040401

「ドーヴァーは小さな町。何もないし、おばちゃんばっかり。それに危ない。
　-10℃だから寒い。でもあまり雪降らない。冬はお酒飲んで過ごす。
　みんな通り過ぎるだけ。そう、TGVも通ったし。
　飛行機だとロンドンからパリまでたった1/2ポンド。ほんと！
　携帯電話は高い。だからあまり持ってない。でも４年帰ってないから今は分からない」

040402

花を見上げると
風の音がきこえる
鳥の声がきこえる
車の音が遠ざかる
遅刻とか忘れてる

040403

言いたいこと言えてますか
言いたいことありますか

桜の木の下で
桜の木の下で

040405

ひよどりのはなちらし
しらさぎのそぞろあるき
せきれいのおっぽゆすり
むくどりのこひらめき
はしぶとがらすのめいそう

040406

髪切ってください
噛み切ってください
紙切手ください
蚊、見切ってください
無理あるよ、そりゃ。

040408

根がつくまでに、およそ10日ほどかかるようです。
それまでは土を乾かさないように毎日灌水に気を配るのですが、
元気なのか、不満なのか、息してるのか、してないのか、見た目ではなかなか分からない。
でも、ある朝急に、全身の小さな葉先にまで力を込めてピンと伸ばし始めます。
あとはもう、日々変化です。朝閉じていた蕾が夕方開いていることもあります。

040409

「そのときはオーラが出てるって言われたんですけど」
「あ、同窓会の前にコーヒー飲みに来てくれた人だ」
「４回生になった記念、ですね」
「うわ、先輩だ。それ以上は突っ込まないでおきましょう」
「すごい！ピタリ賞ですよ」

040411

気に入ったＴシャツが数枚あればいい。
お馴染みのブーツカットが２〜３本あればいい。
丈夫で軽やかなスニーカーがあればいい。
上等で飽きのこない眼鏡があればいい。
いつでも着られる上っ張りがあれば…

040412

オレ　歩く　　枝　折れる
オレ　歩く　　草むら　動く
オレ　歩く　　鹿　飛び出す
オレ　歩く　　啼き声　響く
オレ　歩く　　日　暮れる

040414

何キロメートル飛び上がればっ！
何デシベル奇声を上げればっ！

このヨロコビたりらりら〜
このコーフンぱりらりら〜

040415

いらっしゃいませこんにちわー、おひとりさまですか？でしたらカウンター席どうぞー、ご注文の方よろしかったでしょうかー、ただいまキャンぺーンにつきこちらの商品がお安くなっておりますのでよろしけれ、はい並ですねー、かしこまりました、はいお待たせ致しましたー、ごゆっくりどうぞー、あ西村さん扉！扉！あ、よろしければこちらのお席どうぞー、あ少々お待ち下さいー、はい並盛りおひとつで250円になります、ありがとうございましたー、どうもありがとうございました、よろしければまたどうぞー、はいおひとりさまいらっしゃいませこんにちわー

040416

笑顔で話しかける　目を見たり　外したり
足くずしたり　コーヒーを飲んだり
嘘もない　無駄話も
忘れている　読むこと　考えること
前のこと　先のこと　歩きながら

040418

いつか見たんだ
夜空をわたる銀色の魚
クロールする星座たち

いつかまた見る

040419

オレは見たぜ　濡れたガラス越しに
隣の女の横顔　黒いケースと紅い唇

鼻腔つまらないで
つまらないで鼻腔

040422

　
攻めてる？
　
　
　

040427

あの向こうに霞むのが男山

ガタピシ古いエレベータ、気取ったベニヤのテーブル、磨り減って丸い階段の角、ガラス越しの色とりどり、君のこと憶えてる？、ピッツァ・マルガリータ、グラスワインで乾杯、手を繋ごうとする少年、ぼくは冷めてない、新しい駅ロータリー、峠の我が家、

明日は仕事

040430

この眼、あのときの奴の眼に似てる。
侮られまい、とする眼だ。
読まれまい、とする眼だ。
弱い者同志の眼だ。
心の空虚を映す眼だ。