040502

立ち止まる人と、通り過ぎる人。

おい、脱げ！
ここで脱げ！
もっと脱げ！

040506

ニンゲンは言葉を話すでしょう？
だから目の前にないものについて、延々と喋り続けるの。例えばトーキョーとか。
でもだからって黙ることができるかしら？
一杯のコーヒーを
飲んでもらえるかしら？

040507

海のキリンを見にゆく。
あの向こうの、ずっと先へ焦点を合わせてみる。
消失点に向かって加速する感じ。
見えるところまで飛んでゆける。
自由に移動できる。

040508

さっき彼女と話したことはいま君と話すこととは関係ないね。
さっき彼に聞きたかったことはいまちょっと思い出せないよ。

いまここにいるぼくがぼくだよ。
写真写りは気にしないよ。

040509

「確か警察関係の…」
「え？私言いましたか？そうですか…、ちょっと来づらくなるかな」

「キツかったんか？負担かけてる？」
「まあな、でもええんや。脱ぐことに決めたから」

040510

部屋が片づくといろんなこと滑らかに思い出しますよ。
積み上げた下の方は腐ってます。
足の指を広げて床を掴んでみましょう。
　
　

040511

てゆーかさー、何見てんのってかんじ
アタシ花撮ってんのにさー、見んなっつーの
じっと見られてっと撮れねっつーんだよ
花、集中して見れねーし。あー、もーいっ
でさー、何だっけ、あー。つーかさ、それもう１年前の話なんだけど。

040512

戦時中に供出したわけです、鉄瓶を。そして戦後になってたまたま、赤目あたりで闇の露店に出っくわした。で、これはたいそう良いものだってすぐ気に入ったけれども六万五千円ですよ。当時のそんな額だから今じゃ…、なんてもんじゃないね。だけどやっぱりたいそう気に入ったから、もう一度通って結局一万まけさせて買った。そりゃぁ、だから輝きが違うでしょう。それから隣村の神主のとこで二階に泊めてもらった際に、この火鉢を見つけた。見つけたけれどそこじゃまだ売り物ってことでもない。で、神主さんが亡くなった折に…

040513

お掃除するゼ
掃いて捨てて
吸って叩いて
拭いて触って
気持ちいいゼ

040514

意図が見えてしまったら
糸がほどけてしまったら

また結ぼう
何度も結べ

040516

えー、なんやろ。なんていうかな、なんやろ、
あ分からへん。そこまで考えたことないわ。
えー、すごいね、なんやろ、そっかー…
でもな、アタシは自分のこととか言わんと我慢してたんやって。
彼の負担にならなんようにって。愚痴とかもな、聞くばっかで、

040518

いや、住んでんのは奈良なんです。もうずっと。
前は大阪で、いまも毎日大阪へ仕入れに行ってんねんけどね。
このくらいのね、季節になるとね、毎日ね。
いますぐ食べはりますか？あ、じゃ黄粉掛けときますから。
ハイどーぞ、ハイ、じゃおつり200円、ハイまいど。

040520

ぼくらは忘れがちだ
作りものではなく、そこにあるものを
組み立ることではなく、引き剥がすことを
熱狂の叫びではなく、冷静な呟きを
　

040521

何をしているのか
何でできているのか
いつからそこにあるのか
何故そこにあるのか
本当にそれはあるのか

040522

イギリスのコーヒーは…悲惨ですね(笑)。最近でこそ美味しい店もようやく出てるけど、それもロンドンの一部だけ。あ、だからそれはティーカップですよ。その左のとか。ああ、上のは確かにコーヒー用ですね。数杯分サーブする容器です。あんまり意味ないけど。ええ、まぁ、京都は学生が多いですからね。いやもちろんそう、本当はこれくらいの世代が一番文化的なものにお金を落として欲しいわけだけど、その素養を培うのも学生時代ですからね。交通費までは回せないから、家の近くでないと遊ばないし。

040525

もう一度体力を作らなきゃ。
もっと遠く、広く、深く…、
いけるところまでいきたい。
いききりたい。いききるよ。
　

040528

そういえば先日、ここらあたりがどんな場所なのか聞かされたんだ。
若い男がビールを飲みながら、時々頓狂な声を上げて笑ってた。
きっと二階は暑くなるだろうね。でも要は工夫次第。
箱に合わせるのでなく、いつもイメージすることを忘れないで。
ぼくらが何処まで飛べるのか、想い描くことを恐れないで。