない。黙ってるんじゃなくて、無なんだ。


 

021021

つきつめれば、お金というのはその人に対する感謝や励ましの気持ちだ。
「あなたがいてくれて良かった」「あなたにそこに居て欲しい」という告白。
お金のなかった昔から、その想いが人と人とをつないできた。
お金が現れる前から、生きてゆくために必要なものだった。

試してはいけない
/ 足りないと思うなら / 与えてごらんなさい


 

021022

携帯電話でない、今までの電話の利点。
市外局番からおおよその所在が分かり、それだけでもなんとなく相手を想像できること。
「いま大丈夫ですか?」と確認しなくても、無理なく電話に出られる状態だと分かること。
メモリ機能により、かえって狭いつながりの中だけでしか話さなくなる恐れが少ないこと…

名古屋の伊藤さん、八尾の平岡さん、奈良の神元さん、どうもありがとうございました!


 

021023

信号待ちで、いつも横の窓から景色を見るの
枠の中は自分では選べないものばかりよ
でも、走っているときの風景は憶えてないのよね

夢を見るのは能力じゃないけれど
夢を見させるのはすばらしい力ね


 

021024

四季がなければ時間に追われることもないかもしれない。
でも四季がなければ何をする気も起きないかもしれない。

ニンゲンは四季によって動かされるの
だとしたらつまり地球に動かされるの
だとしたらつまり太陽に動かされるの
だとしたらつまり宇宙に


 

021025

造成地がいつのまにかセイタカアワダチソウに覆われてる。
どこまでも、黄色。花が咲くまで気づかなかった。
菜の花よりすこし翳りのある黄色。西陽がよくあう。
溜池の脇、薄暗いトンネルの向こうに、コスモス畑も。
自分の長い影が邪魔になるので、身体をくねらせてみたり。


 

021027

風ノ擦ル音
人影ハ無シ
昔見タノト違ウ
同ジ街角ノ風景
イツ変ワッタノカ
ドコヘ行ッタノカ


 

021028

ふいに閃いた!
そうか、並列という手があったか。
発光ダイオードなら抵抗が少ないか。
学んだこと全部絞り出そう。
脳みそにハンだゴテ当ててトロトロにしよう。


 

021029

息の止まるような夕景、
すべてを忘れるような星空、
窓の外、大気の向こう。

ささやかな見栄を許して。
どうか幸せに。


 

021030

身体のどこかで老化が始まってたりとかさ、
うれしいときでも飛び上がったりしなくなったとかさ、
声に出して歌ったり笑ったりしてないなとかさ、
いちいち自覚しなければそれはそれで幸せなのかもしれないけれど、
気がつくからって必ずしも不幸せじゃないって感じもあるんだよね。

でもこの次は、アメリカ人みたいに大袈裟に喜んでみようかな。


 

021031

あの角を曲がれば運命
進めと頷く菩薩がいる
罠だと囁く佛がいる
蛇の道は蛇か
霧が晴れる朝を待って歩け


 

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