041201

平凡な日常が退屈だとは思わないのだけれど、平凡な日常を見せられるのはなんだか退屈だなぁ。
そこにいて自分で感じることと、一歩手前から見ていることとの温度差でしょうか。
この階段の木洩れ日も、
昼間のガランとした電車も、
バス停から家までの僅かな道も、好きなんだけどな。

041203

あの峠を越えればぼくらの国だよ
遠くに青い丘陵が霞む
銀色に光る川が見える
それは二千年前と同じ
それは二千年前と同じ

041206

どうやらジェリったらしい。
　
　
　

041207

まてよ、迷いはじめてる。
必要なのは目的だ。
その次の次を読んで、果敢に行動しなければならない。
考えすぎてもいけない。
失敗などはない。

041208

あの人、送った手紙のことしっかり憶えてたんだな。
笑顔が形式以上でない人も、それはそれで仕方ないよな。
いいことばっかりもっと残ーれ、残ーれ
ふふふ、お構いなしに開きっぱなしのときだってあるんですよ。
あの奥さん素敵だったな。獣を飼ってるんですよ。

041210

どんどん日が暮れて、黒いタイヤの縁が見えなくなってくる。手探りでリムとの間にタイヤレバーを差し込んで、体重をかけてめくり上げる。何度も繰り返して、たちまち服の下が汗まみれ。何のためにやっているのだ。前を通る人はどんな目で見ているのだ。どんな目で見ているのだ…
　

041213

磨りガラスの窓口では、目に涙をためた女が足早に出入りしている。目の前では太った主婦が強気にまくし立て、それを頭にべっとり油を塗った柔道家のような男性行員が身じろぎもせず見つめている。狭い部屋をしきりに小走りする案内係りも、むやみに太っている。男はカツゼツが悪く、女の肌は荒れている。もう１時間も待っている。他に見るものはないか。

041214

忘れていたこと、思い出す装置だ。

空気が澄んでる、気が済んでゆく。

どの道混んでる？どのみち野に出る。

041216

曇り空。
ちっちゃいときによ、自転車で通った記憶の場所はまだ見つかんないよ。
今じゃ丘の上まで家、家、家、　怒る人や、慌てる人もたくさんいてよ、
オレの住む場所もまた変わるんだぜ。いろんな出来事があって。
いろんな出来事だけが。これからもたくさん。

041221

枠の中から飛び出せよ。
こっちは無重力だぜ。
　
　
　

041222

無数の言葉が飛び交っています。無音で。
　
　
　
　

041224

言わなかったこと
言えなかったこと
言えば楽になったのか
でも嘘はつかなかった
嘘はなかった

041225

ハラは決めた。
正面切って行くさ。

狭い角度に決めた。
正直に信じて行くさ。

041227

彼はスウェーデンからやって来た。
父も母も毛布にくるまって寝ていた。
オーブンレンジは回転しなかった。
薬屋は看板だけ残して閉まっていた。
おばあちゃんは電気で動いた。

041228

とんでもなく汚いベーカリー・レストランに引きも切らず客が来る。
手つきのしなやかな男性店員によると、利き手の方が一回り大きいらしい。
探していた色で、しかも新品同様で、しかもお年玉まで付くかもしれない！
電話くらい貸してくれればいいのに、と思っていたら電話を貸してくれた。
うどんには柚子が合う、と言われもしたし納得もした。

041229

男達は狩りに出る。獲った肉で村は一週間生きられる。残りの日々を男達は遊んで暮らす。遊びは遊びである。酒を飲み、歌い、踊る。リズムを刻む。ビートを奏でる。
　
　
　

041230

セイウチの牙が船腹に刺さりそうだ
岬の先端は敵国に喰い込んでいる
もう酒を手放せなくなった
その先には何がある
その先には何がある